言葉のリハビリ場

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岩下の新生姜とかいう食べ物


岩下の新生姜」という名前は聞いたことがあったのだけれど、食べたことがなかった。見た目が淡いピンク色であるけれども、形がどこからどう見ても細長くなったバージョンの生姜なので、「これは何か辛い食べ物なんじゃないか」と思って手を出していなかったのである。
寿司についてくる「ガリ」やあるいは焼き魚についてくる「はじかみ」、あるいは「紅生姜」が生姜の加工品として似ているものだろう。生姜の加工品はこうやっていろいろ挙げられるわけだけれどどれも製品によってかなり辛さにばらつきがあるものだ。
岩下の新生姜」はもろに生姜そのものの形をしているので、これが辛い食べ物であった場合食べきれなくなるのではないか、という懸念があるわけである。
コンビニでおつまみ品の中に並んでいるのを見たことがあるので、たぶん大丈夫であろうなという気はしていたが、これまで食べる機会もなく、なぞは謎のままなのであった。

ところが先日、ついに岩下の新生姜を食べる機会があった。岩下の新生姜入りのとりめし弁当というものを見つけたのである。見てみると、そぼろご飯の上に岩下の新生姜が鎮座しているではないか。こういった使われ方をしているということはたぶん辛いだけの食べ物ではないはずだし、万が一食べきれないくらい辛くとも、食事としてはそぼろご飯とおかずということで何とかなるだろうという保険もかかっている。

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これ幸い、ということで食べてみたのだけれど、岩下の新生姜、ちゃんと食べやすくて美味しくて安心した。
表現が正しくない気がするが、「色と酸味を弱めた紅生姜」という感じである。そぼろご飯と相性抜群だった。おかず兼箸休め。とても美味しかった。

そもそも、「岩下の新生姜」という名前を聞いて、てっきり「岩下」という地名か何かの名産品である生姜なんだろうと勝手に思っていたのだけれど、そこからして間違っていた。「谷中生姜」は本当に谷中で作られていた葉生姜なのだけれど、「岩下の新生姜」は意味としては岩下さんが作った新生姜(の漬物)、ということであった。
そりゃあ、「岩下 生姜 なぜ」という感じで検索しても何も出てこないわけだ。岩下というのが地名であればこれでちゃんと由来なんかがヒットするわけだが、そうではないため「岩下の新生姜ミュージアム」とかが引っかかって、いやこれは知りたい情報ではないな……と思ってしまったが、いやいやそうではなくてまぎれもない正解だったのだ。

それでとにかく、これまで知らないけれどとりあえず辛そうな可能性があるからパス、と敬遠していた食べ物だったけれど、これからはちゃんと味を想像できるものになったので、今度目に入った時は躊躇なく選べるな。

 

食わず嫌いしてたわけではないけれど、なんとなく食べる機会がなかったものというのは結構たくさんあると思うので、