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「旅程を他人に押し付けろ! ~行程シャッフルフェスティバル~」顛末編


「旅程を他人に押し付けろ! ~行程シャッフルフェスティバル~」とは

 

fwbc0416.hatenablog.com

 

まあそんなわけで、不思議な遊びを実施してきたわけである。

開催地は岡山だった。程よく都会で、かつ東西南北各方面にいろいろな種類の路線(主に鉄道)が伸びているということで選ばれたのだけれど、結果的にはこれが大正解だった。旅程の組み方の自由度がちょうどいい感じに高かったのである。遠くに行くにしてもある程度の近場でも、いろいろ見どころがあるので参加した4人がほとんど行程に被りを発生させず、うまい具合にバラけることができて良かったと思う。
別に被ってしまっても良いしそれはそれである程度までなら面白いと思うけれど、すり合わせせずにちゃんと4人がそれぞれ別の方向性の計画を立ててきた、そのことだけでもう既に大成功と言っていいはずである。


実施前日、岡山のホテルに参加4名で集合した。2部屋分予約していたので、片方の部屋で行程シャッフルの儀式が行われることになった、手法としては、下記の方式を採った。

①1~4までの数字の書かれた札を取り、各自が自分の引いた番号を覚える
②別室に行き、自分の引いた番号を行程の入った封筒に記入し、ベッドの下に見えないように隠す
③全員隠し終わったら、再度数字の書かれた札を引き直す

③の時に自分の番号を引いてしまったら再抽選、と決まっていたが、1発で被りなく分配することができた。

ベッドに隠したそれぞれの封筒。規格がばらばらでもこの手法なら問題無し


ちなみに私の行程は4番で、引いた行程は2番であった。2番は一番大きな封筒だったので何が入っているのかとちょっとドキドキしたが、行程詳細の書かれた紙が、ファイルと共に封入されているだけだったので、ちょっと安心した。

行程表と解説、それから現金と切符入りの封筒

 

中に入っていたのは行程詳細の紙と、それから2種類の封筒だった。片方は電車の切符、もう片方は現金だった。切符は2枚だけで、現金は4310円も入っていた。想像していたよりも現金比率が大幅に高い。現金が入っている可能性というのは想定していたが、4310円というのはなかなかの額である。そして切符が少ないということは、つまり鉄道以外の移動がたくさん含まれているということである。

行程表を読んでみると、すぐに理由が分かった。私に振り分けられた行程は、バスと船を多用する行程であった。
バスに6回、船に2回乗るという、そういった計画であった。

切符は2枚だけ

これはかなり面白いぞ、と思った。私であればこういった計画はほとんどすることがないからだ。まあ大前提として車酔いしやすいとか船酔いしやすいとかそういったことはあるけど、そうであっても多少ならば予定として組み込むことはある。中部国際空港まで電車で行ってそのまま飛行機に乗らずに船で津に渡ったとか、そういうくらいのことはあるからだ。でも、ここまでのバス・船舶の多用というのは考えたこともなかった。
1日に5回もバスに乗るのは、観光地での乗り放題パスか何かを消化する以外の用途では正直初めてだと思う。
自分では考えなさそうな計画に当たったという意味では、この企画としてはかなり目論見通りといえよう。


前日時点ではこの時点ではまだどの行程が誰のものかを開示しないという取り決めがあったので、各々に振り分けられた行程表を確認しながら自分以外の誰かである作成者に向かって文句を言ったり感想を述べたりしながら、その日は少々早めにベッドに入って明日に備えた。
もっとも、私は朝8時24分岡山発とそれなりに余裕がある時間だったのであまり早起きではなかったが、他のメンバーは皆7時までにはホテルを出るような感じだったので、早く寝る必要があったのだ。
まあ私は結局いろいろあって2時くらいまで寝付けなかったのだけれど、それはまた別の話。

 

<出発>

いよいよ当日。「旅程を他人に押し付けろ! ~行程シャッフルフェスティバル~」実行日である。
朝6時過ぎに同部屋の人が出ていくのをなんとなく見送ったあと、私は7時まで2度寝した。寝不足だったのでちょうどよかった。それでも少し早めにホテルを出て、岡山駅には8時前には到着していた。



行程表には岡山駅で昼食の確保をしておいたほうが良いとのコメントが掛かれていたのでそれに従い、弁当を調達する。外で食べることになるだろうから、とあまり箸を使わずに食べられそうなおにぎり弁当を探して購入した。最近、全国的に企画商品としておにぎりタイプの駅弁がたくさん売られているので、それを探した。

それでもまだ時間があったので、指示にはなかったが駅で朝食を摂った。

椅子のあるタイプの店

改札内うどん屋である。
肉うどんというやつは西日本でしか見ないが、ほんのり甘辛で結構好きだ。

10秒くらいで提供された肉うどん

うどんを食べて、乗車する電車をホームで待った。


<岡山駅 8:24発 快速マリンライナー児島駅 8:47着>

クロスシートなので快適

マリンライナーの自由席に乗車。

児島より先、瀬戸大橋を通過するならば先頭車両のグリーン車に乗車するのがいいけれど、手前までだったのでそのまま指示通り自由席車両に座った。岡山始発なので普通に座ることができた。通路側でも特段問題ない。
20分そこらで瀬戸大橋の手前の町、児島に着いた。

大島でも児嶋でもない、児島


何度か通ったことはあるが、降りたことのない駅である。時間的に30分くらい余裕があったのでトイレを済ませたのちに駅前をちょっとうろうろしてみたりした。

 

ジーンズの町ということで駅前にひたすらジーンズが吊り下げてある通路があったり、行き当たった公園に謎のオブジェがあったりした。まあでも公園には謎のオブジェは付き物である。




散策して戻ってきたらバスが待機していたので、乗り場に向かった。

折り返し準備中のバス。消毒作業などをしていた


<児島駅 9:20発 琴参バス瀬戸大橋線 ⇒与島PA 9:50着>

乗り込んだのは路線バスであるが、瀬戸大橋を渡る路線なので、シートベルトが付いている座席だった。

全座席にシートベルト付き

瀬戸大橋は高速道路なのだ。でも、車両の見た目も中身も基本的には路線バスなので、なんだかちょっと不思議な感じがした。逆パターン(路線バスに高速バス用のいい車両が来る)のは見たことがあるけれど、路線バスにシートベルトを着けて高速道路対応にしているのは初めて見た。つり革があるけれど、高速道路区間は立ち乗りしてもいいんだろうか? ダメな気がする。
児島の街中を走ったあと、バスは高速道路に入っていった。

児島IC入り口

高速道路に入ってからの時速はおそらく60kmも出ていないくらいだったと思う。信号がないだけで、乗っている感じは普通の国道みたいだった。ただし、右車線をものすごいスピードで車が走っていくけれど。

 

路線バスなので、途中でいろいろバス停等に立ち寄るのだけれど、高速道路上のバス停だけでなく、途中にある島にも立ち寄って客扱いをしているのがこの路線である。瀬戸大橋が通っている櫃石島・岩黒島・与島の3島にはそれぞれインターチェンジが設けられているが、基本的には島の住人と路線バスにしか通行が許可されていないという、ちょっと特殊な形の造りになっている。岩黒島は大型車通行禁止なので今回の便では寄らなかったが、他の2箇所ではICを通るたびに通行証を挿入していて、結構な時間を使った。
目的地の与島に行くまでには櫃石島があるので、まずここで一般車通行禁止ICの様子を見ることができた。

レアな表示

入り口のゲートは、一般レーンの料金所のそれにほど近いのだけれど、実際には有料の駐車場の出入り口精算機のそれである。2重のゲートになっているので、ICを通るたびに2度一時停止をしてゲート通過の手続きをしていた。

櫃石島は一旦素通りして、次のICがある与島のPAで私は降車した。

 

ここは高速道路のPAであるので、一般車でもPAまでなら入ることが出来る。瀬戸大橋の途中にある唯一のPAということで、大賑わいだった。


<与島 散策>

PAは大盛況だったが、特に展望台がにぎわっていた。2か所展望台が存在するが、どちらもかなりのにぎわいだった。列をなすほどというまではいかなかったが、入り口の階段などはスムーズに乗降できないくらいにはなっていた。

展望台は瀬戸大橋がきれいに見えるロケーション

一通りPA内を散策して、まだ10時10分くらいだったのだけれど、どういうわけかやたらとお腹が空いてしまった。軽食を探してみたが、ピンとくるものがないし、どこも行列していた。
なので、かなり早いがこのPAにいるうちに岡山で買った弁当を食べてしまうことにした。

