言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

今季初襲来「蚊」


午前4時、耳元の羽音で目が覚める。不快な羽音。深い眠りから浅い眠りへ移行したからか、はたまたその羽音のせいか。羽音には心当たりがあった。夕方、机の上で仕事をしている時に1度、蚊が飛んでいるのを見つけていたからだ。その時は潰そうとして壁に手を打ち付けただけに終わった。空ぶったのだ。仕留めた感覚はなかったが、手だけが痛くなった。蚊の姿は無くなっていた。その時はそれだけで深追いせずに放っておいた。昨日は仕事が立て込んでいてそれどころではなかったのと、その1回だけしか姿を見なかったこともあって、そんなこともあったな、くらいの感覚でいた。
おそらくそいつが、午前4時と言う時間に再び姿を現したのである。
耳元の羽音というのは本当に不快なものである。なぜあんなに不快感と嫌悪感を掻き立てられるのだろう。午前1度目が覚めるというのは特別なことではないが、蚊の羽音で起こされるというのは実にいやな気持ちにされられる。
1度目はまだ夢を見ていたというか、うつらうつらとしているようなタイミングだった。その時はなんとなく顔の周りを払ったような記憶があって、でもそのまま眠ろうとしていた。
直後か、少し寝てからか、2度目の羽音。羽音が現実と認識するが、まだ起き上がりはせず、顔の周りを手で払う。その時に、右腕の手首の下あたりにかゆみがあることに気が付く。刺された。もう我慢ならない。そう思っているうちに3度目の羽音。これで完全に覚醒して、部屋の電気を付けて眼鏡をかけた。
そうこうしているうちに壁に張り付いている蚊を発見。昼間に見たのとおそらく同じ蚊である。あまり黒くなく、灰色と茶色の間くらいの蚊。蚊の種類には全く詳しくないけれど、真夏によく見る真っ黒で白い縞の入っているやつとはちょっと違って見える。なんか草むらとか藪とかにいそうなやつ。なるほどこいつかとしばし眺めて、叩くのにちょうどいいものが見つからなかったので、ティッシュの箱を手に取って成敗した。少し赤くなったのでたぶんそれは私の腕の血だと思う。無実の罪でも冤罪でもない。腕もかゆいし血も出たし、正当な処置だった。
そんなことをしていたら午前4時だというのに目が覚めてしまった。なかなか再度眠りに付けなくて、たぶん15分くらいはそのまま起きていたと思う。何せ外がまあまあ明るいのだ。カーテンがちゃんと閉まらないので、空の明るさがなんとなくわかるだけにもどかしかった。まだ2時間は寝られるので起きているわけにもいかず、かといってすぐに寝られず、そのうちどういうきっかけわからないが眠りに落ちた。

まだ5月であるけれど、そういえば夜になると外からは虫の鳴き声が聞こえるようになった。暖かい日もあるし、蚊が出てもおかしくはない。でもまあ家には出てほしくないし、寝ているときにあらわれるのは本当に最悪だ。耳元でいつまた羽音が聞こえるのかと思うとかなりのストレスだ。羽音で目が覚めるのは非常に不快だし怖くもある。しばらくは大丈夫だと思うけれど、これからは日中に蚊を見つけたら寝るまでの間に必ず成敗しておかないといけないな。
蚊のいない季節を経てまたこのくらいの季節になった時にはこうして油断しまくっているんだと、そう思わされたわけなんだ。