言葉のリハビリ場

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メロンを食べるとたまにイガイガする


メロンを食べると、のどのあたりが少しイガイガすることがある。昨日もたまたまメロンを食べる機会があったのだけれど、食べ終えた後しばらくイガイガするような感覚が残った。
これは、メロンに含まれる「ククミシン」という酵素によるものである。果汁に多く含まれているらしい。
メロン固有のタンパク質分解酵素の名前で、いろいろなメロンの品種に類似のものが含まれていることがわかっている。食物アレルギーの原因になることもあるようだけれど、このイガイガしたりピリピリしたりするような症状はククミシンが口やのどの粘膜を攻撃することによって匹押されるものである。まあ「タンパク質分解酵素」なので口の中であろうとなんだろうと分解をしてしまい、傷がついたように違和感を生んでしまうわけだ。
生のメロンなら何でもイガイガするわけではないのでちょっと不思議に思っていたけれど、どうも調べてみるとメロンの品種によってこの酵素が含まれている量というのが異なっているようである。具体的な数値というのは調べてみても出てこなかったのでわからないが、多少の差があるようだ。
それ以上に未確定な情報としては「熟すとククミシンが減る」という情報である。良く追熟させるとククミシンが減るのでイガイガが気になる場合はギリギリまで追熟させた方が良い、というような情報がちらほらと見受けられるのだけれど、特に裏付けるような情報を見つけられなかったので真偽は不明である。
ただ調べている途中で「鹿児島大学理学部生命化学科」の研究室のページ内にククミシンの記述があることに行きあたったので、このあたりの関係を掘っていけば何かわかりそうな感じはした。が、まあ普通に専門外分野であるし、そこまでの情熱はないのでそれ以上は調べなかった。要するにぱっと調べたくらいではわからないことだという事だけはわかった。
ちなみにはっきりしているのは、メロンの仲間の果実や野菜類にはほとんど含まれていない物質である、ということくらいである。同じウリの仲間でもキュウリなどには含まれていないし、果実で言えばスイカにも含まれていない。あとは、日本に昔からある「マクワウリ」というメロンに似た甘さのあるウリ(織田信長がかじりながら歩いていたとかそういうやつ)にも含まれていない。どうやら網目のあるメロンに多く含まれているのがククミシンというタンパク質分解酵素であるらしい。

とにかく、メロンというやつにはククミシンというのどなどをイガイガさせる物質が入っているわけだが、別に悪い事ばかりではない。消化酵素なので、肉や魚などの消化を助ける働きがあるのだ。のど元さえ過ぎてしまえば後はもうあんまり悪さすることもなく、消化を助けてくれるという事らしい。
……まあなんか、メロンを食べるとお腹がちょっと緩めになるような気がしていたけれど、もしかしたらこの酵素のせいだったりするのかもしれない。メロンを食べるシチュエーションというのが限られており、かつ大抵そういう時はたくさんご飯を食べた後なのでそのせいだと思っていたけれど、もしかして、と思うところはある。別に気にするほどの事ではないが。


私はアレルギーなので食べることができないが、パイナップルにも似たようなものが含まれており、口の周りが同じようにヒリヒリしたりするような症状を引き起こしたりする。原理は同じでタンパク質分解酵素が含まれていることによる。
50℃程度で酵素が分解されるということで、缶詰に加工されるパイナップルなんかは加熱処理が行われているようである。そうでないとゼリーなどに加工できないのだ。
パイナップルとゼラチンを組み合わせてゼリーを作ろうとすると固まらないと言った事象に遭遇することになる。ゼラチンはタンパク質であるため、酵素によって分解されてしまうのだ。そういうわけでゼリーに入っているパイナップルは基本的に一度加熱された缶詰タイプのものばかりであるし、生のメロンも同じようなことが起こりうるので、メロンゼリーなんかは酵素の多く含まれる果汁を多く使わないように調整してあったりする。
まあもっとも、寒天ゼリーであれば別にタンパク質ではないので普通に固まるのだけれど。


このあたりの酵素についてはパイナップルが一番有名でそのあとはメロンかな、という感じなのだけれど、ほかにもキウイやパパイヤ、イチジク、バナナなんかにもタンパク質分解酵素が含まれている。これらを生の状態でゼリーにしようとすると上手く固まらないらしい。でもまあ別に生で食べたところで口の中に異常が発生しないし、何か気にするほどのものではないんだろう。

メロンだってイガイガすると多少「嫌だな」とは思うけれどそれ以上の実害はないわけで、美味しいし食べられるもんなら今後も普通に食べたいとは思う。ただ、パイナップルの時のように普通に後天的にアレルギー反応を起こしてしまうこともあるので、そうならないことを祈るばかりだ。