ピークの過ぎた藤棚の下がガラガラだったので、そこに腰を下ろして食事にした。

 



シンプルだけれど、美味しいお弁当だった。天気もいいし、気温もちょうどよく、外でお弁当を食べるのにはもってこいだった。PAであればゴミ箱もあるし、そういう意味でもちょうどよかった。

この後の行程表上の指示としては、与島の中にある別のバス停「浦城」に向かう事だった。11時56分発のバスに乗るようにとの記載があるから、それまでは自由時間ということになる。
個別ミッションとして「与島の中(PAの外を推奨)から瀬戸大橋の写真を撮る」というものがあったので、まとめて済ませてしまうことにした。
ミッションというのは、行程の中に組み込まれた別の指示である。指示された場所で指示の通り写真を撮るというようなことが主なのだけれど、支持の仕方も計画者に依存するスタイルとなっているので、このあたりも個性が出るところだと思う。
私の受け取った行程表では、大まかな指定はされているものの、後はいくつかシチュエーションを推奨するにとどめて旅行者の裁量に任せた形になっていた。

そういうわけで、1時間半くらいの暇ができた私は、とりあえず徒歩でPAを脱出することにした。与島の集落にバス停「浦城」があるので、ひとまずそこを目指してから周囲を散策することにした。
PAからの徒歩出口が見つからずにインフォメーションで聞いてしまったが、教えてもらった通りに進むと出口は簡単に見つかった。

小規模だがちゃんと出口

見つかったが、なかなかの通路だった。まさに通用口、という感じ。

道も途中までこんな感じで細々と続いていた

集落に入ってもこんな感じ

茂みの中を抜けると集落の路地にそのまま繋がっていて、順路通りに進むと海に出た。

瀬戸大橋を仰ぎ見るのにはちょうどいい感じのシチュエーションだったので、ここでご飯を食べてもよかったかもしれないな、と思った。

PAと反対側にあたる

 

ロケーションが気に入ったので、数分、堤防に腰かけて写真を撮ったりした後、集落のほうに足を伸ばした。

思っていたよりもずっとこじんまりとした集落で、幅50m、長さ200mくらいの長方形に収まりそうな感じの規模間の集落だった。飲食店等はないらしい。


灯台があったのでそこまで登ってみたり、集落の端の駐在所のあたりまで散歩してみたりして時間を潰したが、なかなかにのどかな風景と、見上げると現れる大きな瀬戸大橋とのギャップがなかなか面白い場所だった。
ちょうどアートの展示のようなものもやっていて、古いバス停に宇宙服が座らせてあったりして、新旧入り混じる不思議でシュールな空間を演出していた。

「月への旅の途中 最終駅」

余った時間は堤防で海を見ながら過ごしていたが、魚もそうだけれど刺されると痛いアカクラゲなんかもちょこちょこ混ざっていて、泳いだりするのには向かなそうなところだな、なんてことをぼんやり考えていたりした。まあもっとも、砂浜があまり広くない上に集落のはずれにあるので、もともと適していないのだろうな、とは思う。実際、釣り人はそれなりに見かけたが、マリンスポーツ系の人は全く見なかった。


そういうこともあってか、与島PAではたくさんいた観光客も、与島の集落にはほとんでいない様子だった。

鍋島灯台へ続く道

のどかで綺麗なところなので、PAに足を運んだついでにちょっと足を運んでみるとまた面白いので、お勧めしたい。
のんびりとした時間を過ごすことができた。


<浦城(与島集落のバス停)11:56発 琴参バス瀬戸大橋線 ⇒ 櫃石 12:15着>

そんなわけで宇宙服のいるバス停から再度バスに乗車する。

児島駅行きのバス方向的には先ほどまで来た方向に戻るような形になる。瀬戸大橋を渡り切らずに、北上するのだ。スルーした櫃石島に行くためである。日に5本ずつしかない路線バスを活用する乗車方法というわけである。

グネグネとした狭いつづら折りをバスは一生懸命のぼり、再度与島PAにたどり着いたバスはさらに瀬戸大橋へと戻っていく。島の中もICもぐるぐると曲がりっぱなしなので、手元を見ていたりするとすぐに酔ってしまいそうだった。私はできるだけ遠くを見たりしていたが、ゲート通過の様子なんかは面白くて、そこだけ動画を撮ったりした。

児島駅 - 鷲羽山 -(ここから瀬戸大橋)- 櫃石島 - 岩黒島 - 与島 -(瀬戸大橋おわり)- 坂出駅 という感じの路線になっているのだが、櫃石島や与島はICを降りて島の奥までしっかりと入り込んでくるような形になっている。幅の広いバスではなかなか厳しそうな道が連続するのだけれど、対向車もめったに来ない環境なのでそれなりの勢いで上り下りしていくのが面白い。当然島の中や高速道路に信号など存在しないので、各島のバス停では長めに停車して時間調整を行っていた。
そうして、先ほど一度通過だけした櫃石島へ降り立った。

バス停というか広場というか


<櫃石島 散策>

 

櫃石島は与島よりもさらに規模の小さな島である。この島も一般の車は通行できず、住民の車か路線バスでしか足を運ぶ方法がない。大きく目立つ施設はなく、小さな漁港が2つ(新港と旧港)と、ちょっとした神社があるような、本当にのどかな島である。


行程表上は特に細かい指示もなくのんびり過ごしてほしいとのことだったので、本当にのんびりと散策しながら過ごした。

干してある海藻

家でも干してあった

島の集落は与島よりも一回り小さい規模である。ちょっと歩いて回ると、主要な部分は簡単に見て回ることができた。多少の高低差のある部分や、島の反対側の名所などは行かなかったが、散策するにはちょうどいい感じだった。
途中、小中学校と幼稚園が一体となった施設があった。バスの中から見た感じだとそれなりに立派な施設に見えていた。だが、よくよく見てみると案内があり、2018年で全て廃校になった後だった。今は公民館として使われているらしい。後から調べた感じだと、住んでいる人たちが少なくなっているだけでなく、瀬戸大橋経由で本土に移動しやすくなったことも理由のようだ。
若い人は少なくなっているのかと思ったが、こういうシーズンだからか、帰省中の親子連れのような人たちは何組か見た。堤防でバーベキューをしていたり、庭で何か遊んでいたりしたけれど、だいたい小さな子供たちがはしゃぎまわっていて、楽しそうだった。帰省ってこういう感じだよな、としみじみ思ったりした。
与島で歩き回りすぎていて足がだいぶ疲れていたので、散策をした後は堤防に腰かけてぼんやりと海を見ながら過ごした。日向は暑かったけれど、日陰に入ると風が冷たくて気持ちが良かった。

 

 




1時間の自由時間をそんな感じでのんびり使った後、最初に乗ったのと同じ坂出行きのバスに乗り込み、次の目的地へと向かった。


<櫃石 13:14発 琴参バス瀬戸大橋線坂出駅 14:05着>

バスは先ほど櫃石に着いたときのバスが児島駅で折り返してきたものだった。運転手さんの名前が一緒だったので気が付いた。たぶん、向こうも私のことを認識していたようで、櫃石のバス停に入ってきたときに、片手を上げて合図をしてくれた。


日に5本ずつくらいしかない路線バスなので、運行している人員やバスも多くないのだろう。

坂出駅行きのバスということで、瀬戸大橋を再度南下するルートをとる。そのため、櫃石島を出た後は岩黒島バス停を経由し、再度与島に入っていく。グルグル回ってICを降り、つづら折りを下って与島の浦城バス停に行き、再度折り返してまたグルグル回って瀬戸大橋へ戻っていく。
歩き回った疲れもあって、私はそのあたりで車酔いを起こしかけた。戻したりしなかったが、歩いた疲れも相まって結局瀬戸大橋を降りてから坂出駅の間あたりを気絶したように寝て過ごした。


<坂出駅 14:16発 快速サンポート南風リレー号 ⇒ 高松駅 14:33着>

 

坂出からは電車で高松に向かう。坂出駅に到着した電車は混んでいたので座れないかもと身構えたが、半分以上の乗客が降車し車内はかなり空いた。私は4人掛けのボックス席に座ったが、高松まで誰も乗ってこなかった。

