北海道で食べすぎた話
旅行に出かけるとついつい食べ過ぎてしまう。どうしてだろうと言われても、まあ食事をしに旅行に出ている面があるからじゃないの、としか言いようがない。ともかく食べることは楽しいことだ。普段の生活でもそうだけれど、別の土地に出かけるとなおさらそうだ。
そんなわけで、この間北海道に行った時もずいぶんと食べすぎてしまった。
北海道は魔境である。食べたいものがたくさんある。だから食べすぎてしまう。わかっちゃいるけどやめられない。
とまあこんな導入をしておいてなのだけれど、最初に食べたのはこれ。北海道関係なし。
朝の6時49分に食べる食事なのかこれは。でも美味しかった。特に肉と一緒に入ってたザーサイが妙に美味しかった。できれば昼に食べたい味な気もするけれどまあ、いいだろうそういうこともある。
そういうわけで羽田空港で飛行機に乗る直前に朝ごはんである。
そもそも飛行機に乗る前にちょっと時間があったのだ。そりゃそうだ。電車で空港まで行くのだけれど、6時台に空港に着くには結構な速さで家を出なくてはならない。そうすると、列車本数も少ない時間帯であるため、すごく早く行くかギリギリに到着するかの2択にしかならない。
ギリギリ到着はあまりにハイリスクだ。電車が遅れたりすればすべてが終わるし、着いたところで朝特有の腹痛に襲われでもしたらそれはそれで大変だ。だからおのずと早くについておく択を選ぶほかない。
そんでまあ、早起きしたわけなのでもうとっくにお腹が空いていて、こりゃ新千歳まで持たんなということになり、羽田空港で朝ご飯を食べたいと思ったのだ。たまたま売店で見つけたのがこれで、なんとなく買ってしまった。ほかの選択肢は天むすか、ヒレカツサンドだった。揚げ物しかなかった。焼肉でいいじゃん。そんな感じ。
え、新千歳で牛丼でも食べるんじゃないのかって？
空腹に勝てませんでした。それだけ。あとまああれはANA側だからね。
普通に、というか普通以上に美味しかったのでとてもよかったのだけれど、ただ残念ながら前日私はお腹を壊しかけており、この日もその辺の調子は芳しくなかった。飛行機のシートベルト着用サインが消えた瞬間、私はトイレに行った。
それでまあ、というかそれなのに、機内で私は緑茶を飲んだ。なんで。私は飛行機を降りて手荷物受取所の所でトイレに行った。時間に余裕があったので、余裕だった。
昼になったら刺身定食。刺身定食というか、豊漁定食というらしい。豪華だった。値段が高かったので、まあ豪華だろうなと思ってたけれど、それ以上にボリュームがすごかった。
それでまあ刺身もすごかったのだけれど、それよりも何よりもこれ。
にしん。でかい。にしんそばに入ってるにしんって、甘露煮の状態だけれどでかくても15cmくらいだと思う。それくらいを想像してたから、この30cmくらいある太ったにしんには驚いた。ほっけの焼いたやつのほうがでかいだろうなと思うけれど、このにしんもひらいたら相当でかいんじゃないかな。
そもそも焼き魚として食べるのは初めてな気がする。
にしんは脂がちゃんとのっているのにあっさりで淡白という謎の魚だった。大根おろしとの相性がめちゃくちゃよかった。
ただまあとにかくでかくてかなり満腹になってしまったのは言うまでもない。
そんなわけで昼は食べすぎたので夜になったら軽めに食べよう、とか思っていたのに、日が暮れるにつ入れて普通にお腹がすいてきたので、味噌ラーメンの店へ。
この店は前に行ったことがあるから2回目である。
でかいチャーシューは謎だけれど、普通においしいお店。見た目ほど脂っぽくないので結構好きだ。餃子もおいしいらしいけれど、一皿600円と妙に高いので頼んだことはない。
ホテル入って夜食と、それからこのmatchに似た何か。普通においしい炭酸のジュースだった。
ラーメンを食べた後なのに、夜食にはメンマも買ってしまった。メンマ好きなんだよねメンマ。でも、変なの買うとちょっと薬っぽい嫌な苦い味がするんだよな。セコマのメンマは美味しい。
翌日は電車で移動。朝ご飯におにぎりを1つ食べた。「おにぎりあたためますか」って聞かれたよ、買うときに。北海道だからね。でも温めたことはない。混ぜご飯的な、丸いおにぎりはあったかいところが想像できるんだけど、パリパリのノリの三角おにぎりはあんまり想像つかないな。別においしいんだろうけれど、反射的に断ってしまった。
お昼御飯用には駅弁を1つとおやつを購入。
いつも色々見るけれど、結局同じやつを買ってしまう。ご飯もそうだけれど、付け合わせがまたおいしいんだよね、これ。今回は「宗谷」で移動したんだけれど、「スーパーおおぞら」の時も、「オホーツク」の時もこれを買った。なんか、いいんだよね。
早めの時間に駅弁を電車内で食べる。
駅弁って、何でか我慢できない。朝から乗っていると特にそうで、この日も7時半から乗っていて、11時にはもう食べ始めてしまった。これでもちょっと我慢したほうだ。
昼を早く食べるから当然早くお腹が空く。これは道中寄り道して買ったおやつ。
