言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

いちご狩り

いちご狩りに行った。実に何年ぶりだろう。12,3年前くらいだろうか、伊豆のあたりでやったような記憶があって、ただまあイチゴを食べたことやバスみたいなやつで行ったことなんかは覚えているんだけれど、何分間だったのかとか、肝心のいちごの味がどうだったかとか、そういったことが全然思い出せないのである。ただただ「いちご狩りをした」という記憶が強く残っていて、私にとってのいちご狩りは「やったことはあるけれどあんまり覚えていない」ものだった。

いちごはもともと好きな食べ物の一つである。小さいころから好きだったような気がする。それと同時に「いちごって飽きるほど食べたことはないな」と思ったわけで。それならば、いちご狩りに出かけて飽きるほど食べてやろうじゃないかとまあそんな感じで思ったわけである。
何にしてもいちご狩りはいちごが食べ放題なのである。当たり前だ。実っている物をもいで(狩って?)食べるのがいちご狩りだ。それならば端から全部狩りつくしてやろう。くらいの気持ちでいちご狩りに出かけたわけだった。

今の時期のいちごはまだ出始めである。最盛期はもう少し後になってからということで、よく考えたら私もまだ今年のいちごを食べていない気がするので、図らずも今季初いちごがいちご狩りになるわけだ。スイーツの中に入っている物は年中どこかしらにあって食べている気がするけれど、それとこれとは別である。
多くのいちご狩りができる農園は1月頃からの開園だが、12月のそれも頭からいちご狩りの出来る農園を見つけてそこを予約した。観光バスが来るようなところらしい。観光バスたちはたいていお昼時に来そうなので(食事といちご狩りのセットというものがあるのでたぶんそれなんだろう)、微妙にそれを外して、11時頃に予約した。遠方であったので、農園から30分山の方に入っていったところにある温泉旅館に1泊してから向かった。朝ご飯は軽めに。朝風呂にも入った。

いちごのビニールハウスはかなり温かく、そして湿度が高めに設定されていた。いちごの旬は冬から春とされているけれども、本当は5,6月のもう初夏と呼ばれるような頃合いが旬の果物であるらしい。だからこうしてビニールハウスを用いて促成栽培が可能なわけだ。そんなわけなのにうっかりコートを着たままビニールハウスに入ってしまったのと、湿度で眼鏡が真っ白に曇ってしまったりとなかなかのスタートであったが、無事、十数年ぶりのいちご狩りに興じることができた。
いちごの実の付き方は面白いもので、一気に全部の実が熟していくわけではないようだ。だからまだ花が咲いているものと同じ株に(というか枝分かれした真横とかに)真っ赤に熟した実がついていたりと、様子がさまざまである。
熟した具合も本当に同じ枝(茎?)から分かれているのにバラバラで、赤く熟していてもそれが例えば熟しすぎていたりすると食べるのには抵抗があるし、逆にまだ緑の部分があっても良くない、なんていろいろ選ぶ余地があるのである。
最初の2,3分は目についていたものをずっと適当に食べていたが、それぞれ当たりはずれと言えるくらいの味の差があることがわかってからは、色つやの良いものを選んで食べるようになった。あとは巨大ないちごも結構あるのだけれど、なんというか大味なことが多いので、途中からは選ばないようになった。詳しい目利きはできないけれども、そういった消去法で選んでいって、食べ進めていくのは結構面白い。やっぱり色つやが良くて形がいいものが美味しいことが多いけれど、たまにいい意味でも悪い意味でもその予測が外れることがあって、後半になってそういう「はずれ」をひいてしまった時の虚無感と言ったらなかった。
そういえば飽きるほど食べたい、と冒頭の方で述べたけれども、結論から言えば10分くらいでかなり満足したわけだった。飽きるというよりも、味に慣れてしまってくる、といったほうが正しいだろう。はじめは久しぶりに美味しいいとごだな、とかいろいろ思いながらひたすら口に運ぶのだけれど、だんだん変化が欲しくなってくる。甘酸っぱくて美味しいいちごだけれど、途中で例えば何か塩気のあるものが欲しくなるのである。同じものを食べ続けるというのは案外大変なものだ。なので途中からはかなり見た目を選んではずれのないようにできるだけ選んで食べるようになったし、あとはずいぶん写真を撮ったりして時間をつぶした。授粉用にミツバチが放たれているので、よく花弁で蜜を集める姿を見ることができたのも面白かった。普段、外でハチを見たらまず逃げるけれど、温室で放たれているハチであればなんとなく安心して見ることができる。たぶん結果的に刺されている様子もないし、全身真っ黒な格好だったけれど大丈夫だったようだ(耳元でブンブンは音を立てるのは嫌だったけれども)。
いちご狩りの時間は30分。はじめは短いと思ったけれど、案外普通に持て余すくらいだった。よく考えたら食事で30分はまあまあゆったり食べられる時間だ。

紙コップを渡されて、そこに食べ終わったいちごの"へた"を入れていった。私は一応それがいっぱいになるくらいまで食べた。1年間で食べているいちごと同じくらいは食べたような気がしている。こんなにたくさん食べたのは初めてだ。
そういえばわんこそばの時にも似たようなことを思ったけれども、あっちは本当にひたすら満腹だったので、それからひと月くらいはそばすら食べなかった記憶がある。
いちごは案外大丈夫なもんで、一昨日見つけたいちごのスムージーをもう3日連続で飲んでいる。割と大丈夫なもんだな。


念願のいちご狩りはクリアしたわけだが、ほかに似たようなものはあるだろうか。サクランボ狩りかな? ちょっとシーズンまでに調べておこう。

 

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