ガラガラ



バスで疲れていた私は駅のホームで買った炭酸飲料を飲みながら高松まで向かった。ちょっと元気が出た。
停車駅も少なかったので、割とすぐに高松駅に着いた。

顔があって可愛い


<高松駅 高速艇乗船準備等>

高松駅では40分弱の時間があったが、やるべきことが2つあった。
1つは、行程表に書かれた指令の遂行である。香川県は「うどん県」ということでうどんのPRを積極的に行っているが、最近ポケモンの「ヤドン」と名前が響きが似ていることからか「ヤドン県」というコラボレーション活動も行われている。その様子を写真に収めるというミッションが記載されていたので、ヤドンを探すべく高松駅構内を探した。
しかしながら、タイミングが悪く(?)香川県では「瀬戸内トリエンナーレ」というアート展示や、アンパンマンとのコラボが行われている最中で、ヤドン関連の物を探すのはちょっと手間取った。結局、土産物店に並んでいたヤドンを見つけて写真に収めたが、初めから割り切って駅から少し歩いたところにあるヤドン模様のマンホールの写真でも探しに行けばよかったな、と思った。簡単に見つかると思ったので適当に駅で探したけれど、誤算だった。途中で割と焦った。

グッズはたくさん売っていた


焦ったのにはもう一つ理由がある。それは、もう1つのやるべきことと関連していた。

この後の行程は「高速船で小豆島に行く」ということになっていたのだが、乗船用のチケットを購入しに行かなくてはならないとの指示があった。また、乗船についても自由席の先着順であり、余裕をもって船着き場へ足を運ぶ必要があった。GWということもあってか、駅にも港へ行く場合は余裕を持っていくようにアナウンスがあったりしたので、私は少し焦ったわけである。
ヤドンを見つけた後一生懸命歩いて船のチケット売り場に向かい、チケットを入手して即船着き場に向かった。駅からチケット売り場までは5分強とやや離れており、そこを速足で歩いたので汗をかいたが、結果的に無事高速船に乗ることができて安心した。それなりに乗船する人の数は多かったが、満席というほどではなく、運よく窓際の席も確保して事なきを得た。

慌てて確保したチケット

乗船した高速船。当然デッキには出られない


<高松港 15:10発 小豆島フェリー オリーブマリン(高速船) ⇒ 土庄港(小豆島)15:45>

 

高速船の座席に落ち着くや否や、私は目を閉じた。


私は車酔いについては幼いころに比べてしなくなった方だが、船酔いというのは激しくする方である。デッキに出られるタイプの船であればあまり問題はないのだけれど、高速船のように船内客室しか存在しない船というのは実は非常に苦手な乗り物だ。苦手だが、対処法も一応持っているので、個人的な旅行でもたまに利用したりすることはある、そんな存在だ。
対処というのは実に簡単なことだ。乗船したら一切目を開かない、これだけである。外の様子を見ると揺れを認識してあっという間に気持ちが悪くなってしまうので、見ないようにするのが一番である。できれば寝てしまうのが一番良い。
私は腕を組んで目を閉じ、そのままの姿勢で35分の船旅を終えた。目を閉じていると揺れの感じが飛行機と似ているので、まあ大丈夫だろうなと思いながらも一切目を開けず、到着のアナウンスがあって初めて目を開けた。
なので、目を開けたらいきなり小豆島が目の前にあったような格好になった。



<小豆島 散策>

小豆島は瀬戸内海に浮かぶ比較的大きな島である。島の中の交通手段としてバスがそれなりの頻度で運行されているので、土庄港からはバスを利用して移動することになっていた。行程表上も「歩けないことはないが」と注意書きがあったが、運賃もちゃんと用意されていたのでありがたくバスに乗ることにした。
バスに乗るまでに少し時間があったので港の土産物屋で名産のオリーブオイルを買ったりした。小腹が空いていたので軽食を取ろうと思ったが、そこまでの時間はなかったのでおとなしくバスを待った。
バスはICカードが使えたので支払いが楽だった。

5分くらいで土庄の中心街に到着する。ここには、世界一狭い海峡である「土渕海峡」が存在するので、写真に収めてくるというのが行程表上の指示だった。

世界一狭い海峡・土渕海峡

この場所はぱっと見では完全に河川のそれなのだけれど、実は海なのである。手前が小豆島で、向こう側は前島という別の島なのだ。幅10mにも満たない狭い海峡ということで1996年にギネス申請されたのだが、それまで特に海峡に名前がついておらず、その時初めて「土」庄町の「渕」崎地区で「土渕」という言葉を作り命名されたらしい。だいぶユニークな場所だ。
私は5秒くらいで海峡の横断を達成すると、その足で土庄町役場へと向かった。ここに向かうと、海峡横断の証明書がもらえる(有料:100円)ということが書いてあったからだ。

休日であっても宿直室に回れば発行してもらえるとのことだったので行くと、職員の人が応対してくれた。発行日と横断時間を手書きで記載してくれるとのことだったが、時分に関しては覚えていないので発行時間にしてもらった。

町役場裏側の宿直室

証明書

証明書を貰った後は、オリーブタウンというショッピングセンターを横目に見ながら再度土渕海峡を渡って小豆島側に戻った。街を散策しようと思ったのだけれど、同時に小腹が空いていたので何か食事ができる店がないか探して、入ることにした。
小豆島と言えば、オリーブとそうめんである、と私は思っているのでそれらのどちらかが食べられる店を……と探していたが、いかんせん16時半という半端な時間だったのでなかなか空いている店がない中で、1軒面白そうな店を見つけたのでそこに入ることにした。

なんと、そうめんを使ったパスタを出す店だという。オリーブかそうめんをと思っていたところに両方食べられる店が見つかったのは良かった。

一人で回している店だったので、入店時に提供に時間がかかる旨を告げられたが、それなりに暇があったので承諾し、ゆっくりと提供を待った。17時半のバスで土庄港に戻る予定だったので、1時間くらい余裕があるので大丈夫だろうと思ったのだ。

ペペロンチーノのセットを頼むと、なぜかスープとサラダのほかにたこ焼きが3個付いてきた。このたこ焼きが結構美味しかった。どうももともとはたこ焼きの店だったらしく、その時代の写真なんかが店内に飾ってあった。TVに出たこともあるらしい。なかなか面白い店だった。
そうめんパスタであるペペロンチーノは結局40分くらいして提供された。ボリュームとしてはかなり軽めだったけれど、たこ焼きのおかげでちょうどいい感じだった。味は結構濃い目だったけれど、そうめんに合わせるにはちょうどいい感じだった。新しい味で、美味しかった。なかなか出てこないことを除けばいい店だった。まあ、タイミングが悪かったのだろう。

たこやきの味付けは自分でするタイプだった

ペペロンチーノ(そうめん)


そうして小腹を満たした後は、残った時間で周辺の街並みを散策してからバスで土庄港に戻った。岡山駅のフェリー乗船券を確保する必要があったので列に並び、購入する。お土産は事前に買っていたので追加購入せず、18時半発のフェリーに出航20分前からさっさと乗り込んでしまった。



<土庄港(小豆島) 18:30発 国際両備フェリー ⇒ 新岡山港 19:40>

今度は70分の船旅である。
大型のフェリーだったので、今度はデッキに上がって外の風を浴びることができた。これならほぼ確実に酔わないので、私はずっとデッキに上がったままで過ごした。
最速で乗り込んだのでまだデッキに誰もいなかったので、早々に一番前の位置を確保し、出航を待った。

こいのぼりが掲げられていた

出航すると、しばらく船が夕日の方向に向かって進んだ。方向を変えるたびに、夕日が船の右側に行ったり、左側に行ったりした。私はずっと右側にいたので夕日がこちら側に向いたときだけ写真を撮ったりしていたのだけれど、乗客の多くは夕日の方向が変わるたびにぞろぞろと移動をして写真を撮っていたのが面白かった。



そんな人たちも、日が暮れると客席に戻っていった。日中に比べて寒く、海の上は風もあるのでほとんどの人は暖かい客室内に戻ったが、私は中に入ると船酔いするので、ずっと外にいた。さすがに後半寒くなってきたが、ベンチに腰かけて身体を縮めたりしながら耐えた。

