言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

インド映画を体験してくる


8,9年くらい前に一度だけ香港に行ったことがある。友達の家族旅行に便乗するという謎シチュエーションだったので、友達家族(3人)+ 2名という構成で旅に出た。私は初香港だったので全然なにもわからないくらいの感じで行ったわけだが、友人は何度か来訪経験がありいろいろ教えてもらいながらの旅行になった。
その最初の方で両替をすることになったのだけれど、日本では行わず、香港の空港や銀行でもしないということなので着いていくと、「重慶大厦」という雑居ビルにたどり着いた。繁華街のど真ん中にある雑居ビルだが、なんと5棟のビルがくっついたかなり複雑な構造の建物である。ショッピングモール、レストラン、それからもうとにかく大量の安いゲストハウス……というカオスすぎる建物だ。その中にレートのいい両替商があるという。
以前は犯罪の温床であったなどということを聞かされていたためそれは大層警戒しながら入っていったのだけれど、異様に狭い空間に人がひしめき合っていること以外は案外普通で拍子抜けしたものだった。
……のだけれど、私にとって鬼門だったのはその出入り口にいるインド人だった。何か物を売ったり客引きをしたりする目的のインド人が建物の周りをうろうろしているのだけれど、彼らは目が合っても合わなくても「ニセモノアルヨ!!!!」と叫びながら近づいてくる。電車の中で変な人に絡まれるのと同じような雰囲気があって普通に怖いのだけれど、私は完全にドン引きしたような反応をしまったため完全にインド人たちからロックオンされてしまったのである。以後香港滞在中の数日間重慶大厦の前を通るたびに、インド人2,3人に速足で追い掛け回されるということになってしまった。若干トラウマに近い。
外国で一番怖いのは「日本語で話しかけてくる人」である。いろいろな意味で。

そういうこともあって私の中のインド人像というのはややマイナスイメージに偏ってしまっている。全員が全員そうでないことはよくよくわかっているつもりだし、日本でインドカレー(ネパールの人がやっているものが多いが)の店に行っても別に不快だと思ったことはない。でもなんとなくインドというとあの香港の彼らがちらつくところがある。申し訳ないけれど。

しかしまあ私の中のインドイメージというのはその程度のもので極めて薄いものであることは間違いない。
私はまだインドをよく知らないのだ。

だいたいインドに行ったことがあるわけでもない。インドに行った人の話を聞くのは結構面白いし、行ったら速攻でお腹を壊しそうだとかそういうことは抜きにしても興味自体はそそられるところがある。

食べ物もそうだけれど、たまに話題になるのがインド映画というやつである。これまた偏見だが、大抵歌って踊っている印象だ。よくMADのように使われているのを見るが、ハイパー陽気でハイパー楽しそうで、まあそりゃそうでない人もいるのだろうけれど、映画の世界でハイパーに楽しそうなのはどう考えても悪い事ではない、と思う。
インド映画というのもを私はよく知らない。
知らないが、とにかく楽しそうだ。

楽しくなりたい。なのでちょっとこれからインド映画を体験しに行ってくる。上映時間が3時間弱とだいぶ長いので途中でトイレに行ったりしたくならないか今から不安である。インドで上映するときは途中で休憩があるらしいのに、日本ではないのはなぜだろう。トイレに行かせてほしい。3時間は割と自信がない。さすがに15時前に飲んだコーヒーはもう関係ないだろうけどさ。

私はまだインドをよく知らないし、インド映画もよく知らないけれどどうなるだろう。楽しみである。
香港で絡んできたインド人の顔は覚えていないが、映画を見た後でインドの人を見たときに抱く印象がきっと変わっているんじゃないだろうかと期待をしている。