言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

コートを引っ張り出すシーズン


コートを引っ張り出してきた。11月も半ばとなり、とうとうコートの出番が近づいてきているのである。いい加減適当な長袖では寒いという日もちらほらと出てきており、ここらでコートの用意をしておこう、ということになったのだ。

最後に着たのは今年の春である。春と言えばスギ花粉の季節だ。ちゃんとクリーニングに出してからしまってはいるのだけれど、そんなことでは除去しきれないらしく、毎年出した初日は鼻炎のアレルギー症状に悩まされている。
今年はすでにスーツでそれをやってしまった。最後1月末に着たスーツを先月着たのだけれど、クリーニング屋のあの黒い入れ物から出してひっかけて置いたら、鼻水が止まらなくなった。当時服についてそのままの花粉が半年の時を経て私に襲い掛かるのである。
年が明けて1月の末からだいたい5月くらいまで花粉症用の薬を飲んで過ごすわけなので、その時期は多少こちらにも耐性が付いているものだが、今の時期は完全に無防備な状態だ。そこに、少量とはいえ花粉が付着した衣服が春先からの封印を解かれて出てくると、もうあっという間にひどいアレルギー症状を誘発してくるのだ。
それに、外出中はマスクをしているからさほど気にならないけれど、家の中というのは存外に無防備なものである。

やっと私も学習をして、今回コートを出した際にはしばらくベランダに出しておくことにした。付着物を取り払ってから部屋に取り込もうという算段である。
夕方に引っ張り出したので一晩おいておけばいいか、と思ったのだけれど雨が降ってきたのでやむなく取り込み、今は浴室に隔離している。また明日朝晴れていたら外に出すつもりだ。
若干雨で濡れてしまったが、まあコートなので大丈夫だろう。とりあえず乾かしてからベランダではたいておこうと思う。
今のところ隔離のおかげか、鼻水が出たりするようなアレルギー症状は出ていない。

あとはこれをいつまで隔離しておくか、というところの匙加減だと思う。着たときにまたアレルギー症状が出るのは嫌なので長めに外に出しておこうとは思うが、何日も外に出しておくのとそれはそれで別の汚れとかが付きそうだし難しいところだ。まあベランダに出した後はまた浴室に隔離して……というように適当に往復させて自分の生活圏内から一番遠い場所においておくことにしよう。
たぶん明日あたりにすっかり忘れて、風呂に入ろうとしたタイミングで目の前に人型の影が表れて肝を冷やす……なんてことになる気はするが、まあいいのだ、そんなことは。

コートはそんな風にして何とか使える状態に持っていけそうだけれど、もう一つ春先によく着ていた服が見つからなくてちょっと困っている。結構厚手の上着で、これくらいの時期にちょうどいいだろうと思って探しているのだけれど、どこにしまい込んだのか思い出せないでいる。
いつもならここだよな、という場所になくていよいよどうしたっけ、というところだ。こいつもまた花粉が付着しているはずなので外に出しておきたいのだけれど、見つからないことにはどうにもならない。恐らく、服とは関係ないジャンルの所にしまい込んであるような気はしているが、このところ忙しさもあってその辺の捜索ができていないのが現状である。
そうこうしているうちにコートの季節が来そうなのでもしかしたらもう出番はないかもしれないが、究極に寒い所に行く場合(真冬の北海道とか)は重ね着のために必要だったりするので、なんとか見つけ出したいところである。
余計な半袖のTシャツとか、もういい加減捨てようかどうかというようなパーカーとかは目につくところですぐに出てくるんだけどな。

こういう時はせっかくシーズンなんだから思い切って買ってしまうか、という結論になりがちなのだけれど、得てしてシーズン終わりにひょっこり意外な場所から見つからなかった服が出てくるものである。
そこでようやく、シーズンの終わりくらいに自分がした行動(いったん退かしておこうと畳んで積んだ、とか)を思い出して一人、納得することになるのだ。