言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

将棋

藤井聡太七段が棋聖のタイトルを取った。将棋界の話題はそんなに詳しくないが、これはかなりすごい事なんだろうな、ということはわかる。だって、17歳である。17歳。自分はそのとき何をしていた? なんて考えると頭が痛うなるばかりなので特に考えないことにしているけれど、どう考えてもすごい。
周りがみんな10代であるとすればそんなものなんだろうけれど、相手の渡辺明二冠は36歳であるというし、私でも名前を知っている羽生善治九段が49歳である。「豊島? 強いよね」とプロレスみたいな対戦前の煽りコメントで言われているのを動画で見たことのある豊島将之竜王名人だって30歳だ。17歳。なんだそれ。パワプロのマイライフで初年度から無双するやつかな?

タイトル戦は生中継されていて、ABEMAのアプリとかで見られるものだったのでたまにちらちら眺めていたんだけれど、まあ盤上を見るだけでは形勢とかはよくわからないなりに、AIで予想した最善手とか形勢判断とかが一緒に載っていたのもあって面白く見ることができた。
わからない人にわからないなりに見せてくれる生中継って結構貴重だし大事だと思っていて、将棋もまさにそれなんだな、と思ったわけである。じっくり腰を据えて見なくても、なんとなく「今どんな感じなんだろう」と見られるのは、結構ありがたい。仕事をしながらたまに見に行くだけでも結構面白かった。戦法がどうとか戦術がどうとかは、どこのどの手がどうだったかとかは正直ちゃんとはわからないので、雰囲気を味わえるのがいいんだと思う。
そういう意味では、スマホから無料でプレイできる将棋アプリの中には、対局後にAIで形勢とどの手が良くてどの手が悪かったのかを判定してくれる機能が付いている物があるのだけれど、あれも結構面白さの一つだよな、なんて思うわけである。

私自身は将棋は一応指せるが、とりあえず指せないことはない、という程度である。特に序盤の定石となる手を全然知らない。昔小学生くらいの時に覚えた、飛車前の歩をつっかけて強引に攻めてくやつ(名前とかあるの?)と、最近覚えた四間飛車くらいしか使えない。でもまあそうすると攻めるのはまあそこそこ何とかなったりもするのだけれど、相手の攻撃を受けるというか、攻め込まれたときの立ち回りがよくわかっていないところはある。それでも、なんとなく終わった後にどの手が良くてどの手が悪かったかを振り返ることで、なんとなくわかった気になれる。なんとなくなんだけれど。でもそれがいい。

将棋に限らず、あの時どうだった、とかどういうことを考えてこの立ち回りをしたのか、なんてのは、他のゲームでも話していて面白いものである。戦略が問われるゲームならなおさらだ。「Night Clan」というボードゲームをちょくちょくやるけれど、あれも感想戦というか、終わった後にいろいろ意図を話しながら振り返るのは結構楽しい。

しかしまあ、将棋の感想戦というのを見ていると、プロ棋士の記憶力の良さには驚かされる。あの時のあの手に対してこう受けていたらどうなりました? みたいな話を、盤上の座標と駒の種類で「1二金に対して同龍で対応しましたけど、2一龍でもよかったですよね」みたいに話すわけで、それをまあその場にいる人が理解してそのまま話が進んでいくのが本当にすごいと思う。頭の中に将棋盤が入っているのだろうか、瞬時に理解して、そしてその時のことを思い出したりしてお互い受け答えできる、それだけでもう尊敬である。
あれだな、今度、実際のタイトル戦の棋譜を手元で再現してみて、どう考えてこの手を打ったんだろう、とか考えてみればいいのかな。そうするとおのずといろいろ覚えそうだしな。
でもな、こういうのって、じっくり腰を据えてやろう、なんて思っていると、一生やらないんだよな。腰を据えよう、が腰を据えなきゃ、に変わってしまうんだな。

でもまあそれはそれとして、将棋、改めて結構面白いな、とは思ったわけで。たまに遊んでみようかな。