言葉のリハビリ場

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台湾野球のすすめ

台湾に旅行してやりたい事を挙げてもらった時に、たぶんだけれど多くの人は「野球観戦」とは答えないだろう。だが待って欲しい。台湾野球というのはとても楽しいものである。
私もこの間、初めて台湾で野球を観戦してきたわけだが、かなり面白かった。もちろん言葉はさっぱりわからないし、選手だってあまり知っている人はいなかった。でもすごく楽しむことができた。
それは私がある種野球についてマニアックな知識を持つ人間だからという要素も多少はあると思うが、それよりも例えばライブだとかお祭りだとか、そういうのが多少なりとも好きだという人にはすごくお勧めな代物、それが台湾で観戦する野球というものであると私は言いたい。

台湾プロ野球の球場は圧倒的な地元贔屓。まず内野席はすべてホーム側のチームの応援席として使われる。日本で言うとあの春夏の甲子園吹奏楽部がいるような場所が、左右両方とも見方チームの応援みたいなもの。そんでもって外野のレフト側にだけ相手チームの応援団がいるというわけだ。私が見に行ったのは台北から一番近い新荘という場所に本拠地を構える富邦ガーディアンズというチームの試合であったが、スタジアムに詰めかけている人のかなりの立ちあがって応援歌を歌い、腕を掲げ、さらには皆が踊っている。この熱気はすごい。
驚くべきはこのチームがこの新荘体育場野球場に本拠地を移したのが昨年2017年のことだという事実である。それまでは義大ライノズという名前で高雄(台湾の南の都市)を本拠地として闘ってきた球団だった。それが移転してきてわずか2年目なのである。座席はかなり空きがあるのにもかかわらず、これだけ盛り上がっているのは素晴らしい。

私自身、2000年代の横浜ベイスターズの惨状というものをよく見てきたわけである。横浜-ヤクルトの試合で4千人しか入らない横浜スタジアムのあの盛り上がらなさ。この新荘に集まる熱狂的野球ファンもだいたい5千人くらいが平均だと言うけれど、比較にならないくらい盛り上がっている。盛り上がっているのにバックネット裏ですら座席を取るのが容易なのだから、単純に観戦に出かけるにはうってつけの環境である。毎試合座席稼働率98%だとかいう横浜スタジアムもすごいものだが、稼働率50%くらいでしかも空いてて安いなんて最高だろう。私はなんとバックネット裏の前から3番目とかいう日本では見たこともないような好位置で試合を見てしまった。最高かよ。

応援も日本のそれと比べてもかなり独特で面白い。興味のある人は調べてもらうとすぐに出てくるだろう。何を言っているのかはわからなくても雰囲気だけで楽しくなれる。


台湾は日本からとても近い。沖縄に行くのとほとんど時間は変わらないし、気候も似たようなものだ。夏に行くと突然スコールみたいな雨に襲われたりもするけれど、東南アジアのそれと言うよりはやはりどこか沖縄を含めた日本的な夕立(あるいはゲリラ豪雨)のそれに近い。
定番の観光地もいいし、美味しいご飯を探しに行くのももちろん楽しみだけれど、チャンスがあればぜひ台湾で野球を見に行こう。来年の4月あたりに私の周りの人は台湾に行く用事がどうも出来そうな人が多いから今のうちに宣伝をしておこうというわけだ。
台湾野球、お勧めです。