だんだんと日が暮れて暗くなっていく

寒い中、近づいてくる岡山側の景色を眺めながら過ごした。結構陸地が近いので、電波もちゃんと入ったので、今どのあたりにいるのかはっきりわかったので、地図と見比べたりしていた。
ちょっとだけ工場夜景みたいなものも楽しめたが、もう5月なので案外日が暮れるのが遅く、ずっと空が薄ら明るかった。
でも私はそういった暮れかけのあの群青色の空の色が好きなので、日が暮れた後の太陽の橙の残りとのグラデーションを眺めたりしていた。とにかく暇だったので、いろいろなことを考えながら時間をつぶした。

そうしてフェリーは新岡山港に入港した。

すっかり夜に


<新岡山港 19:50発 岡電バス新岡山港線 ⇒ 岡山駅 20:27着>

新岡山港からはバスで岡山駅へ戻った。

このバスが一番混雑していて、そして一番長く感じた時間だった。乗客が多すぎたので、途中で降車したい人はまず後ろのドアから降りて、外を経由して前のドアから入り清算をしていた。私は運よく早めにバスの列に並んでいたので座ることができたけれど、立ちっぱなしの日とは結構大変だったと思う。

やや渋滞気味だったので予定より5,6分くらい遅れて岡山駅に到着した。

帰還


<行程終了>

これでこの日の私の行程は終了だ。私にとってはなかなかハードな行程であったが、他の参加者3名の行程はさらにハードなものだったようで、私が一番遅く出発して私が一番先に帰って来るといった具合だった。
次に帰ってきた人でも22時を回っており、遅い人は結局岡山駅に23時半近い時間だった。なかなかにハードな旅程だったようだ。

風呂等済ませて0時過ぎからホテルで反省会という名の感想戦を行ったが、盛り上がりすぎて結局3時くらいまでずっと話していたと思う。とにかく盛り上がった。
「旅程を他人に押し付けろ! ~行程シャッフルフェスティバル~」は、
①旅程作成
②旅程交換
③旅程実施
感想戦
の4段階に分かれていたわけだが、全部面白すぎて感想戦がいつまでたっても終わらなかった。作成者を伏せていたので事前に話せなかった旅程の意図を話したり、逆に実行者から作成者へのツッコミがあったりなど、とにかく話題が尽きなかった。

ここでは私の実施した旅程について書いてきたが、それぞれの旅程についてはそれぞれ実施してきたメンバーが何かどこかで書いてくれる……のではないかと勝手に期待している。まあ、私の作った旅程についてはどこかで話すかもしれないが、あくまで私が組んだのは旅程であり、実際に行動する人が肉付けしたりしたものもあって興味深い結果になっている。
まあ私だって勝手に肉付けしているし、旅程自体も皆それを許容する形になっているものだ。
他人の旅程を押し付けるとどうなるのか、あるいは押し付けられるとどうなるのか、というのを見る企画でもあるので、適度な肉付けや改変についても目論見通りだと言えると思う。肉付けにも個性があっていいと思う。

私以外は、「初手から九州に飛ばされて船で帰ってきた人」や「四国を半周した人」、「中国山地を往復した人」がいたので、なかなかバリエーションに飛んでいる結果になったと言えよう。

ちなみに、Twitter上で「#行程シャッフルフェスティバル」を付けてつぶやいているので、興味がある人は眺めてみると面白いかもしれない。最新順にツイートを並べて時系列順に見ると、どんな感じで移動したのか垣間見れると思う。


かなり面白い企画だったので、またやりたい。やるだろう、と思う。

この企画、真似してもらうのは全然問題ないのだけれど、我々のようにハードな旅程を作って交換する場合はちゃんと実行できそうなメンバーで開催しないと結構大変というか、変なヘイトを集めることになるので注意したほうがいいと思う。
今回参加の4名は割と普段から無茶気味な旅行をする(8時間で中国道を横断した後岩国まで戻ってくるとか)メンバーなのでハードなスケジュールでもこなせてしまったのと、天気が良く大きなトラブルもなかったので何とかなっているが、結構注意すべき点は多いので事前にいろいろ考慮と打ち合わせ・すり合わせをしたほうが良いと思う。切符等を現金で買うというのが今回結構ミソみたいなところがあって、現金購入の切符であれば乗車変更等の対応が簡単なのでトラブル対応が容易であるからだ。まあ前回のレギュレーション記載の記事を見て貰えればいいと思う。


長くなったが、ひとまずこれくらいで終わりとしたい。
また言及したり別の話を書いたりするかもしれないが、まあ、どうだろう?

 

行程詳細

こんな具合に解説付きだった

 

追記:別視点

ihcamok3e.hatenablog.com

 

gonzalez.hatenablog.jp

 

 

「旅程を他人に押し付けろ! ~行程シャッフルフェスティバル~」


旅行をする時というのは、行程を事前に計画するだろう。もちろん、特に計画せず行き当たりばったりという場合もあるだろうけれど、そういうものも含めて、なんとなく自分の中に「旅行スタイル」を持っている人はいるはずだ。特に、一人旅の場合は自分のしたいように行程を組めるわけで、そのあたりはかなり個性が出る場所だと思う。

私の場合は細かく決まった枠のようなものがあるわけではないが、傾向のようなものはある程度示せる……のではないかと思っている。これまでの旅行スタイルについて振り替えって分析をしたり、あるいは何か研究をするような機会は全くないわけだが、それを他の人が見たら何か特徴のようなものが掴めたりするのではないかと思う。
掴んで何があるというわけではないけれど、たぶんこれは……面白いんじゃないか? そう思ってしまったわけである。

――自分の旅程を他人に押し付けてしまえ。

このアイデア自体は、以前に旅仲間の友人(先輩)が出したものだった。
いずれやってみたいという話は何度か出ていた。何年前のアイデアかはっきりしたことは思い出せないのだけれど、3,4年以上は前からたまに話は出ていた気がする。要するに結構前からアイデアはあったのだ。
これまで実施されることはなかったが、今がその時かもしれない。そう思ってTwitterで「旅行計画を立てて人に押し付けるやつやりたいな」とつぶやいたら件の先輩も乗ってきた。
こうして、晴れて実施されることになったのである。

GWあたりがちょうどいいのではないかということで、実施日はGWに決められた。同じ場所に連泊し、その中日を使って1日丸ごと、誰かの旅程に従って過ごそう、ということになった。
旅程を押し付けると言ったが、正確には旅程をシャッフルして過ごそうという規格である。自分の旅程を誰かに渡し、自分もまた誰かの旅程を引き受ける。旅程を貰うまで自分が1日どのように過ごすかはわからないのだ。

参加者は私含め4名。3月の末から4月の頭に色々話し合った結果、下記のようなレギュレーションが制定された。


・期間は始発から終電まで(自分のスタイルに合わせる)
・飲食代以外の旅費は原則計画者が負担する
・金額上限はなし、下限は目安2000円だがスタイルに合わせる
・電車の切符等は乗車変更ができるように原則現金で行う
・切符等の発券は実施前日に行う
・徒歩は原則2km程度、それ以上はタクシー利用可(計画者に請求)
・チェックポイントを3,4箇所用意し、Twitterで写真と共に指定文言をつぶやく(証拠写真的な扱い)


また、できるだけ「どれが誰の計画した旅程か」ということは伏せられることになった。誰が計画したのかわからない状態で旅に出るわけである。帰ってきてまた顔を合わせたときに誰の計画だったかということを開示する(ことになるはずだ)わけだが、行程から誰のものだったのかを推理する楽しみというのもあるわけである。
参加者は全員旅仲間でよく一緒に出掛けるし、一人旅の様子もSNS等で見たりもする。なのである程度は推理をする情報は持っている状態になるわけだ。バレバレかもしれないし、案外わからないかもしれないかは当日になってみないとわからないが、結構楽しみな要素である。

レギュレーション自体は一見すると細かいように思えるが、旅程に干渉する部分は意外と少なく、組み方自体はかなり自由である。移動に関するルールが多いが、別に電車に乗らず1日路面電車等で街中を敢行する案を作っても問題は全くないし、逆にいきなり新幹線に乗せて終点まで行かせても全く問題はない。問題なく帰ってこれる計画ならば別にいいのだ。
基本的には「自分が一人旅をするなら」という想定で計画することが推奨されてはいるが、別にそれだって守らなくったっていい。どんな計画をするか、というのは思い切り自由である。
ただまあ「朝から晩までイオンモールで過ごせ」みたいな計画はさすがにやめにしよう、ということは確認した。基本メンバーが旅好きなのでそういう計画を出してこないとは思っているが、ルール上は別にできてしまうので、一応やめた方がいいだろう、という合意はしてある。


