言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

カレーを作った


昨日、カレーを作った。
どうしても食べたいとかそういう差し迫った感じでもなく、なんとなく週の半ばくらいから「カレー作りたいな」と思っていて、せっかく金曜日が祝日で予定もないから作るかな、というくらいの温度感である。だから、「食べたい」よりも「作りたい」のほうがなんとなく先にあって、結果それが私を微妙に苦しめることになる。
あと別に私は料理が好きなわけではないのでいろいろ気持ちだけが矛盾していたりはした。特に、指を切ってから野菜の皮むきというものが大の苦手である。学生時代、家庭科でカレーを作った時はもれなくジャガイモの皮むきで指を切って嫌になった。以降、カレーを作ると5割くらいの確率で指を包丁で刺してしまうので本当に嫌いだった。
しかしまあそれは家庭科や実家の話である。今一人で使う分には、ピーラーという素敵なアイテムがあるので、皮むきはもっぱらこれで行うわけである。まあ多少ガードされているとはいえ、ピーラーでジャガイモの皮をむくのはなんとなく怖かったりもする。勢いで指まで切ってしまわないように慎重にやるに越したことはない、と思っている。
普通に料理ができる人から見ればあまりに滑稽な光景かもしれないが、仕方がないのだ。度を越した不器用というのはありえないはずのところで事故を起こすものである。多少自炊に慣れていても、いやむしろ慣れてきているからこそやらかす。そういうことを私は知っている。だって昨年指切ってるし。

私のことを知っている人は「あれ、それなりに料理とかしていなかったか?」と思うかもしれないが、実のところ私が食べているのは皮をむかなくても良い食材ばかりである。極々稀に味噌汁の具材にジャガイモが入ったり、肉じゃがのような料理が登場することはあるが、基本は「きゃべつ」「白菜」「ほうれんそう」「ミニトマト」「茄子」「ピーマン」というとりあえず切れば良い・あるいは切らなくても良い野菜だらけである。じゃがいも人参大根あたりは時間があって暇な休日しか基本出てこない。それも月1回くらい。あとはもう本当に何とかし皮をむかないものか、あるいは既製品を買ってくるわけである。
葉物野菜や人参あたりは切ってあってそのまま使うものが非常に便利なのでよくそれで鍋にしたりするのだけれど、「豚汁用セット」とか「肉じゃが用セット」みたいな根菜類詰め合わせはもれなくクエン酸の液体に使っているので、調理するとその風味が残るのが得意じゃなくて苦手だ。だからやむを得ずジャガイモとかは稀に買ってきて食べることになるのである。
そういうわけで基本楽をしつつ、あとはあんまりしっかり切らなくても良いものを中心に何とかしているのだけれど、ジャガイモが絡む料理となるとなかなか楽をしにくいわけである。今回みたいにカレーが作りたいときはほんと、暇な休日がないとダメなのだ。

話がそれたがそういうわけでカレーである。
1人で食べるカレーを作るのだけれど、いろいろ面倒くさかったので6皿分作ることにした。
普段作らないどころか普通のカレーを作るのは正直家庭科以来で10年以上ぶりだったので具材の適正量がわからない。よく作るのはスパイスカレーで、あれは具材は鶏肉と玉ねぎ、トマト缶だけだし、あとはスパイスとそれっぽい細かい具材がついてくるので、放り込んで適当に放置するだけの便利なやつだ(ケプリという店から取り寄せているが3人分600円はさほど高くないと思う)。根菜を使った、普通の、めちゃくちゃ普通のカレーは本当に久々である。

なのでハウス食品のHPを見て具材の量を考えたが、まああくまで記載は参考にだけして、あとはフィーリングと適当に聞きかじった情報とか記憶をもとに買い出しをした。HPに書いてあるのは12皿分のレシピなので半分にして考えるのだけれど、とりあえずスーパーでぼんやり考えながら買ったので、以下の通りになった。

