言葉のリハビリ場

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最近の迷惑メールはなかなか作りがリアルだ

迷惑メールというのはガラケー時代から存在するが、最近はその内容もずいぶんと高度化しているように思える。

最近一番よく送られてくる迷惑メールは、Amazonの注文を装ったメールである。商品を注文したときに確認のために送られてくるメール内容を装ったもので、一瞬、何か本物なんじゃないかと見紛うくらいのデザインにはなっている。特筆すべきは配送先に記載された住所と氏名が自分のものではないということである。知らない人の名前と住所が記載されているので、「誰かに不正利用されているのではないか」と思わせてメール内のリンクをクリックさせるという手口というわけだ。住所氏名はおそらく本当に存在するものが不正利用されているようで、なかなか凝った作りになっていると言わざるを得ない。
まあ差出人が「Amazon.com」と表示されるものの実際のアドレスは全然関係ないアドレスだったりするのでどう考えても偽物ではある。
さらに言えば、Amazonであれば向こうから送ってきたメールはすべてアカウントサービス→メッセージセンター→メッセージで確認できるので、そこに記載がなければ基本的にすべて迷惑メールと思って差し支えない。Amazonはそのあたりが結構親切な仕様になっていて好きだ。まあありとあらゆる迷惑メールにAmazonの名が記載されているからこその対応なんだろうけれど。

Amazonも多いが、カード会社系の迷惑メールもよく見る。大抵不正利用を騙ってやってきて、URLを踏むと個人情報の入力を迫って来る手口である。たいていの場合、個人情報入力にはどんな値を入れても次のページには遷移せず、ただただ入力情報だけが相手方(詐欺側)に送られるような仕組みになっている。何度入力しても次の画面に遷移しないのでたいていの場合はそのあたりで詐欺だと気が付くのだが、うっかりここで気が付かず、違うカードの情報を試しに入力してみるとか、そういったことをしてしまう人もいるだろう。昔、私の身内でもそういう事件はあった。
すぐに当該カード利用を停止して事なきを得たが、なかなか上手にできた仕組みになっていて恐ろしいものだということがよくわかった。
最近の迷惑メールは微妙にターゲティングしてくるというか、明らかにこちらの情報を少し持っている状態で送りつけてくるからたちが悪い。名前やメールアドレスくらいなら平気でメール内容に記載されてているのは当たり前にある話だ。
だからまあ結局Amazonの例と同じで、一旦送られてきたメールから離れて別ルートで事象が本当かどうか確認することが肝要なのだろう。オレオレ詐欺なんかも同じだろう。その場で全部応じると、案外正確には判断がつかないものだ。うっかり心当たりでもあると、急に本当のことのように思えてしまうこともある。だからまず、一旦目の前のメールや電話から離れて裏を取る、これをしなくてはならい。
面倒な世の中になったものだと思う。結局自衛しないといけないのだから。

ただまあ迷惑メールのフィルターみたいなものも随分と最近では性能が良くなってきていて、実際直接目に触れる機会というのは減ってきている。迷惑メールフォルダのあるメーラーでは勝手に怪しいメールを振り分けてくれる。たまにフォルダをのぞいてみると見事に不要な迷惑メールの山であるので、結構ちゃんと対応してくれているんだなと感心するものである。
たまに必要なメール(新規会員登録時のメール何かは長々とURLが載っているからかよく迷惑メール扱いされたりする)も振り分けられていることがあるけれど、まあご愛敬だろう。ガラケー時代と違って今時スマホのメールで何かやり取りをすることはほとんどないので、それこそ新規会員登録とか、予約や購入確認なんかの「来るタイミングに心当たりのあるメール」ならうっかり迷惑メール扱いされても探しに行くことが容易である。
昔は「Gmailだと拒否されるアドレス」とかが結構あったような気がするし、大抵会員登録を行うときの注意書きに受信拒否しないでくださいの記載があったが、最近はさすがにそうやってメールが届かないような躓きはほとんど見なくなった。代わりにSMSの二段階認証メッセージ送信ミスや遅延みたいなものをたまに見るようにはなったが。
迷惑メールフォルダの振り分け判断が優秀になったことにより、それをすり抜けてくるメールはある意味選りすぐりの迷惑メールと言うことにはなるが、絶対数がかなり少なくなったのはすごく助かっている。

キャリアメールの迷惑メール振り分け能力というのがイマイチで、最近でも懐かしいタイプの迷惑メールが届いたりはするが、無害なのでとりあえず無視をしている。1000万円当選したらから手付金として100万円からってくれ、みたいなメール、令和の時代にも存在するのだなと逆に関心してしまたったりもする。
ただなんかあからさまに変なメールについては、注意が必要だなとも思っている。
この間、タイトルは完全に詐欺メール(あなたに15億円差し上げます、みたいな)ものなのに、本文は全然関係ない商品の宣伝……というだいぶわけのわからない内容のメールが来た。URLが付いているので興味を持たせてクリックさせる古典的な奴ではあると思うのだけれど、同時にSNSなんかに晒させることで個人を特定しようとしているのでは……? と思ったりもする。家の前にカブトムシを置いて写真を取らせ、住所を特定する手口の類似版みたいなものだ。露骨にメール内に識別番号みたいなものが書いてあることもあるけれど、そうでなくても送信タイミングや時間なんかがわかれば対象が絞りやすくなったりもするだろう。古臭いと見せかけて、なかなかよくできている。
単純に深読みのし過ぎな気もするけれど、警戒するに越したことはない。もっと言えば、開封せずに削除しておくのが一番だ。関わってもいい事なんて一つもない。