言葉のリハビリ場

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プッシュ式の醤油差しの罠にはまった話

プッシュ式の醤油差しというものがある。寿司屋でよく見るやつだ。上部のボタンになっているところを押している間だけ醤油が出せるという優れもので、それこそ寿司屋では軍艦巻きなどに垂らして使うために置かれている。軍艦巻きはネタに醤油をつけにくいため、高級寿司などではあらかじめ専用の刷毛で醤油を塗っていたりするわけだ。それを手軽にこなせるようになるのがプッシュ式の醤油差しである。
軍艦巻きの上に醤油が掛けやすいという視点の開発であったのかどうかは知らないが、寿司屋での主な用途と言えばまずこれだろう。普通の寿司でもネタの方にこれを使って醤油をかけてもいいかもしれない。まあ最も、通常の握り寿司はシャリにつかないように醤油をつけることはそう難しいことではないので、好みの問題だと思う。私は面倒くさいので軍艦以外ではあんまりやらないけれど、醤油皿がないような100円寿司とかならやるかな。

寿司屋以外でも普通に置いてあることは多く、置いてあれば便利なので重宝している。焼き魚用の大根おろしにかける醤油とか、いっつも少ないかかけ過ぎるかのどちらかなので、プッシュ式のように調整しやすいものだとかなり助かったりするのだ。空気穴をふさいでいることに気づかずに傾けて、「あれ、出ないな?」とやってから、指をどけて一気に醤油が出るパターンはもう見飽きている。ものによって微妙に仕様が違うのが悪い。プッシュ式の便利さはそういう時に際立つ。

品質に差はあれど、100円ショップでもプッシュ式の醤油差しが売られている時代である。ずいぶん需要があって、それでずいぶん普及したということなんだろう。醤油差しどころか、醤油本体も便ではなくプラスチックのボトルタイプのやつが売っているくらいだしね。あれも絞った分だけ使えますよ、という商品だ。減塩とかそういう目的もあるだろうね。

だがしかし、たまに罠もある。プッシュ式の「醤油差し」と私は完全に思い込んでいたが、よく考えればただの容器なので別のものが入っていてもおかしくない。私はそれを完全に失念していた。
この間入った寿司屋で軍艦巻きを食べた時に、例によってプッシュ式の容器を手に取ってネタにかけて食べたのだが、一口食べて「なんか酸っぱいぞ」と違和感を覚えたのである。まさか、と思って容器に貼ってあるラベルをよく見たら、「ポン酢」と書かれていたのだ。
私は左利きなので、つい左手でこの手の調味料を手に取ってしまうが、右利きの人とは逆向きに取るために、ラベルが付いているのとは反対方向を向けて使ってしまったようなのである。まあそもそも醤油だと疑いもしなかったので、見えていたとしても気づかずにかけてしまっていた気はするが。

まあなんというか、ウニにポン酢は合わないこともないけれど醤油がいいかな。ちゃんとよく見て使おう。思い込みはよくない。でもまあ、醤油差しだと思っているから、色の同じ液体は一瞬わからないね。ソースと醤油はちゃんと確認するけれど、それと同じことだな。

 

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ポン酢をかけてしまったウニ軍艦