日本最北端のコンビニ……ではなく、2番目のコンビニ。1番じゃなきゃダメなんですか？ ちなみに最北端のコンビニというかセイコーマートにはホットシェフが併設されていなかった。ホットシェフとは店内調理の総菜とか弁当のコーナーのこと。だから2番目のセコマだけれど、ホットシェフ併設の中では一番最北にあるんだよって、そういうことである。どういうことだ。そういうことだ。
ホットシェフで一番好きなのは唐揚げだけれど、いつ見てもかつ丼が美味そうだ。食べたことがない。セコマは大抵おやつだから。
おやつを食べたけれどこれまた早い夕食。タコしゃぶである。これは完全に始めて食べる食べ物である。食べたことがないのでタコをどのようなくらいで引き揚げたらいいのかさっぱりわからなかったが、「タコが半分くらいの大きさになったら食べてくださいね」と店員さんは教えてくれた。ほっといたら1/3くらいの大きさになったように見えたけれど、丸まっただけだった。
タコは普通に美味かったけれど、それ以上に鍋に一緒に入っていたレタスがべらぼうに美味かった。タコがメインだけれど、レタスが一番美味い。昆布だしとタコのうまみを吸ったレタスをゴマダレに付けた食べるのが美味すぎてお替りしたくなった。しなかった。
〆めに麺が付いてくるというのを完全に見逃していて、ご飯付きの御膳を頼んでしまう痛恨のミス。
ミニサイズであることを期待したが、普通のご飯1膳よりもちょっと多いかなというくらいのイクラ丼だった。完全に余計だった。食べたけど。食べれたからなお悪い。美味しかった。なんか弾力がすごかった。
そんなことをしたのに、夜食があった。ラーメンである。ドーミーインというビジネスホテルは夜泣きそばという名前で無料のラーメン提供がされるのだが、これも食べてしまった。
夕食が早かったから普通に食べられてしまった。だって夕飯食べ終わったの18時半だからね。
朝食もなんだかすごかった。
その日は普通列車で移動。全然人が乗っていない。10時27分に出発して到着が14時半とかそんな感じ。それでもまだ目的地ではない、そういうやつ。当然お昼を挟むので、ご飯を調達してから行く。
まずはセコマのおにぎり。
「山わさび」という北海道でちょこちょこ名前を見る奴を買ってみた。山わさびとは何ぞやと調べながら食べたが、山わさびとは西洋わさびのそれであるという。北海道には自生しているらしい。ローストビーフの付け合わせとかについてくる辛いやつね。
完全に理解したときにはもうおにぎりを食べ始めていたので、既に鼻にツンとくる辛みにやられていた。嫌いではないけれど得意ではないのだ。あのわさびのツンとくる感じが。少しでいいかな、少しで。多いと辛いよ。でも美味しかった。癖になりそう。
本当は駅弁を買う予定だったが、
あえなく休売中。代わりに駅併設のおしゃれなカフェでサンドイッチをテイクアウト。
これはもう想像した通り、いやそれ以上に美味しかった。モスバーガーにサウザン野菜って名前のハンバーガーがあった気がするけれど、あれの上位互換みたいな味がした。例えが悪い。
後、思ったよりでかかった。「思ったよりでかい」それが北海道なのかもしれない、なんて。とか言っているけれど、暇だったのもあってこの後お菓子も食べている。食べすぎ。でもまあいいんだ。
夜は旭川で新子焼き。旭川名物である。でかい焼き鳥である。いやちょっと語弊があるな、若鳥の半身を全部食べるというやつ。
切り分ける前に写真を撮らせてくれる。
とはいえ切り分けても一人である。
普通は複数人で食べるんだろうけれど、一人で全部食べた。前に来た時もそうしたと思う。でかいんだな、これが。ご飯と一緒に食べても絶対美味しいが、さすがに自重して鳥だけ食べた。
が、酒を飲んだので同じである。
酒の原料は米だ。つまり自重などしていない。
ホテルに行って、駅で買った燻製卵と、
これまたドーミーインだったので夜泣きそば。
2日連続。何ならラーメン的は3日連続。懲りない。まあ懲りない。夕飯で白米を頼まなかったとかもう特に関係ない。何も自重しちゃいない。風呂上がりにアイスボックスも食べた。久しぶりに食べると美味いねあれ。この日は雨だし電車移動ばかりだしで全然動いていないのに、まあ食べた。食べすぎ。
朝食もまた同じような感じ。これも食べすぎる。
美味い。美味すぎる。
そうしてこの日はもう早めに帰る予定だったので、昼前に空港へ。そこでまたラーメンを食べる。旭川ラーメン。
鳥と豚の味がしてでも魚の風味も感じるそういう味。スタンダードな旭川ラーメン……だと思う、あんまり食べたことがないけれど。ラーメン的には4日連続である。懲りない。北海道のラーメンは脂っぽくなくてちょうどいいね。
ところで初日はお腹の調子が割と悪い傾向にあったけれど、翌日からは平常に戻った。これは幸いであった。北海道でお腹の調子が悪いと、せっかく色々食べに来ているのに、もったいないことになるからである。
その代わり、食べすぎて気分が微妙に悪くなるというのを久々にやった。腹ごなしに歩くというのを何度かやった。にもかかわらず次の食事は普通に食べられる。不思議なものだ。良くないことのような気もする。
こうして今回も、旅行先で食い倒れてしまったわけだ。
この間は北九州でも食べすぎてるな。
でもまあ、こういう旅もいいよね。
