言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

また他人の荷物が届きかけた


この間、また荷物が間違えて送られてきた。

我が家のインターホンが予告なく鳴る時というのは、何か荷物が届いたときとどうでもいいセールスのほぼ2択である。今どき荷物がいつ届くかという情報は事前にある程度把握ができるので、ノーアポで急にインターホンを押してくるような輩は基本的にセールスということになる。
そのセールスも一人しつこい人がいたが、毎度最初に「お休み中すみません」と言ってくるのにイラっとして「仕事中なので帰ってください」と返してからはどういうわけか来なくなった。まあ今思えばインターホン越しに社名(これも委託元の名前だからダメな気がするが)こそ名乗れどセールスである旨を言わず、「工事が終わったのでお知らせを(別に何も作業してないし事前の工事のお知らせもない)」とか「契約されている内容に変更の必要が(こいつの会社とは何も契約していないのにかかわらず)」などとのたまっていた時点でもっと適当に追い払うべきだったのだが、仕方がない。お仕事大変ですね、の気持ちでつい相手してしまっていた。無駄な時間だった。

最近はもうそういうこともなくなって、急に知らないタイミングでインターホンが鳴る、というのも数か月単位でなかったのだけれど、この間の土曜日に久々に何の心当たりもないタイミングでインターホンが鳴った。私はちょうどトイレから出て手を洗っているところだったので、慌ててそれを切り上げて応対した。
セールスではなく、運送会社だったのでオートロックを解除する。だがしかし、荷物に心当たりがない。Amazonで何か頼んだ記憶はないので、前に何かで予約していたものがいつの間にか発送されていたのだろうか、などと思いながら印鑑を手に玄関に向かった(ちなみにAmazonなら印鑑不要なので、普段は持っていかない)。
ドアを開けると、「冷凍品です」と言いながら小箱に貼られたラベルを見せる配達員。冷凍品というといよいよ心当たりがないな、と思ってラベルを見ると、知らない人の名前が書いてあって急に合点がいった。
私宛の荷物じゃなくて、この家の前の住人宛の荷物である。以前も御配達があったが、また発生したのだ。
配達の人も何度か私に荷物を渡してくれたことがある人なので事前にわかっていたのだろう。「宛名、お間違いないですか?」の問いかけに「いいえ」と答えるや否や、まあそうですよねと言わんばかりの勢いで「宛名違いますね、それでは」と帰っていった。Amazonの荷物などたまに本名名義ではない配達物があるので一応確認してくれたのだとは思うが、まあたぶん違うだろうな、と向こうも思いながら持ってきてくれたのだろう。

違う人の名義の荷物が来るのは2回目である。以前も小包だったと思う。宛名をちゃんと覚えているわけではないが、たぶん同じ人だろう。どうせ前の住人である。前の住人の名前なんて情報は別に知りたくはないのだが、何度も来たら覚えてしまいそうだ。

しかしながら、もう引っ越してきて1年以上になるがまた宛先間違いの品が届いたというのは若干心配になるものである。おそらく本人が手配したものではなくて、知人や親戚なんかが送ってきたものなんだろうけれど、住所が変わったことがちゃんと認知されていないというのは面倒なこともあるんじゃないか、と思ってしまう。公的なものではないのでいいけれど、今回なんて冷凍品をこの真夏に別住所に送ってしまう、なんてなかなか良くないんじゃないかと思う。
私がたまたま出られたからいいけれど、受け取れなかったら不在票は我が家のポストに入ることになるだろうしより面倒だろう。というか、誰にとっても面倒だ。私宛じゃない荷物の再配達依頼なんて、そもそもできるのか? そこからわからないし、どう考えても状況としては面倒である。

まあでも、今どき住所をやり取りするなんてことは減ったものである。年賀状をちゃんと出していた頃なんかは住所変更があれば最悪年賀状でお知らせ……ということもできただろうが、今どきなかなかそういうこともない。セキュリティ強化や感染対策のために同行者の個人情報を求められる機会が多くなったのでそういうつながりの仲間の住所は結構知っていたりするけれど、そういった特殊事例でもなければなかなか住所なんて人に教える機会はない。
Amazonの欲しいものリスト経由のプレゼントなんて、相手の住所を知らなくても送り付けることができるわけで、そういう時代なのだ。

しかしまあ、この話そんなに他人事でもない話である。私もたまに、間違えて実家に荷物を送ってしまうことはある(受け取りとかの関係でわざとそうする時もあるが)し、今の家から引っ越した時に同じことが起こるかもしれない。
「人のふり見て我がふり直せ」とはよく言ったものだ。