言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

恵方巻と寿司

 

恵方巻というか、太巻きが好きだ。だからこの季節になると、恵方巻のお試しとして売られているような太巻きたちがいろいろ並んでいて、それが結構嬉しかったりする。
そうは言うものの、今年はまだ全然太巻きを食べていない。コンビニが近くにないからとかそういうこともあるけれど、なんというか節分がもうすぐそこまで来ているという実感が全くなくて、季節に全然乗り切れていないようなところがあるのかもしれない。
恵方巻のキャンペーンだとか、そういうのが目につかなくなった。目に付くようなところに行っていないのか、風景が日常化してしまったか。

太巻きに限らず、巻物というのはなんとなく普段はあまり食べないものになっている気がする。例えば回転寿司に行って巻物の類をどれくらい頼むだろうか。考えてみればここ最近はほとんど頼んでいない。鉄火巻きなんかは普通に握りずしを食べるよりも案外いい部位を使っていたり量が多かったりでコスパがいい店があるので以前はたまに頼んでいたけれど、今はそこまで量を追い求めなくなったからか頼まなくなった。立ち食い寿司でたまに巻物を食べるとしても、それはランチセットの最後に出てくるものくらいだ。頼んで食べていない。
でもまあ、海苔で巻いたもの自体は食べているんだよな。軍艦巻きがそう。いくら(最近ちょっと控えているけれど)とか、あとは北陸系の寿司ならホタルイカの類(沖漬けとかボイルとか)なんかはよく食べる。だから別に海苔が嫌いだとかそんなことではない。
なんでかわからないけれど、海苔巻きは主役ではないのだ。そういう意識があるから、握りを頼むよりもボリュームのありそうに見える巻物はなおのこと選ばれない。セットに入っていれば食べるし、たまに食べるかんぴょう巻きとかなんか安心する味がして好きだけれど、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ最後にないか食べたいという時に頼むのには量が多すぎるのかもしれない。手巻きの1本のやつ(手で持つように渡してくれるのとか)そういうのならきっといいのかもしれないけれど、なんというかそこまでやってくれる店ならそこそこ値が張るわけで、なかなか巻物に意識が行かないのが正しいところである。

だからこそ恵方巻というのは貴重な機会だ。普段わき役だの量が多いだの思っている巻物が主役になるわけだから。別に年に1度じゃなくて年中恵方巻に類するものは食べたいと思っているけれど、この時期じゃないと食指がなかなか伸びないというのもあって、本当はもったいないことをしているのかもしれないな、とこの時期になると思うわけである。なんでか。

髪を切りに行った時に読んだ雑誌がdancyuで、1冊丸ごと寿司特集だったのだけれど、いわゆる「町中のお寿司屋さん」みたいなところの特集で、たいていどこの店も「締めに巻物」というようなことが書いてあるのが印象的だった。町のお寿司屋さんというのは確かによく目にするが、しかしながら敷居が高い印象も同時にある。dancyu曰く庶民的で入りやすい町中の気軽なお寿司屋さんだとのことだけれど、ランチ利用以外ではそういう店に入ったことがない。
しかしまあ、憧れはある。
店に入って、お酒(日本酒なのか?)となにか刺身を出してもらって、途中から握ってもらう。最初は白身がいいんだっけ? そんで貝とか小肌とかを挟みつつ光物に移って、あとはだんだん脂のあるものを食べて。dancyu曰く(くどい)軍艦巻きは海苔の風味が強いのでできるだけ最後のほうに頼んだりして、あとは穴子のような煮きりを載せたものも最後のほうだとか。
それで最後に「締め」の巻物を頼むわけだ。今の今まで発想がなかったのだけれど、かんぴょう巻きにワサビを多めに入れて食べると最後に美味しいんだってね。知らなかったよ。あと、いろいろ飲んで食べて、と言っても、1カンずつ出してもらうわけだから、それなら最後に巻物を食べたくなる気持ちもわかる気がする。根本的に食べ方が違うんだろうね。
ただまあ、気軽に楽しめるといってもそれなりのお値段はするわけで(7千円~)、まあ高級寿司のような時価の世界からすれば画期的で安価なんだろうけれどちょっとまだ市域が高いかなとは思う。
もう少し年を重ねればそういうところにたまに行くようになるのかもしれないし、誰かが連れて行ってくれるのかもしれないし、そういうのは定かではないけれど、そういうのはちょっと憧れるな。

でもまあきっと「憧れ」なんて言っているうちはまだまだなんだろうな。
とりあえず恵方巻を食べながら、イメージトレーニング……にはならないか。