言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

家の音

 


地震が来ると、家がミシっと音を立てて揺れるような感覚がある。壊れそうだとか崩れそうだとかそういうことはたぶんなくて、家に何かしらの圧がかかるとこういう音がするみたいで、地震の時は、ミシっと音を立てた後それからガタガタと揺れ始める。P波とS波の関係なんだろうけれど、それでも何だろう、P波の縦揺れは縦揺れで別に感じたり同時に感じたりいろいろなので、揺れに対して家が呼応しているとでも言おうか、私にはそういった音に聞こえている。

面白いもので、風が吹いても同じように家がミシっと音を立てる。台風が来た時なんかが操舵。家が揺れているわけではないのだけれど、風が強く吹き付けてくるとミシっと音がして、それから窓がガタガタと音を立てる。この音がすると今日は風が強いんだな、なんて思うわけだ。台風でものすごい風が吹いたときは、ついでに網戸が動いたりするのでわかりやすい。外がよく見えるななんて思ったら実は網戸だけが全開になっていたとか、そういうことがよくある。ただまあそれくらいの強い風が吹いていると、何か物でも飛んできて窓ガラスに直撃するんじゃなかろうかとか、そういう方向に不安を覚えるものである。昨年の秋の台風の時なんかは、家も窓もミシっとしたりガタっとしたりとさすがに身の危険を感じるというか、大丈夫か、と不安になったりもした(土砂災害の警戒情報が出て、緊急速報が真夜中に流れたりして普通に怖かった)。そこまで行くと面白がっている余裕もない。

このミシっとする音だけれど、家のドアが開けられたときにも同じような音がする時がある。誰かがカギを開けて入ってきたときに、ドアが開いて気圧でも変わるのだろうか、これまたミシっと音がするのである。そして関係ないはずの窓が揺れたりする。なんか空気圧の関係なんだろうけれど、地震が来る時や風が強い時と同じように家が音を立てるのは面白いものだ。

ところがまあ、地震だろうと風だろうと人が入ってこようと同じような音がするので、たまに「今のは地震だったのか?」みたいな、よくわからない状態になったりもする。たぶん揺れたような、と思って部屋にひっかけてあるコートが揺れているかどうかを見たりして、ああ揺れてたんだな、みたいなよくわからない判定をしたりしている。

もっとも、それがわからない状態と言うのはたぶん全く問題ない場合なわけで、特に気づかなかった地震なんて、まあ気にする必要もないわけで。

でもまあ、何だろう。地震でもなく、人の出入りでもなく、もちろん風でもなんてことになったらそれはきっと心霊現象の類化、本当に家が危ないかだろうな。怖。