言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

眼鏡が曇った


仕事が終わった後、ラーメン屋に行った。
今日は全然ラーメンの気分ではなかったのだけれど、結果的にラーメンになってしまった。入ったことない中華料理屋に行こうかなと思って歩いていたら、月曜定休だったので入れなかったこともあり、じゃあまあ近くのラーメン屋でいいか……という消去法的ラーメンである。よく考えたら今日の昼はパスタだったので、麺ばっかり食べている。良くないなと思いつつ面倒くささの方が勝って結局ラーメンになった。
今日は日中ずっといい天気でよく晴れていたように思うのだけれど、日が落ちた後にどうも霧が出ているらしい。そういうわけでなんとなく世の中がひんやりしっとりとしていた。雨でもないのにちょっと珍しい。
その湿気のせいで、ラーメン屋のガラスの窓が全部真っ白に結露してしまっていて、中の様子がかなり見にくくなっていた。まあ空いてなかったらもう家に帰って適当に食べようというくらいの気持ちでドアを開けたら……眼鏡が真っ白に曇って何も見えなくなっていた。
私は普段からずっと眼鏡をしている人間だけれど、最近毎日しっかり乾燥しているからすっかり忘れていた。窓が曇っている飲食店は、眼鏡も曇る。
そういうわけで私の眼鏡はそれはもうしっかりと真っ白に曇ってしまった。いつもなら予備眼鏡とそのケースがバッグに入っていたりするのだけれど、ちょうど先日取り出して掃除をしたばっかりだったので入っていなかった。なのでうかつにレンズを拭くこともできない。
でも、食券制の店なのでとりあえずまずお金を券売機に入れて食券を買わないといけないので、私はも眼鏡を頭の方にずらして裸眼で食券を購入した。眼鏡を置く場所もなかったのだ。所ジョージ状態である。
これ私は裸眼でも0.2くらいの視力がギリギリあるので大丈夫だったけれど、もっと悪い人はなかなか面倒だと思う。一時的でいいから適当に服とかで拭くんだろうか。まあそうでもしないとどうにもならないならそうするしかないだろう。私は所ジョージで済ませたけれど、まあそもそも眼鏡拭きくらい普通持っているものだろうか。
でもやっぱり私の後から入ってきた眼鏡の人もカウンターに座る頃には裸眼になっていたし、みんな条件は似たり寄ったりのようだ。入店する眼鏡人が全員食券機の前で裸眼になっているのはシュールな気もしたけれど、みんなそうなんだからもはやそっちがスタンダードである。そりゃそうなる。

私も食券機にやや顔を近づけながら食券を購入し、着席した。座席を案内してくれない(いつもそう)店なので適当に座る。
全然眼鏡の曇りが取れないので、裸眼のままスマホを眺めて過ごす。寝起きにスマホを見ている感じだなとか何とか思っているうちに、ようやく曇りが取れてきて、私は眼鏡を掛けなおした。
そして、ラーメンが到着した時、また眼鏡は曇った。
まあそうなる、そうなるよな。ちょっと考えればわかることだ。湿気がひどくて曇ったのだ、そりゃあ湯気でも曇る。ましてラーメン屋そのものがかなりの湿気を保ったままだというわけで、そりゃあ曇りやすいだろう。当然だ。当然すぎる。

そういうわけで私は2,3分また曇ったままの眼鏡と共にラーメンを食べた。味はいつもと一緒だった。だいたい見えていれば食べられる。完全に見えないわけではないので大丈夫だ。そういうことにしておこう。


しかしまあ寒い季節だからかもしれないが、今どき眼鏡がガッツリ曇るほどきっちり窓とかを閉めている店も珍しいような気はする。換気とかどうなってるんだろう。若干そっちの方が気にはなった。まあどうせ長期滞在しないし、全部カウンターだから向かい合うこともないんだけれどね。

 

雨が降ったわけでも、雪が降ったわけでもないのに、今日のラーメン屋は真冬みたいだった。

眼鏡だけ。