言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

家の中で虫と戦った話

家に発生する虫は基本的に嫌いだ。

特に蚊は嫌いだ。羽音は耳障りだし、刺されたらかゆくなる。ついでに何か病気を媒介することもある。できれば家の中で見たくない存在だし、見かけたら速攻で臨戦態勢に入る。
少なくとも夜寝るよりも前には始末したい存在だし、寝ているときに羽音で気が付いたならば即刻始末しないと寝られない。
人間が不快に感じるようにできているんだろうかね、あの羽音は。一時になるともう本当に不快で不快で……。
小さい虫であっても、気になるものは気になるものだ。

今住んでいる家は、そういう意味では今のところ変な虫は少ない。夜、カーテンを開けたままにしておくとコガネムシ的なものが窓の外に突っ込んできたりもするが、まあその程度だ。あとは羽アリがたまに侵入してくるくらい。これも窓を開けなくなって見なくなった。

そんなわけでわりと快適に暮らしていたのだけれど、今度は外部からではなく、内部から虫の被害に遭うという事件があった。

先月引っ越した際に新たに購入した家具(テレビ台)の足のところから虫が湧いたのである。
最初に気が付いたのは、床に謎の木くずが落ちていたところからだった。木くずが落ちるような心当たりがなく、これはなんだろう、段ボールの中にでも入っていたかな、などと思いながら一度は掃除機で木くずを掃除したのだけれど、ふと木くずの上であるテレビ台を見てみると、足のところに穴が開いているのである。
木材の内部が虫に食われて、その虫が穴をあけたときに木くずが出てきた、ということのようであった。
調べてみるともともと木材に卵が産みつけられていて、それが夏になって孵化し、木材を食いながら成長して大人になったので外に出てきた……ということなので、穴の大きさ以上に木の内部はかなりく荒らされている可能性が高いとのことだ。最悪である。
取りあえず虫がどこに行ったか分からないので、穴に残っている木くずも掃除機で吸ってみて、テープで貼り付けてみた。

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いや困ったな、と思いながらも、この時点ではそこまで深刻にはとらえていなくて、何か虫よけの薬でも買ってくるしかないのかな、なんてのんきに構えて半日放置していた。
そうしたら、午後になってふと穴の様子を見てみると、テープを貼った場所がみっちりと木くずで埋まっているのを見つけてしまった。まだ中に虫がいるということである。現在進行形で木の中に穴を掘って木くずを排出しようとしているのだ。
これはやばいな、とそこで思って、家具の購入先であるニトリに電話をした。携帯からだとナビダイヤルでしかつなげず、20秒で10円とかいうわけのわからない料金を請求されるのが嫌だな、と思っていたけれど、それも杞憂に終わった。
最初の20秒で家具に穴が開いた旨を伝えると、即、こちらの電話番号を聞かれたのだ。かけなおしてくれるらしい。つまりはそれくらい、深刻な事態であるということでもあった。

かかってきた電話の先で、ニトリのオペレーターに状況を伝える。先月買った家具の足の部分に穴が開いて、木くずが落ちている。穴の中をつまようじで探ってみたら、結構広範囲にわたって穴が続いている。どうすればよいか。
そんな内容を伝えると、先方はかなり深刻そうな口調で、すぐに調査人員の確保と家具の貸し出しを手配する、と言ってきた。電話をしたのが16時とかそのあたりだったにもかかわらず、当日でも調査人員を向かわせることができるがどうするか、とまで言ってきた。
ただあいにくその日は少し出かけていて、家に帰りつくのが21時とかそのあたりになってしまうこともあって、当日の手配は断念し、互いの都合がよい翌々日に対応を行うことになった。
オペレーターは「大変申し訳ないんですけれども」と断ったうえで、できるだけ被害状況を明確にするため現状維持のまま過ごしてほしい、と伝えてきた。落ちている木くずもですか、と聞くと、そうです、という。
まあそうだよな、証拠とか必要だもんな。そうじゃないとなかなか企業として対応しにくいだろうし。

ただまあ……もうすでに木くずが落ちていた分は掃除機で吸ってしまったんだよな。穴にも掃除機を当てて吸ったし。なんならテープを貼って穴をふさいでみたりもしている。まああれだ……テープを後からはがせばそこに溜まっている木くずで証明できるかな、と思うことにした。まあ証拠は大丈夫だろう、と。実際穴も開いているし。
それよりもなによりも、虫の方が問題だ。虫を抱えたままの状態で、あと2日も過ごすのかというそっちの方が問題だった。
虫を目視したわけではないのではっきりしたことはわからないが、キクイムシシバンムシの類であればこちらを攻撃してくることはないし、何なら大して飛ぶこともできないらしい……が、それでも嫌なものは嫌である。
なので、穴へのテープ貼りはとりあえず継続することにした。調査の人が来た時に、その直前ではがせばよかろうと。

しかし、翌朝になってまた件のテレビ台を見てみると、足元に木くずが落ちている。まさか、と思ったら、もう1か所穴が開いていた。同じくらいのサイズである。虫の方もどうしても木くずを排出したいらしい。

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なにくそ、と思ってさらにテープを貼ってみたが、どうも無駄な抵抗であるようだった。穴がふさがれば、また新たな穴を用意する……それだけのようだ。
私はもう最終的にはあきらめて、穴も木くずもそのままにした。

ようやく調査の人が来るという頃には、穴はだいぶ大きくなっていた。それからまあ(全然うれしくはないが)穴の中でもぞもぞ動く虫のようなものがせっせと木くずを穴の外に出している様子を見ることができた。

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いや嬉しくはない。全然嬉しくない。
夏休みの自由研究かよ、というセルフのツッコミすら嫌だ。虫もなんのサービスが知らないけれど、わりとコンスタントに動いてくれたので、動画も撮れてしまったけれど……どうするんだよ、これ。後から証拠として虫が木くずを穴の外に出す動画が必要か聞いたら普通に苦笑いされて「いらないです」と言われたし、普通にもう自由研究動画みたいになってしまった。

出すところに出したらなんか保管してくれたりするか? 

 

ニトリの調査の人たちは穴の様子を見るなりいろいろ察したような感じで、写真を何度か撮ったり、メジャーを当てたりして確認した後、穴をマスキングテープで覆った状態で家具ごと回収していった。
精密調査の上で、後日正式に何か回答があるらしい。家具自体の交換になるのか、あるいは返金等の対応になるのか、はたまた別の対応になるのかわからないけれど、まあおそらく交換対応になりそうだ。
ただ、同じ商品はちょうどモデルチェンジがあったようで、もう正式販売はないようなので、代替品を用意するとなるとどんな感じになるんだろうな、というところはある。こちらで選べるか、あるいは普通に返金してもらうのがいいかな、と思っている。

今はニトリ側のサービスとして、今は仮のテレビ台を貸してくれている状態である。同じくらいの値段の商品だけれど形が違うのでかなり謝られたけれど、タダで貸してくれているわけだしこちらとしては何の文句もない。むしろしばらくまたテレビを床に置く生活かと思っていた(引っ越してきて1週間強はテレビ台がなくて床に置いていた)ので、嬉しい誤算ともいえる。

今後どうなるかまだちょっと見えていないところはあるけれど、3日間(+外に出てきて発覚するまでの1か月)の虫との不本意な同居生活は、ひとまず終わりということになったのだった。

……たぶん。

代用の貸し出しテレビ台が思いのほか使いやすいし、何より掃除がしやすいのでもういっそこれでもいいかな、と思い始めているけれど、どうなるんだろうな。

ここらかは何も出ないでくれよな、頼むから。