こうして「旅程を他人に押し付けろ! ~行程シャッフルフェスティバル~」が開催されることになった。


非常に楽しみなイベントである。
というかもう、計画の時点でだいぶ楽しかった。こんなに旅行の予定に頭をひねったのは久しぶりである。案も仮で複数考えて、最終的に2案に絞ったのだけれど、正直どっちも自分で行きたい旅程である。この企画とは別に個人的に実現させたい気持ちしかない。
私の場合本当に自分で行きたい旅行の計画、という形で作ったので、途中組みながら何度かこのまま自分で行きたいな、と思ったりもした。

でも代わりに、今の時点で自分がどこに連れていかれるのかわからないという状況も非常に面白いと思っている。一体全体どこに飛ばされるんだろうか。怖さもあるが、全部誰かが手配済である等状況は案外気が楽でもある。


実施の際の顛末はまた後日、実施後にでも公開しようと思う。

 

↓ 書いた

 

fwbc0416.hatenablog.com

 

親子丼


吉野家で新発売になった親子丼を食べてきた。

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結構好きな味だった。なか卯のそれとはまた違う感じで、甘味よりも塩気の方が先に出るような、そういう親子丼だった。
誰かが箸休めに紅ショウガがあってちょうどよいという話をしていたのを見たが、個人的には紅しょうがはあまり合わないと感じた。まあこれは元々吉野家の紅ショウガがそこまで好みのものではないというところに依存するかもしれない。七味の方がよく合った。親子丼に酸味を合わせる概念がなかったからかもしれない。
いろいろな意味で話題になってしまった親子丼ではあるが、美味しかったのでこのまま定番商品となってくれたらいいな、と思う。

牛丼屋にふらっと入ってしまったけれど、「口が牛丼ではない」ということは結構ある。吉野家の場合豚丼もあって私はそれも好きだけれど、何というかこう、ご飯の上に味の突いた肉を食べたいわけではないな、という日もあるのだ。数日連続して店に入ったときなんかがそうだ。うっかり、あるいは時間的な要素もあってここで済ませるしかない、という場合に、親子丼という選択肢があるのは結構ありがたいと思う。
まあ問題があるとすれば、家からも職場からも、吉野家は近くないということである。なんだから知らないが、私の生活圏には大抵松屋がある。引っ越しても最寄りは松屋であるし、職場が移動しても近所にあるのは松屋だった。一瞬、吉野家が一番近い時もあったが、近いといってもそれなりに歩いて行かないとならない、みたいな距離感だったので、お昼休みに食べに行く機会はあまりなかった。
吉野家は好きだけれど、どうしてか私の生活に深く入り込んでいるのは松屋のようである。松屋も別に好きだけれど、たまには生活圏に吉野家が入り込んできてもらいたいような気持もある。好きなので。
私の生活圏のメインは基本的にずっと松屋だが、学生時代、なか卯が近くにあったときはここも結構利用していた。牛丼屋的な意味ではあまり利用していなかったが、それこそ親子丼であるとか、あるいはかつ丼であるとか。ああいう甘辛い卵とじのどんぶりが好きなので、それらを食べによく利用していた。……いたのだけれど、最近めっきりなか卯に入る機会がなくなってしまったことにより、なか卯の親子丼の味というのがどうもいまいち思い出せないでいる。

吉野家の親子丼の話をするにあたっては、必然的になか卯の親子丼との比較になると思っていたのだけれど、その肝心のなか卯側の親子丼の味が思い出せないのである。かつ丼は割と覚えているのだけれど、親子丼はどんな味だっただろうか。食べに行って確かめればよいのだけれど、なか卯というのは今全然私の生活圏内に存在しない。わざわざ行かないと店がないので、いいタイミングで目の前に現れないとそうそう行く機会もないのではないかと思う。
あと、親子丼以前に。牛丼もリニューアルされていてよくわからないので、まずそっちを食べたいような気もする。今では牛丼として復活しているが、なか卯は5年間くらいの間牛丼ではなく「牛すき丼」を提供していたのだ。私はあれが結構好きだった。すき焼きの味の染みた豆腐が好きだからというのもあって、だいぶ気に入っていた。それがいつの間にか普通に「和風牛丼」としてリニューアルして普通の牛丼になっており、一体どんな字に変わったのかということが気になっているわけである。
親子丼にしろ、牛丼にしろ、近くにあれば何度か通って食べに行くのだけれどな、と思っているがどうだろう、次になか卯に足を踏み入れる機会というのはそもそもいつになるだろうか。

吉野家も遠いのは遠いが、買い物に出たついでとかで寄れる場所にあるのがなか卯との違いだ。2か月に1度とかそういう割合ではあるが、また行く機会もあるだろう。高速道路のSA・PAなんかに店舗があったりするので、案外そういうところを利用することもあったりする。変な時間、特に夜遅くとかだと他に空いている店がなあったりして重宝するんだよな。なか卯もそういう感じであればいいのだけれど……。
とりあえず、忘れてしまったどんぶりたちの味を知りたいところである。

 

 

GW突入


今年もGWがやってきた。
5月の2日と6日が平日ということになっているが、その両方を休むと10連休ということになるらしい。まさに大型連休、ということになるだろう。両方1日だけの平日というのがポイントで、感覚的にも休みを取りやすいし、どちらかだけ休んだとしても連休はだいぶ大型になると言えるだろう。
私の場合は当初どちらも休むつもりはなくて予定を入れていなかったのだけれど、どちらか休んでもいいとのありがたい話が職場からもたらされたので、急遽2日を休暇とした。後半の3連休でお楽しみ企画をする予定なのだけれど、せっかくなのでその前の日から出かけることにした。
思わぬ休みというのは嬉しいものである。もちろん仕事がみっちり詰まっている時の休暇というのは気持ち休まらないものだけれど、GWのように仕事の相手先の人もきっと休みだろう……というような場合は大歓迎である。特に今は一緒に働いている会社の人が比較的ホワイトな環境にいるらしく、GWは10連休だというから非常にラッキーだ。先方の都合で急に呼び出されることがないというのは、こちらの休日の平和を保障するものであると言える。休憩時間や休暇についてホワイトな会社とのやり取りは気分的にも楽だ。

そういうわけで次の仕事は5月6日ということになるが、その日も金曜日である。1日働けばまた土日というのは、休み明けには嬉しいものだ。GWの間に何かトラブルでもなければ、特に大きな仕事もないしだいぶ気が楽なものである。
ただ、トラブルはないにしても、日常的にやっているこまごました仕事が溜まって行くのはわかっているので、それは少し嫌でもある。毎日定期的にこなしていくには大したことはないが、数日間蓄積していくと時間を食われてしょうがない。定例作業は定期的にこなすから工数にほとんど入らないのであって、いっぺんにこなす場合は工数に含めてしまいたい。まあ周りもそれをわかっているから、説明すればわかってはくれると思うけれど。休み明けで働いていない頭で定例作業をこなしていくうちに少しずつ目が覚めていくことを期待したい。
絶対無理だけれど。

去年のGWは何をしていたかな、と写真をさかのぼってみたが、真っ先にひつまぶしの写真が出てきて笑ってしまった。
確か11時半の時点で満員だったので、整理券を貰って1度その場を離れた。そのあと、近所の神社を参拝するなど1時間ほど時間をつぶしてから入店したので、だいぶお腹が空いていたのだと思う。お酒やひつまぶしと一緒に肝焼きとう巻き卵を頼んだ。このう巻き卵が予想外に大きく、お腹がそれなりに膨れた後に満を持して出てきたひつまぶしが想像の1.5倍くらいのおひつで出てきた。さすがに食べきれるだろうかと不安になったのを覚えている。でもやっぱりそこは大好きな鰻である。ちゃんと食べきった。食べきってお腹がパンパンで苦しかったのでその日の午後はたくさん歩いたりした。歩きすぎて翌日足が重くなるくらいには歩いた。
今年はもうひつまぶしは先月食べてしまったので食べる予定はないが、GWだしせっかくなので何か美味しいものを食べたいところである。ひとまず美味しいラーメンを食べに行く用事はあるが、何かちょっと贅沢なものなんかを食べてもいいかもしれない。GW前半はラーメンだが、後半は特に食べるものが決まっていないので、上手い事探して行きたいものだ。

