言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

サンドイッチ全品半額


今だけサンドイッチ全品半額。
そう書かれた張り紙に吸い寄せられてパン屋に入って、私はサンドイッチを手に取った。トングとトレーがあったが、パックに入ったサンドイッチはトングでは取れないので、手で取ってしまう。このご時世的にそもそもパンがそのままの状態で鎮座していることなどほとんどなかったりするわけだが、サンドイッチは昔からプラスチックのパック入りだったと思う。

私は左利きなのだけれど、トングは右手で使うことが多い。理由はたぶんあんまりない。使い慣れているのと、あとは左の方に鞄を持っていることが多いからとかそういう理由だ。別に使おうと思えば左手で使うこともできる。まあこれは多くの人がそうだと思う。トングならあまり左右の違いはない。持ちやすい・持ちにくいとかはあるだろうけれど、お箸のように訓練しないとなかなか厳しい、なんて事にはならないはずだ。挟むだけだし。
でもまあ右利きの人は今度パン屋とかドーナツ屋に行ったらトングを左で持ってみて欲しい。たぶん、ちょっとした気持ち悪さというか、違和感があると思う。先のとがったお玉を右手で持たされている左利きの気持ちが少しわかるんじゃないかな、と思う。まあ大したことはないという話でもある。

話が逸れた。
トングではない、サンドイッチだ。
私はたまに朝ごはんのためにサンドイッチを買う。基本的には和食派なのだが、たまに食べたくなってパンを買ってきて食べることになる。朝の起き抜けというのは食欲以上に準備が面倒くさく、ちょっとでもテンションを上げるためには目新しいものを時折導入することも大事である。まあ真面目に生活しているときは基本的に前の日の残りのご飯と味噌汁と適当にご飯のおかず、ということに落ち着くわけだが、忙しかったりして前日夜に外食などしてしまった場合は適当に買ってきて用意することになる。
おにぎりとか、巻きずし(納豆巻きとか)そういうものを選びがちではあるが、続くと飽きるし、テンションが上がらない。そういう時、パン、特にサンドイッチの出番である。
昼・夜にサンドイッチを食べることはほとんどないが、朝だとサンドイッチを選びたくなる。野菜が入っているからだろう。生野菜サラダとして朝からめいっぱい頬張ってくれと言われたらやや抵抗があるが、サンドイッチに挟まっていれば何ら抵抗はない。あとは、柔らかい食パンで作ってあるものを選ぶことも多い気がする。要するに食べやすくてちょっと目新しくて野菜が取れるやつ、そういうものをなんとなく欲しているわけだ。
硬いパンで作るようなバゲットのようなものも好きなのだけれど、なんとなくそういうものは昼とか、休日の遅い朝ごはんのように、ちょっと余裕のあるときに選ぶことが多い。朝はとにかく食べやすさ重視。自分の機嫌をどうとっていくのか、という話でもある。

昔はサンドイッチってそんなに好きな食べ物ではなかったような気がするのだけれど、いつからか自分で選んで食べるようになった。不思議なものである。

まあそれでサンドイッチだけ買って帰ればよかったのだけれど、なかなかそうはいかないものである。私はサンドイッチのついでに、買うつもりのなかった菓子パンを2つ、トレーに乗せていた。
別に朝食べなくてもいいのだ。昼に回してもいい。夜くらいでもものによっては平気だろう。おやつみたいなもんだ。余ることはないし、後に回せるから大丈夫。……そうやって食べる算段だけをつけてレジに持っていく。

今だけサンドイッチ全品半額、の掲示を見てはいった店で、たぶんサンドイッチを普通に買うよりはお金を使ったけれどまあいいんじゃないかな、と思う。