言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

つけ麺の話


つけ麺専門店でつけ麺を食べるのもいいけれど、たまに普通にラーメンがメインのラーメン屋でつけ麺を頼むと結構独特なものが出てくる場合があって面白い。


最近行った店だと、トッピングが妙に豪華で結構良かった。通常のラーメンにすら載っていないキャベツともやしがなぜかつけ麺についていてそこにメンマと細切りのチャーシューもついてくるような感じで、割と専門店では見ない構成かもなと思ったが美味しくて良かった。
他のメニューでキャベツとかもやしを見ないのできっととつけ麺専用に用意しているんだろうけれど、その割にはメニューにおけるつけ麺の扱いはかなり小さくてたぶんちゃんと見ている人しか気が付かないだろうというくらいの扱いだった。そういうメニュー専用にトッピングを用意しているのはなんだかちょっといいなと思った。きっと手間なのに。最後にスープ割りをするためのスープを頼むこともできたし、メインじゃないメニューに手を掛けているところが端々から見受けられるいいラーメン屋だった。
そもそもメインのラーメンが割としっかりとんこつを使ったこってり系のラーメンであるのに対して、つけ麺はかなりあっさり系の構成である。ベースの豚骨スープは一緒だろうけれど、ドロッとした感じも脂っぽい感じもなくて私としては結構意外だった。ラーメンの雰囲気からしてもっと重い感じの物を想像していたが、全然違った。そしてそれがかなり美味しかった。よく見ると麺も何か鰹節のようなものが練り込まれている特製の麺で、メニュー上の扱いとは裏腹にかなり店としては力を入れているんじゃないだろうかと勝手に想像している。

なかなか試す機会がないが、こういういい意味で意外性のあるものが食べられるので、ラーメンがメインの店でつけ麺を食べるのはやめられない。メインであるラーメンの延長線上にある感じのつけ麺も好きだけれど、どういう風にか魔改造を施されたつけ麺は、ともすればそれだけを目当てに通いたくなるほどの魅力がある。

まあでもなんだろう、今まで「これはハズレだな」というつけ麺にはあまり出会ったことがない気がする。ラーメンと比較しても、だいたい大外しはしないというか、安定しているというか。ラーメンとほぼほぼ同じじゃないかという勢いのつけ麺は違う意味で衝撃(麺全部器に入れたらそのままラーメンじゃないか、と)だったが、それだって別にマズかったわけではない。好みの問題で多少の優劣みたいなものはあれど、いい意味で安定して美味しいのがつけ麺だと思っている。
どういう理屈かはよくわかっていない。
スープ割りのスープはアツアツの方がいいな、とか、つけ汁は多めの方が最後までちゃんと絡めて食べられるからいいな、とかそういうことは思ったりする。でもまあそれはつけ麺そのものという事よりも周辺事項の話である。店のオペレーションがガバガバで頼んだはずのトッピングが乗っていないとか注文が忘れられているとかそういう目に遭ったことはあるがこれも同じ。料理じゃなくてなんでか知らないがオペレーションが終わっていただけだ。つけ麺そのものは大抵美味しい。

つけ麺ついでに、数年前一緒に技術研修を受けた一つ上の先輩のことを思い出した。
彼は私が昼食のために「やよい軒」にせっせと通っていると聞くと、「せっかく都心に来ているのにそんなチェーンで食べるのはもったいない」みたいなことを行って私を「舎鈴」に連れ出したことがあった。やよい軒は提唱区のチェーン店だが、舎鈴はつけ麺のチェーン店である。普通に言ったことがあるし好きなので特にツッコミはせず一緒につけ麺を食べたが、あれは一体何のマウントだったんだろうな。別にやよい軒でもいいじゃないか、と今になって思うけれど、まあなんか、普通に知らなかっただけかな。
そんな何でもいいエピソードを思い出してしまった。彼は元気にしているだろうか。
全然悪い人とかではないし、彼が会社を辞めて別のところへ転職をするときに連絡を貰ったりしたので関係的には良好なのだけれど、「舎鈴」に行くたびになんとなく彼のことが頭に浮かんでくることがあってそれはちょっと困るかな。

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