言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

自分の座席


私の仕事場における「自分の座席」の定義が微妙になりつつある。
今、週2回しか会社に行っていない。残りの3日は在宅勤務だ。家と会社両方が仕事場という状態になっている。
家ではノートPCをモニターにつないで使っている。モニターはずっと置きっぱなしの状態で、まあ他に誰も住んでいないわけだしこの場所を他の誰かが使うことはない。私の部屋の私の座席である。
ところが、職場は違う。モニター等備品はないので、何もない机の上にノートPCを広げて仕事をしている。この座席は一応上長等から指定されて座っている座席であるので「私の座席」ではあると思うのだけれど、座席表等が存在するわけではないので立場としては非常に曖昧な状態だ。在宅勤務のために不在である日には、空いた座席であると思われていても全く不思議ではない。

なので、たまに月初などに朝出勤すると別の人が座っている、なんてことはざらにある。そういう時、どうするのが正解なのかわからなくていつも困る。
「そこは私の座席なんですが」と主張するには、出社する日数が少ない気がする。週5で来ていたり、そこに置かれている備品(デスクトップPCやモニターなど)があればそこでしか仕事ができないので移動してもらうなどの必要があるが、私の出社時はノートPCのみであるため別の場所でも仕事はできる。チーム内で座席が分かれてコミュニケーション的に面倒が発生するなどのことはあるが、そもそも在宅勤務もしている以上そのあたりは問題になりにくいところだ。
なので、とりあえず上司に相談してどこか別の席で使えるところがないか確認してもらうのがいつもの無難なパターンだ。この場合変に揉める方が面倒くさい。全く座るところがなければ問題だが、別場所でも使えるならば大丈夫だ。そう考えることにしている。

まあそもそも今、会社の座席数に対して所属している人数が多い、という現状がある。在宅勤務を推進し出社率を5割に抑えることによって密を避けるという名目だけであれば、座席と所属人数はイコールであり席がないなんてことはないはずなのだけれど、どうも現在の所属人員は座席数よりもずっと多いようだ。なので、月末月初など出社しないと対応できない仕事がありそうな日などは座席にあぶれる人が出て来ることがあるわけだ。そうすると出社したときに知らない人が私の座りたいところにいるということが起こりがちなのである。こればっかりはどうしようもないが、いつもより早めに出社することである程度回避することはできるので、1本早い電車にのって出勤するまでだ。臨時で出社しているような人は空席を探しているだけなので、埋まっている座席をわざわざ使うことはない。
面倒なのは、数か月ぶりに出社してきたような自席持ちの人の存在である。この間、同僚がいつも使っている席に知らない人が座っていたので話しかけたら、「元々ここが自分の座席だった」というようなことを言われたので、同僚の方が別の空席に臨時で移動して仕事をすることになった。同僚はいつも始業時間ギリギリに来る人なので大した問題にならなかったが、先に同僚の方が着席していた状態で、そこが自席だという人が来た場合はちょっと面倒だったかもな、と思わざるを得ない。使用頻度は違えどどちらも「自分の座席」だと思っている状況は結構面倒くさい。すぐに上司を引っ張ってきて整理してもらう他ない。

まあそれもこれも、今本当に「自分の座席」であるということの確たる証拠みたいな物を誰も持っていないから面倒なのだ。だって、一般的なことを考えれば、座席表に記載があって、私物や仕事に使うものが置いてあれば他の人がわざわざ乗っ取って使おうなんてことは思わない。昔営業で週の2回くらいしかそれこそ会社に行かない生活をしていたことがあったが(コロナよりも前)、私の座席は私の座席だった。不在でも私宛の書類や資料が置かれ続けるということは、そこが私の座席だということがはっきりとしていることの証明である。

でも今の職場は違う。現状、机とLANケーブルとコンセントくらいしかない状態で占有を主張するというのは難しいものである。まして毎日座っているわけでもない。ある意味共有スペースのちょっとした間借りでしかないわけだ。実際私の出社していない日に誰かが定期的に使っているような気配はある。たまたまその人と出社する曜日なんかが被っていないだけではあるけれど、正直かち合わないならば何でもいいところはある。同じ日に同じ座席を使う人が来てしまう、なんてことにならなければ、なんでも。

そんなわけで会社の時分の座席がよくわからないことになっている私だが、先日、どうしても花粉のせいで鼻が出て止まらなくなったせいもあり、箱ティッシュを買って座席に置いた。帰る時にロッカー(電子機器や中身の見えない鞄の持ち込み禁止なのでそれを入れる場所がある)に閉まっていこうかとも思ったが、小さく名前を書いたうえで机の上に置いておくことにしてみた。1週間放置してみてどうなるだろうか、というのが目下の関心事項である。