言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

手袋をなくした年末

 

買ったばかりの手袋をなくした。昨年末の事である。
防寒対策として買った手袋だが、使い始めた初日でうっかり失くしてしまった。それも、片手だけ。
原因ははっきりとしていた。手袋を片方だけつけたり外したりしていたからだ。寒いので手袋をつけていたいけれど、いろいろポケットの中とか鞄の中を捜索するときには手袋は邪魔である。慣れればそうでもないのかもしれないけれど、とりあえず私にとっては邪魔だったので適宜つけたり外したりしていた。そうしたら、いつの間にか片方だけなくなっていた。
車で移動していたのでその中に落ちているかなと思ったけれどなかったので、たぶんどっかそこらへんに落としたのだと思う。いくつか場所の心当たりがないことはなかったが、雪の降りしきる人のいないような辺鄙なところだったので、探すこともできないだろうとあっさり諦めた。
思い入れを感じるほどの時間はつけていなかった。
そう言えばバラバラにならないように左右をつなげられる小さなバックルが付いていた。一度も使わなかったけれど、保管しているときに紛失するリスクは減らせるのだと思う。メーカー側の配慮とかと関係なしにとにかく寒い環境下で雑に扱ったがために見事紛失した、そういうことだ。

今私の手元には片方だけになった手袋がある。これはどうしたらいいんだろう。片方だけの手袋。左手だけ。右手はどこかへ行ってしまった。
手袋は両手がセットになって売られている。片方だけでは買うことができない。じゃあ残った片手は……捨ててしまった方が良いのだろうか。荷物の中にはもう手袋は入っていない。上着にポケットにもない。明るいところで何度か確かめた。じゃあ片手の手袋は持っていても仕方がないような気がする。
でもなんとなくまだ、バッグの中に入れてある。今シーズンのうちはたぶんそのままにしておくと思う。どこかでなくしたと思っていた片手が出てきたとしたら効果押してしまうだろうからだ。たとえその可能性が低いとしても。まあそれでも、一度夏を越して忘れれば全然普通に処分できるような気もする。時間が必要なのだ、こういう事には。

持っていたのは1980円の手袋だ。買おうと思えば別にまた買える値段ではある。もったいないけれど、本当に必要ならば。でもたぶん私は今シーズンは買わないと思う。貼らないカイロをポケットの中に入れて、それを握りしめながら耐えるのだ。


手袋をなくした翌々日、大晦日に乗った帰りの新幹線の車内で、マフラーも危うく紛失しそうになった。
駅弁を食べた後上着を掛布団のようにしてぐっすりと眠っていた私は、いつの間にかマフラーを床に落としていた。たぶんバッグの上とかに置いていたような記憶があるのだけれど、何かのはずみで落としてしまったようだ。私はそれを、降車駅の直前で気が付いて拾い上げたけれど、前の座席の下の方にまで行っていたのでうっかりしていたら視界に入らなかったかもしれない。

ただまあ、手袋と違うのは、マフラーはそのあと列車を降りるタイミングで首に巻こうと思っていたのでたぶんその時には気が付いたであろうということだ。手袋は防寒の最終兵器的な扱いだったが、マフラーはもっと普通に使っていたので、すぐに気づけていた可能性が高い。
でも失くしそうになったのも確かだ。
手袋に続いてこれまた買ったばかりのマフラーもなくしていたら結構落ち込んでいたと思う。
とりあえず今は手袋の片手分だけ、落ち込んでいる。

……結構軽いかも。