GW後半については、ちょっと遠くに出かける用事があるのだが、メインの日にどこに行くのかすら決まっていない。詳しくは実施直前か実施後に書くと思うけれど、行先を前日に知らされてお出かけするような、そんな面白企画をやろうとしている。楽しみだけれど、GWは全体的に天気が悪いようでそれだけは心配だ。

まあとりあえず、一旦来週まで仕事のことは忘れて過ごしたいと思う。すっかり今何をしていたのかとかそういうことは忘れてしまいそうな気がするけれど、毎年のことである、きっと何とかなる。今月末をもって人が減るのが確定しているのでそういう意味では怖いのだけれど……一旦それも忘れようと思う。一旦。

 

調子の悪い日とケンタッキー

土日はずっと調子が変だった。頭が痛いのはまあ割とよくあることなんだけれど、それ以外になんだかみぞおちの左側のあたりがずっと張っているような感じがあって、深く息を吸い込むとちょっと違和感があった。
土曜日が一番違和感が強くて、今は数日たってそこまで気にならなくなっているのでこのままよくなってくれればいいと思う。気胸とかだと困るなとは思ったが、なりやすいタイプである「長身」「やせ型」に当てはまらないし、まあ悪くならないなら違うだろうと勝手に思っているところだ。時期的にこれからGWに入るところとあって若干の不安は残るが、このまま気にならなくなるなら放置しておきたいところだ。
病気以外の線で言えば、「プランク」運動をしたときに筋でも違えたのではないかというものがある。以前は毎日ちょっとずつやっていたのだけれど、ここ最近はすっかりそういった筋トレ的なことはご無沙汰になっていた。そろそろ不味いなと思って金曜日の夜にまたプランクを少しやったわけだが、それが悪かったのではないかという説は割とある話だ。翌朝(土曜)起きたときに違和感に気が付いたわけだから、辻褄は合っている。

まあそんな感じで週末はお腹のあたりのもやもやを抱えつつ、微妙に頭痛もあったのでだらだらと過ごした。ちょっと近場でどこかに出かけようかみたいな考えも金曜の夜まではあったのだけれど、それもやめて家と最寄駅くらいの近所でぐるっと動くくらいで過ごした。
咳も熱もないしお腹と頭以外は元気な感じがしたので、普段通らないような道を選んで遠回りしながら歩いたりはした。いつもより疲れたなとぼんやりした頭で思ったけれど、そりゃあそうだ、変なルートで、それも結構起伏のあるルートを歩いたらそうなる。土日ともに15時くらいから1時間くらいうとうとと昼寝をして過ごした。
平日にはまずできない日の傾き始めた午後の昼寝、快適で本当にいい。まあ頭痛があったので起き上がるのはちょっと億劫だったけれど、それでも平日朝のような「今何時? もう起きないと! まずい!」みたいな感じがないだけでも気がだいぶ楽だ。

土曜日に関しては、なんとなく食べたくなってケンタッキーのオリジナルチキンを買いに行ったりもした。全然布団から起き上がれず11時くらいにようやく軽い朝ご飯を食べたので、昼ご飯はパスして早めの夜ご飯を食べることにしよう……などと12時頃には青写真を描いていたのだけれど、そこから1時間くらいして早くも小腹が空いてきた。
それで食べたくなったのがケンタッキーのチキンである。先月あたりにケンタッキーに行った記憶はあったのだけれど、よくよく思い出してみたら食べたのはツイスターとポテトのセットだった。Youtubeかなんかでケンタッキーの動画をチラ見したせいでなんとなく頭の片隅に「ケンタッキー食べたい欲」が鎮座していたのだけれど、それがここにきてちょっと顔を出した形だった。ちょっとしか顔を出していなくて、かつ体調がイマイチなのでやや悩んだが、結局チキンは2ピースも買って帰った。もてあましたら夜に回せばいいや、くらいの気持ちで買ってきたけれど、結局2本とも食べてしまった。
片方を期間限定の味にしたからかもしれないが、2本とも同じ部位だった。あばら骨の多い、リブという部位。家で食べる分には骨の多い部位もあまり気にならない。外だとどうしても手がべたべたになるので食べにくさを感じるけれど、家でぼんやりゆっくり食べるにはちょうど良かった。

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どうでもいいけれど、こういう袋に入っているものって写真を上手に撮れない。取り出して写真を取ればいいんだろうけれど、そうまでして撮りたいか? という感じで結局雑に記録だけ写真で残して、そして雑に食べた。決してお上品ではなかったが、別にまあどうということはなかった。
オリジナルスパイスってオリジナルで美味しいな、と思いながら食べた。
美味しかった。
13時過ぎだというのに店の前に大行列ができていて一瞬並ぶのをためらったけれど、暇だしいいやと並んで正解だった。モバイルオーダーで頼んでおけば早く受け取れることに途中で気が付いたけれど、「今すぐ取りに行く(40分後)」とか平気で表示してくる店舗なので、思い立った段階で注文していては遅かっただろうな、と思う。並ばなくていいのは利点だろうけれど。まあでも次使う時も早めに思い出せばモバイルオーダーにすることを考えるだろうけれど、ケンタッキーに行きたくなる時ってたいてい突発的だから、たぶんまた間に合わないだろうな。

ともかくケンタッキーを食べたことによって少し元気が回復した私が、夕飯で調子に乗って結果また日曜日元気を失う結果になったが……まあそんな週末もある。GWじゃなくてよかった。そういうことだ。

 

 

牛乳を貰った


普段、牛乳を飲む習慣はない。なので、牛乳を買うという行為をほとんどしたことがない。
毎日牛乳を飲んでいたのは小学校の頃までさかのぼることになるだろう。給食として一緒に出されるものと、それから確か朝も多少飲んでいたような記憶がある。好きとか嫌いではなくて、あるから飲む、というものだった。
なので、給食がなくなると、「飲まなくていいなら飲まない」みたいな感じで、全く飲むことはなくなった。あれほど平日は毎日飲んでいた牛乳も、私の中では習慣として根付かなかった。
繰り返すが決して嫌いというわけではない。積極的に手を出さないだけだ。
小さい頃は乳製品はあまり得意ではなかった(お腹を壊しやすかったので)という事情はあるものの、今では別に苦手意識は残っていない。それどころか、例えば飲むヨーグルトなんかはかなり好きで、月に2、3本くらいは飲んでいると思う。チーズの類もワインのおつまみなんかという意味でも好きだし、あとは杏仁豆腐とか牛乳プリンみたいなスイーツ枠のものもそれなりに好きだ。
牛乳そのものをそのまま飲む、それだけがあまり好きじゃないと、そういうわけである。

飲み物に混ぜるのはよくある話だ。
コーヒーを飲むときはたいていブラックだけれど、ミルクを入れたくなることもある。砂糖よりも優先度は低いが、コーヒーフレッシュじゃなくて牛乳が提供されたときは入れることもあったりはする。コーヒーフレッシュはあんまり好きではないので入れないけれど、牛乳なら入れないこともない……というような具合である。家で飲むときは牛乳が家に存在しないため基本的にブラックコーヒーということになる。まあでも、カフェラテとかの形で提供される場合は別に何も考えずにそのまま飲む。嫌いではないので。
正直、甘くする場合は牛乳が入っている方が好きかもしれない。
紅茶の場合は、ミルクティーというのはコーヒーのそれ以上に好きである。特に、アールグレイで作るミルクティーはかなり好きだ。疲れたときに、甘いミルクティーを飲むのは何物にも代えがたい。
派生形でチャイというのもかなり好きだ。たまにスパイスが口に合わないという例外もあるが、そういうものには超本格インドカレーの店でしか出会ったことがないので、普通に飲む分には大好きだ。温めた牛乳で作るためのチャイセットというのは(探せば)家にある。スパイスカレーのキットと一緒に買ったものが残っているはずだ。
あと、変わり種はカルピス。牛乳をカルピスで割って飲むのが好きだ。これはかなり人を選ぶというか、勧めたもののはっきりと苦手だと言った人もいる代物である。私としては牛乳にカルピスで甘く味をつけて飲むような感覚なのだけれど、合わない人には合わないのかもしれない。『宇宙兄弟』の漫画の中でカルピスの牛乳割りを頼んでいるシーンがあるのを見て、そこまで異端ではないのだなと安心したりした。


