言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

古い情報に価値がある時

東京ウォーカーが休刊するらしいというニュースを見た。雑誌としては休刊し、webサイトでの情報発信に切り替えていくのだという。もっとも、webサイト自体は2016年からあるらしく、特に気づかなかっただけでいつの間にやら目にしている物なのかもしれない。ほかの電子書籍類と同じ感覚で買って読めるとかなんとか、そんな感じらしい。
我が家には東京ウォーカーはない。というかたぶん買ったことはない。ところが読んだことはある。どこで読むのかと言えば、たいてい髪を切りに行ったときに渡してくれる暇つぶし用の雑誌の中に混ざっている。昔はNumberみたいなスポーツ雑誌ばかりだったけれど、いつの間にやら東京ウォーカーdancyuになっていた。
しかしまあ、自分で紙の雑誌を買うようなことは1年に1,2回あるかどうか。漫画はこのところKindleのアプリを使って読んでいるので、本そのものには多少お金を使っているけれど、雑誌はなかなかスマホで見るには相性が悪い印象で、AmazonPrimeの得点で無料で読める雑誌を1,2回なんとなく眺めたくらいでとどまっている。単純にスマホの画面が小さいからだと思うけれど、拡大縮小を強いられないというのは意外と電子書籍を快適に読むうえでは大事なことなのかもしれない。嫌いとかじゃなくて単純に面倒くさいというだけなので、案外画面大きなタブレットとかを買えば普通に読むような気もしている。
でもまあ、紙なら紙でそれだけが現物だからそれでいいんだろうけれど、電子化は電子化でいろいろ制約があって大変そうだ。一口に電子化と言ってもPC、スマホタブレットとそれぞれ様々な画面規格があるわけで、webページのデザインなんかと同じでいちいち対応していたらやってらんないよね、とは思う。

雑誌に限った話ではないけれど、古い情報が面白くなるタイミングと言うのは必ずあると思っていて、それが新しいものと比較できると面白かったりもする。古い情報には読み物としての価値があると思う。暇をつぶそうというわけではなくても思いのほか引き込まれるものである。
例えば飲食店に飾ってあったりする「東京ウォーカーに載りました」的な雑誌の切り抜き。乗っている情報を見て「この時はオムライス500円だったんだね」みたいな感じで、古い情報が載っていてなおかつ今と比較できたりすると面白いものだったりする。当時どうだったか、そんな紹介をされていたのか、というだけでも読み物として面白い。
雑誌以外だと、時刻表なんかがそうだろう。未だに「復刻時刻表」として国鉄時代の鉄道時刻表が売られていたりするけれど、当時はこんなに寝台列車が走ってたんだな、とか、何日かけて列車で移動していたんだろう、とか、そういった当時の情報がわかるというのは面白いもである。だからこそ売られている。
良く知っている土地の古地図なんかもそうだろう。同じ場所なのに川の流れ方が違ったり、現在陸地の場所が海だったりと、寺師わせることができるととても面白い。

単純に古い情報と言うのはあまり価値がないように思えるけれど、見方によっては古い情報にもちゃんと価値があるのである。だからと言って、個人レベルですべての雑誌のコレクションをしておこうだとかそういうことは無理だけれど、理由は何でもいいけれどたまたま家に残ったままだった雑誌かなんかを、何年かたって見つけてふと読むと面白いとか、そういうことはきっとあると思う。