言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

うなぎが食べたい

うなぎが食べたい。うなぎはとにかく値が張る。高すぎて、手を出す気にもならない。かといって、牛丼屋で出しているうなぎはなんとなく手を出したことはない。でも食べてはみたい。だって、結構普通に回転寿司とかでもうなぎとかあって食べたことあるし、その延長線上にあるなら全然食べられる味だと思う。だからまあ今度食べたいな、とは思っている。それはそれとして、うなぎ、それはうな丼でもうな重でもいいけれど、ぜひぜひ食べたい。土用の丑の日に食べたいわけではないけれど、そうじゃなくて普通に食べたい。食べたいのである。うなぎ。
出来れば人のお金で食べたい……なんて思うけれど、人からご馳走してもらううな重なんてあまりに恐れ多い。だってどう考えても高いし。高いからこそ冗談で「じゃあうなぎでもおごってくださいよ~~」なんて上司に言ったりするけれど、本当におごってもらうのはそれはそれでちょっと怖いというか、なんというか。いやでもまあおごってもらえるなら食べたいけどね。すごい偉い人相手とかじゃなければ。

いやでもあれだな、うな重とかうな丼とかいうとちょっとハードルが高いけれど、それがどうだ、「ひつまぶし」になると多少ハードルが下がる気がする。なんでだろう。値段はさほど変わらない気がするのだけれど、ひつまぶしなら手が出せるような気がする。名古屋に行ったときには矢場とん味噌カツを食べたり、山本屋の味噌煮込みうどんを食べたりするけれど、あれらも全てちょっと平均よりも値が張るからだろうか。それとやっぱり、遠出すると財布のひもが緩むというかなんというか。夜居酒屋でちょっと食べすぎ飲みすぎた時の値段と思えば、ということでもあるかもしれない。
要するに自分をどう納得させるかなんだろうな。財布の中身との相談であるのはもちろんなんだけれど、最後は思い切りなわけで、思い切るために自分をどう納得させるかという、その材料を探しているんだろうな。

5,6年前に、赤羽にある朝からやっている有名な居酒屋に足を運んだことがある。「孤独のグルメ」の原作漫画で紹介されていた店で、うな丼が格安で食べられるそうなのでそれを食べに行ったのだった。漫画では750円だったけれどそれはさすがに掲載当時の話で、それからもう何十年語っているのもあって今では1500円である。1500円が高いか安いかといわれるとまあ何とも言えないところで、うなぎとしては安い気もするけれど、ランチ的な意味で言えば安くはない、みたいなそんなところ。鮮魚を扱う店なのでどう考えても美味いのはわかっていたので、1500円か、と最後まで迷ったけれど、でもどうしても行ってみたくて足を運んだのだ。
朝10時とかだったと思う。本当は朝ご飯代わりに行こうと思ったのだけれど、なんか忘れたがそんな時間になってしまった。純粋に赤羽が遠かったという話もある。
結果的に、うな丼は美味かったし、朝からうな丼を食べるというシチュエーションが何とも言えない感じだった。朝と言っても10時だけれど、ちょっと背徳的な感じ。それも居酒屋のカウンターみたいなところで、うな丼を食べるって感じがさらにね。
それからうなぎのかぶと焼という、うなぎの頭を串にさしてたれをつけた焼いたものを一緒に頼んで食べたのだけれど、これも美味しかった。これはこれで全然ありだなと思ったわけだ。ただまあ昼ご飯として食べるには、やっぱり値が張るのは間違いないけれど、また機会があれば行ってみたいものである。

うなぎが食べたいのはもちろんなんだけれど、あのタレのかかったご飯があれば結構雰囲気があると思う。ああでもスーパーに売っている「うなぎのたれ風ご飯」ではダメだ。あれはほぼ炊き込みご飯である。白米にたれをかけた、あのちょっとまだ水分の残っている感じがいいのであって、そうでないならそれは茶飯でいいかなって思うわけで。たれを単品で買って、それをご飯にかけて食べたほうがいいんだと思う。……やらないけど。
ほぼ同じもの、というジャンルであればあなごを使ったものだろう。あなご重。うなぎよりは安価な気がするが、まあ正直どっこいどっこいである。似て非なるものであるけれど、普通にあなご飯として食べられるものであるわけだしジェネリックではなく系列商品的な立ち位置だと思う。あれは。
真のジェネリック扱いされるナマズに関しては食べたことがない。美味しいのかな。でも、あまりに半端に似ていると、食べていて逆に物足りなく感じてしまうことって結構ある。UHA味覚糖が出しているおつまみみたいなお菓子、あれがまさにそう。ほぼから揚げです! ってものなら唐揚げを食べる方が満足感が高くて、唐揚げ味です! というお菓子はそれはそれで好き、みたいな。わかるかなこれ。春雨ヌードルは満足感合って好きだけれど、こんにゃくを使って限りなく麺に近づけましたよ、なものは苦しい。そういう。
だからいっそさんまのかば焼き重とか、そういうならそういうものとして食べるわけで、代替品ではなく似た系統の似た食べ物、くらいでとどまってたらいいのかな。
まああとは、うなぎにどれだけこだわるかだと思う。私はうなぎがどうというよりも、あの甘辛いたれが食べたい、というようにたれの方に意識が向いていることが多い。うなぎもおいしいけれど、ご飯が食べたい。甘辛のたれにちょっと魚か何かの脂がしみ込んでいるのがいいんだと思うけれど、ともかく甘辛のたれでご飯が食べたい、って。
もはや魚ではないけれど、とり重というのもある。炭火で焼いた鳥にたれをかけてご飯に乗せるもの。会社の近くにあって、何度か足を運んだりした(在宅勤務になっていけていないのが寂しい)。甘辛のたれと炭で焼いた鶏肉と、ご飯。これもうまくないわけがない。そして比較的普通のランチ価格である。量が少ないという弱点はあるものの、普段使いするにはとても美味しい代物である。うなぎという感じからはだいぶ外れた別物であるけれど、たれをかけたご飯が食べられる系統のものとして、だいぶ優秀な食べ物である。
焼き鳥丼まで行くともうだいぶ変わってしまっている気がするけれど、山椒をかけて食べたりすると急に覚えのある味に寄ってくる。うなぎを食べたくて焼き鳥丼を食べにはいかないが、たれの味の方を思い出していた場合は焼き鳥丼でも割と同じように満足すると思う。ただしその場合も変わらずうなぎが食べたい気持ちが継続する可能性は大いにある。たれもうなぎも両方食べたかった場合である。
まあでもあれだね、土用の丑の日がどうこうでなく、うなぎ食べたいね。うなぎ。どっかでこっそり食べちゃおうか、どうしようか。