まあそんなわけで牛乳を飲む習慣はないものの、何かに使うのは多少選択肢があるという私だが、この間どういうわけか牛乳を1本、貰ってしまった。
無料で配布していたのである。普通に常温で机に置かれていて2度見くらいしてしまった。消費期限が短く要冷蔵というイメージがあるのだけれど、ものによっては「ロングライフ」という常温保存ができて消費期限も長いものがあるということだった。もちろん開封後は2日くらいで消費する必要があるが、250mlの小さいパックだし大丈夫だろうと判断して、私はそれを貰って帰ったわけである。

そんなわけで、冷蔵庫に牛乳が入った状態である。消費期限が6月とかなのであせって開ける必要はないが、消費方法を考えておかないとな、と思っているところである。
一番の候補はチャイだろう。チャイを作るキットを引っ張り出してきて、飲んでしまうのがいいと思う。1回分くらいで消費できるだろう。ちょっと余ったら……まあ、そのまま飲んでもいいんじゃないかな。久しぶりに。

 

雨音

 

夜中に大雨が降った。一昨日の夜である。日中は晴れていて気温も上がったのだけれど、夕方から天気が崩れて、そのまま止まなかった。
元々は確か、一日中雨の予報だった。それが意外と日中は持ったというのが正しいだろう。

19時頃、買い物に出たときも最初はほとんど雨が降っていなかった。なので私は折り畳み傘だけをもって出かけてしまった。行きはそれで大丈夫だったのだけれど、買い物を済ませた後、家に帰る頃には大雨になっていた。
折り畳み傘を持っていたのでそれを差して帰った。傘を開いたときに、買い物袋とちょっと交差するような形になってうまく開かず、モタモタしてしまった。無理やり開いたら、傘の骨が少し曲がってしまった。そろそろ買い替え時だとは思っていたが、日曜(つまり明日)にでも買いに行かなくてはいけないと思い、家に帰って手帳にメモをした。どこで買おう。ネットで品切れのCDを探しに出かける予定があるからついでに買いに行こうと思うのだけれど、ついでと言える距離に店があるだろうか。
傘は買い替えていないが、靴は先週新しくした。靴擦れも起こしていないし、いい感じだ。歩きやすくていい。今までの靴と交互に履いていたので、新しい靴で雨の中歩くのは初めてだった。ウォーキング用と兼用できる靴を買ったので、通気性がいい。足が濡れてしまうだろうかと思ったけれど、逆にまだちゃんと撥水してくれて、足がほとんど濡れなくて済んだ。水たまりにでも突っ込まない限り、大丈夫何だろう。使っているうちにダメになってくるだろうから、そうしたらまた新しい靴でも買って交代で使うんだな。雨で足が濡れた時のテンションの下がり方というのは、思っているよりも実際に遭遇すると大きいものだ。そしてたいてい濡れるまでそのことを忘れている。

雨は寝る頃にはさらに強くなった。風がさほど強くなかったのに、雨音はだいぶ強く聞こえる。私の住んでいる家は窓が2面ある。ベッドはその両方に面しているので、外の音は比較的聞こえやすい。隣人の生活音が聞こえるよりは、外の音が聞こえる方がいいと思ったので、別に配置に問題はない。雨音が良く聞こえるな、という、ただそれだけだ。
暖房をするような季節でなくなったこともあり、静かな室内に雨音が響き渡る。日中なら気にならない音でも、夜には気になるものだ。まあでも、雨音というのはそこまで不快なものではない。大雨だな、と思いながら寝た。
ただ、夢には影響があったようだ。変な夢を見た流れで2時過ぎに一度目覚めてしまった。夢の中で蜂に刺されていた気がするが、夢で良かったと思った。相変わらず外は大雨で、寝入りよりもひどくなっているように感じた。ないとは思うが、大雨の特別警報などが出たら嫌だな、と思った。エリアメールが来るとスマホが大きな音で鳴るからだ。しかも最低2回は鳴る。3回以上鳴ったら家が避難区域に入っているので何とかする必要があるだけに、3回目が鳴るかどうかを待っているのがなかなかストレスだったりする。
まあでも結果的に、大雨の天気通知が来たくらいでそれ以外はなにもなかった。寝ている間は緊急通報以外は通知音が入らないので静かなままでいられる。逆に言えば、音が鳴るのは緊急通報と気象のアラームだけというわけだ。

朝方(たぶん6時ちょっと前くらい)に目覚めたときには、雨はすっかり止んでいた。静かだな、と思った。変な夢を見た記憶はあったが、変は変でも別に何か自分に危害があるような夢ではなかったように思う。あんまり覚えていないけれど。
寝起きの頭はちょっと重い。何度か目覚めたから寝不足気味だったりするんだろうか。でもまあ、やっぱり晴れている方が好きだ。朝起きて日の光が入っている方が気持ち的にはすっきりする。雨音も悪くないけれど、晴れてくれ、やっぱり。外に出るときは特に。

 

ハーブティー

ハーブティーを買った。普通の緑茶や紅茶と同じような、ティーバック形式のものである。
普段別に家でハーブティーを飲みつける習慣はあんまりないのだけれど、暖かい飲み物は好きだし、手軽なティーバックがあるというのならばと試してみたくなったのだ。

 

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これは先日行った群馬県の大泉という町にある、ブラジル用品を取り扱ったスーパーで購入したものだ。
2軒はしごして同じメーカーのものがたくさん並んでいたので結構ポピュラーなものなのだろうと思って買ったが、製造はブラジルではなくてどうもヨーロッパのようだった。まあでも需要があるから取り扱っているのだろう……と思う。英語ではなくて見た感じポルトガル語っぽいのでたぶんブラジル対応になっているのだろう。そのあたりは普通に日本でもよくある話だ。外国のメーカーが日本向けに製造する……それのブラジル版みたいなことだろう。
まあ別にどこの国で作られているかというのはこの場合些細な問題である。知らないハーブティーを飲んでみようというのが本題である。

色々な種類のハーブティーが売られていたが、私が買ったのはどうやら6種類のハーブがブレンドされたもののようである。内容物に関しては英語表記がなく(当然日本語もない)よくわからないが、Google翻訳のカメラ機能などを使ってなんとなくで解釈すると「フェンネル」「レモングラス」「カモミール」「ミント」まではわかった。ミントだけは2種類記載があったので、種類の違うミントでも入っているのだろうか。後は「アニス」という謎の存在。なんだろうと思って別途調べてみたば「八角」じゃないかということが分かった。八角は聞いてめちゃくちゃ納得した。パッケージから漂う匂いのうちの大部分が八角だからだ。

一応6種類ともどれも名前だけは聞いたことのあるハーブ(?)である。しかしまあなんだろう、フェンネルやアニス(八角)やレモングラスというのは料理の中では確認したことがあるが、ハーブティーの中に入っているものだとは思わなかった。香辛料的な分類だとばっかり思っていたが、ハーブと香辛料というのはそこまで違いがないものなのかもしれない。
フェンネルに関して言えば、どうも種以外は割とハーブ扱いになるらしいのだけれど、このハーブティーに使われているのは種子の方らしかった。丁寧に「frutos」と表記があるので、おそらく果実=種子であろう。だいぶスパイスの方に寄った感じのハーブティーである。まあ「普通の」ハーブティーについて内容がどんなものかということは全然知らないのだけれど。

ティーバッグ形式なので普通に紅茶とかと同じようにマグカップに突っ込んで適当に作ってみた。特に蓋をしたりしなかったが、ちゃんと抽出できた。ルイボスティーなんかだと蓋をして蒸らしましょうみたいなことがよく言われるが、このハーブティーは特にそういった工夫は不要のようだった。ちゃんとお茶になっていた。

飲んでみると、思いのほか味が尖っていなくて驚いた。一番主張するのはミントで、お茶がすごくさわやかに感じる。でも別に口の中に残るわけではなくて、すっと消えていく。他のハーブ(や香辛料)のおかげなんだろうか。アニス(八角)についても中華料理のそれとはまったく違って、ちゃんとハーブの一員として機能していた。フェンネルカモミールに関しては個別の味をちゃんと知らないのでよくわからないところはあるが、全体として不思議なほどに調和がとれていていい感じだった。
おしゃれなお店で出てくるようなハーブティーとはまたちょっと方向性が違うかもしれない。だいたいアニス(八角)のせいである気がするが、でもそれが異国感を際立たせているようで良かった。
口に合わなかったらどうしようかと思ったが、ちゃんと美味しくて良かった。あとついでに、かなりあったまる感じがする。ハーブだからだろうか。元気がない時に飲むといいのかもしれない。