・肉 レシピ:250g 買った量:130g(少なくても良いのではないか? となった)
・玉ねぎ レシピ:中2個(400g) 買った量:大3個 (カレーに入っている玉ねぎなんて多ければ多いほどいいという偏見がある)
・ジャガイモ レシピ:中1個半 買った量:小2個 (ほぼレシピ通り)
・人参 レシピ:中半分(100g) 買った量:中1本 (半分にしても仕方ないので全部使うし大した量でもない)
・トマト レシピに記載なし 買った量:中2個 (なんか入っているイメージなので)
・リンゴジュース レシピに記載なし (なんか見かけたことあった気がするので適当に150のパックを。あと普通に好きだから複数買った)

まあだいたい適当でも要点を押さえておけばカレーになるだろうという思い込みのもと買い出しをした。ルーは前に買ってあったので一緒には購入しなかったが、レジに並んでいる時、このラインナップどう考えてもカレー作る以外の選択肢のない買い物だよな、と思うなどした。普段の買い物とかもたまたま一切なかったため、完全にカレーを作るためだけにスーパーへ足を運んだ人になっていた。ちょっと面白いな、と思った(別に恥ずかしいとかはない)。

木曜の夜にそんな買い物をして、作ったのは昨日、金曜日である。本当は午前中に作って昼には完全にできている……というのを想定していたが、朝起きたらもう10時とかだったので、いろいろゴミ捨てたり洗濯したりとか何やらしつつ調理に取り掛かったのは11時半とかになってしまった。
序盤はとにかく玉ねぎを刻んでいた。半分は細かく、もう半分は普通にくし切りである。半玉刻んだあたりで目が染みて号泣し目が開けられなくなったので、残りは一度レンジに放り込んで過熱してから作業した。こうすると目に染みにくくなるとどっかに書いてあったが、結構本当だった。切ったモノからフライパンに放り込んでゆっくり火を加えて、あめ色とまではいわないが、クタクタの茶色い玉ねぎ炒めを作るなどした。でかい玉ねぎが3玉もあったので最終的にフライパン一杯になるほどの量だったが、その後のジャガイモの皮むきで時間を使いまくったせいで割とちゃんと火が通った。まあできたものから順次過熱していたのが良かったのかもしれない。別に加熱度にムラがあっても良かったので、作成んとしては成功だ。
ジャガイモの皮をおっかなびっくりむき、人参は苦戦もせず普通にむき、それらを刻み終わったところで、肉と一緒に鍋に放り込んで炒めた。玉ねぎも順次合流。水を入れようとしたところでトマトの存在を思い出し、適当に切って鍋に投入。もうここまでくればあとは消化試合である。ゆっくり煮込んで柔らかくなったらルーを入れる、それだけだ。
リンゴジュースは水を入れる時に一緒に投入した。飲みたかったのでちょっと残して飲みながら調理したりしたけれど、一人で適当に料理するとそういうことができるからいいよね、と思う。まあ別に人にふるまう時にそういうことをしていてもいいとは思うんだが。

ジュースとトマトが入ったせいかルーを入れる前からだいぶオレンジ色だったが、ルーを入れたら急にちゃんとカレーになった。やっぱりカレールーって偉大だ。全部塗りつぶしてくる。焦げないように適当にグルグルしているだけで、急にお玉が重くなる瞬間みたいなものがあって、ああちゃんと溶けてくれたんだなとわかるのもいい。私はいつも即席味噌汁やスープで溶け残りがあって「やられる」方だから、カレーでそういうことになるのは避けたくてめちゃくちゃ混ぜたりした。

そういうわけでお昼過ぎ、13時に無事カレーが完成した。ご飯も炊いていたので、そのまま出来立てを大盛りで食べた。
休日の昼間から食べるカレーは最高に美味しかった。トマトとりんごジュースが効いていて、思いのほか甘めのカレーになったりしたが、結構好きな味だ。味見したときにちょっと甘いなと思ったのでソースと醤油を隠し味的に突っ込んだけれど、その分ご飯にもちゃんと合うようになって良かった。

……ただ、昼大盛りでカレーを食べて、夜も同じようにして食べたらもうその時点でだいぶ飽きてしまった。白いご飯に納豆が食べたい。カレーは……まあいいかな、しばらく。
でもそんなことは言っていられないのでとりあえず、今日のお昼はカレーうどんを作って食べたりした。麺つゆとお湯で伸ばしてうどんを入れただけだが、案外おいしかった。
この調子であと大盛り1食分のカレーをどうにか消費していきたい。