言葉のリハビリ場

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鰹のたたきが美味すぎてびっくりした話

実を言うと、これまであまり鰹のたたきという食べ物があまり好きではなかった。理由を一言で説明するのは難しいけれど、鰹の生臭さみたいなものがあまり好きではなかったのだと思う。鰹は鰹でも、鰹節は好きだ。大好きだ。鰹を使ったツナ缶というのも存在するけれど、あれも別に嫌だなと思ったことはない。要するに、刺身やたたきのような、生に近い状態があまり得意ではなかったのだ。食べられないとかそういうレベルではないし、海鮮丼とカニ入っていても普通に食べはするけれど、自分から選んで食べようかな、とは思わないような、そんな感じであった。
それから鰹と言えば高知だが、高知に行って鰹のたたきを食べた時にも特にすごい美味しいとかそういった思いをしなかった。店が悪かったのかもしれないが(ひろめ市場の中だった)、いろいろ試しつつ、最終的に「にんにくを付けて食べるとうまいぞ」という話を聞いてそれも食べてみた記憶があったけれど、まあそんなに好きではないな、というくらいの感想で終わってしまっていた。

それがこの間、見事に覆される出来事があった。囲炉裏のある居酒屋でのことである。
鰹のたたきを、塩とスライス状のニンニクを載せて食べるというものだったのだが、「なんだこれ、鰹のたたきってこんなに美味かったっけ……?」と思わず漏らしてしまうほどの衝撃を受けたのだ。
塩は粒が大きいのできっと粗塩なんだと思うけれど、赤身ながら脂がのっていて少し味に癖のある鰹とうまく調和しているようなのだ。臭みがないうえに、スライスニンニクもそこまではげしい主張がなく、何より鰹とだけじゃなくて塩との相性が抜群にいい。

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鰹のたたきってのは美味い食べ物なんだ、ということにこの時初めて気づかされたのである。
鰹のたたきってのは勝手に「大葉やネギ、ミョウガの薬味を乗せて、ポン酢とか醤油とかを調味料に食べる」ため者だと思い込んでいたけれど、塩に変わったって全然かまわないんだ、ということだ。ただまあこれは酒飲みの味だよな、とも思う。10代のころにこの味に出会っていたとしても、ご飯のおかずにはたぶんならないのでそんなに感激はしなかっただろうな。寿司になっていれば別だろうけれど。

ちなみに鰹のたたき以外も美味すぎて、2週間後にまた同じ店に行ってしまった。遠方なのにわざわざ、である。のどぐろは文句なく美味かったし、あなごの囲炉裏焼もわさびと塩で食べるのは格別だったし、鯖も脂が乗っていて最高だった。

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気づいたけれど、最近結構焼き魚が好きになってきている。昔は圧倒的に刺身が好きで、その次が煮魚、そしてその後に焼き魚が来るかな、くらいだった。それが最近は、焼き魚がかなり好きになっている気がしている。味覚が変わってきているってことなのかな。でも別に他の刺身や煮魚の評価が下がったわけじゃなくて、純粋に焼き魚のことが好きになってきているんだと思う。食べ方はあんまり上手じゃないけれど、まあそれはそれとして。

それにしても、炉端焼きって美味いんだな。昔、それこそ学生時代に何度も近くの炉端焼きの店でランチを食べる機会があったのにもかかわらず、かつ丼ばっか食べてたこと、あったな。さんまとさばを一回ずつ塩焼きで食べた気がするけれど、ほぼかつ丼か、そうでない時はかつ煮だった気がするな。炉端でたぶん焼いてない。あの店まだあるんだろうか。また行きたいね、かつ丼食べに。