今回これは大泉のブラジルスーパーで買ったけれど、もっと近所で買うことが出来たらまたリピートしたいものだ。同じメーカーでたくさん種類があったからいろいろ試してもみたい。
ブラジル料理店というのは結構あるのだけれど、店となると案外見当たらない。食材を売っているようなところに一緒に置いていないだろうか。ちょっと暇な時に散歩がてら見に行ってみようかな。

 

 

エアコンクリーニング

 

家のエアコンはずいぶんと古い型番のものだ。記載のメーカー名が「National」であるからその古さのほどが伝わるだろうか。2008年に会社名がパナソニックになりブランドとしての「National・ナショナル」はその時点で廃止されたわけなので、少なくともそれ以前の製品ということだ。
家は築10年ちょっとだったはずなので家よりエアコンの方が古いという状態である。買い替えられるならば買い替えたいところであるけれど、あいにく賃貸のためそれもままならない。壊れれば交換ということになるだろうけれど、使っているときに壊れるというのは状況としては極めて悪いのでできれば避けたいところだ。世界的な半導体不足もあって修理や交換はなかなか時間が掛かりそうでもある。
その状態でできることと言えば、ちゃんと掃除をすることくらいのものである。……ただまあそれはわかっているのだけれど、なかなか掃除をするタイミングがないなと思いながらずるずるとここまで来てしまっていた。意外とまだ暖房を使う日もあるな、なんて思っていたら急に暑い日が来て大慌て、という状況である。
とりあえずフィルターを掃除機できれいにしてみたりはした。したが、フィルター自体は見たところ全然汚れた感じもなくて、多少ほこりが付いてはいたがそれも大したことはなくて拍子抜けした。
まあそんなもんか、ということで冷房の試運転をしたのだけれど、結果的には全然「そんなもん」ではなかった。暖房から冷房への切り替えというのはもうある程度は仕方がないところではあるのだけれど、カラオケの奥の方の部屋みたいな嫌なにおいがするのには閉口した。エアコンの内部はだいぶ汚れてしまっているようである。
とりあえず対症療法として、最低温度に設定の上稼働させ、窓をしばらく開けておいたらとりあえず大丈夫になった。昨年の夏の使い始めも大体こんな感じだったとは思うけれど、そもそも引っ越してきたのが7月だったのでこの時期のことはよくわからないというのが正しいところでもある。何回か使って慣らしていけばたぶん、大丈夫だろう。
ただまだ寒い日もまだまだありそうで、また暖房を使うような機会もちょっとありそうなところである。日中は多少寒くてもどうということはないのだけれど、寝ているときに部屋が寒いと朝起きたときに頭痛がしたりするので、ちょっとでも寒い時は暖房を使うようにしているのだ。家が割と冷えやすく熱しやすい構造(かつ、東向き最上階)であることも影響しているだろう。

どうせこのエアコンとしばらく騙し騙しでも付き合い続けていかなければならないということである。となればいっそ、プロに頼んでエアコンクリーニングをしてもらうのも良いのではないかと思うようになってきている。自分で何とか対応するよりも、お任せして綺麗にしてもらう方がいいのではないだろうか。
今月のうちに頼んだら来月あたりにできないだろうかとちょっと調べているところである。
ただまあ何だろう、この手の調べ物は検索して探そうとすると本当にノイズがひどくて辟易とする。
「エアコンクリーニング」なんてざっくり検索してしまった日には、上から5件はまず広告である。まあでも広告はいい。広告と表記があるから。面倒なのはその後の有象無象のブログ群である。欲しい情報は一つも書いていない。結局広告である。ページの合間や末尾に広告宣伝が入る分、単純な企業広告よりも質が悪い。
調べ方を間違えたと反省して、素直に有識者(身内)に聞くことにした。
多少値は張るがちゃんとした専門会社に頼んだろ良いのではないか、ということで素直に従うことにした。ポストにチラシを入れてくるような地域のよくわからない業者に頼むくらいなら有名企業に頼んでしまえ、とも言われた。まあ何事もそうである。

そういうわけで、これからエアコンクリーニングの予約を取ってみようと思っているところだ。型番指定で見積もりを見た感じ、1.5万円くらいするらしい。安くはないが、物は試しである。どうせ毎日使うのだから、それで綺麗になるなら十分元は取れる。はず。

まあとりあえず予約を取るべく申し込みをしてみたので、明日連絡が来るようだからそれ次第かな。

 

 

治療のない日に歯医者に行って、近所の店に入るということ

先週、歯を抜いてきた。

 

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親知らずを2本抜いてきたわけなのだけれど、その後の経過は至って順調である。
出血が止まってからは特に何事もなく、今は普通に舌や歯ブラシで触れても何ともない。何ともないが、「奥歯が本来あるところにない」ような感覚もまだあって、ちょっとした違和感はあったりもする。いつもならここにもう1本あるよな、というところで舌や歯ブラシが空振るので変な感じだ。そのうち慣れてくるんだとは思うけれど、まだふとした時に気になってしまっている。

その歯医者であるが、昨日また足を運んできた。
治療のためではなく、保険証の切り替えに伴う手続きのためである。実は月初のタイミングで保険証が切り替わることになっていたのだが、抜歯1週間そこらでは新保険証の用意が間に合っていなかったのである。資格証明書の発行をお願いしていたのだけれどさすがにそれもギリギリ間に合わず、資格証明書が届き次第持ってくるという約束で施術を受けさせてもらった。
先週中にようやくその保険証の資格証明書が届いたので、連携のために歯医者に再度赴いたというわけであった。
家の近くではないことは向こうも知っているから、資格証明書が届いたらメールやFAXで連携してもらっても良いと言われていたが、私は別の理由もあって直接足を運ぶことにした。

歯医者に治療に行くときというのは、当然直前に食事をしていくことはできない。歯ブラシを持って行って駅のトイレかなんかで磨けば良いのかもしれないが、そういうことはあまりしたくないのでいつも家で歯磨きをしてから歯医者に向かっている。徒歩と電車で30分くらいの距離なので、事前に歯磨きをしていく行為自体はさほど負担ではない。ないのだけれど、「もう何も食べられない」という状態で歯医者の手前にある飲食店街を抜けていくたびに、いつかこの店には行って見た、ここの店も気になる……などと毎度毎度思っていたものだった。
歯医者で治療を受けた直後に何か食べて帰るというのもあまり気が進まない。出血の少ない日などでも、口の中をいろいろ掃除してもらった時点で結構口が疲れていて、あんまり直後に何か食べたいという気持ちになることがない。そこから電車に乗って行った先で飲み会に参加したことなどはあるが、やはり歯医者の最寄り駅の飲食店に足を運んだことはほとんどなかった。

そういうわけだから、治療のない日に歯医者に行って、その帰りに気になっていた店に心置きなく、気兼ねもなく入ればよいではないかと思うに至ったわけである。
何も用がないのに電車に乗って店に入るというのも別にやらないことはないけれど、やっぱり用事があったほうが気持ち的には良いものである。用事のついでに、というていである方がすんなり入れる。

資格証明書の内容を歯医者に渡した後、私はその足で目的の店に向かった。
歯医者に行くというのは普通それだけでテンションが下がるものだけれど、治療の用事がないだけでこんなに足取りが軽くなるものだとは思わなかった。そのうえ、食事をして帰れるというのはテンションが上がらないわけがなかった。
18時前という早い時間であったにもかかわらず。目当ての店は少し行列があった。さすが人気店である。普段なら列を見てげんなりするところだが、気分が良かったので私は列に並んで入店を待った。
10分くらいで呼ばれて入店して、お目当てのものにありついた。ずっと店の前を通るだけだったが、ついに食べられる。
嬉しすぎて、帰る時に持ち帰り用の品も注文してしまった。家に帰って締めとして食べたが、美味しかった。持ち帰り用の商品があるのなら、今度は治療のある時に買って帰ってもいいかもしれない。まあただそれはそれ、これはこれ。テイクアウトと店内飲食ではまた違うものだ。どっちの日もあっていいし、どっちの日もあったほうがいい。

まだ行って見たい店はいくつか残っているので、機会を見て足を運びたいところだが……そうなってくるとやはり「用がないのに電車で向かう」ことをしないとなかなか入れないだろう。歯医者じゃなくてもいいから何か用事を作らないといけないな。そうなると。
まあ本当に行きたくなったらそうするだろうけどね。

 

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行ったのは串焼きのお店、テイクアウトはご飯に乗せて丼にしてくれる