言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

ミニトマト


私はミニトマトをよく食べる。

包丁を使わないでお手軽に栄養を摂取できる感じがしてちょうどいいのと、あとは単純に味が食べやすくて好きだからだ。あんまり酸っぱくなくて、どちらかと言うと甘くて味の濃いものが特に好きだ。なので、大きな普通のトマトとはまた別の野菜を食べているような、そんな感覚である。半分以上果物みたいなものだとさえ思っている。
土日の朝高昼だかわからないような時間に適当にカップ麺を作って食べる時に、ちょっと添えておくとなんとなく栄養バランスを補完してくれる感じがする。実際ミニトマトを3,4個程度食べたところでさして変わりもしないのだろうけれど、それでもまあ食べないよりは食べる方がずっといいだろうと思って添えている。免罪符のように扱っているので私は勝手に「免罪符トマト」とか呼んでいたりするけれどまあそれは余計な情報か。


そんなミニトマトだけれども、今年の夏はどうも近所では上手く手に入れることができない日が続いて、先日ちょっと久しぶりにこれは、というミニトマトを見つけることができるまでずっと食べていなかった。
大きな要因はスーパーに足を運んでいた時間である。22時とか23時とかのスーパーではさすがに生鮮食品は大したものが残っていない。納品日であってもイマイチなものが並んでいたりする。
ミニトマトの場合はまず気を付けなければならないのがカビである。私が好きな甘くて濃厚なタイプのミニトマトは大抵良く熟した状態で店頭に並んでいるので、その分傷みやすい。よく見て買わないとカビていたりすることは普通にある。透明な袋かパックに入って売られていることがほとんどなのでちゃんとみようと思えば見れるのだけれど、それでも稀に買ってきて家で開けたらカビている部分が……なんてこともたまにある。厄介な問題だ。
カビはまあ見てすぐにわかるので「ちゃんと見ておくんだったな」という感じになるわけだが、カビと違って少しわかりにくいのは、水分を失ってしなびてしまっているミニトマトである。これはそのまま食べると美味しくないし、何よりちょっと時間が経ってしまっているような感じがしてあんまり食べたい気持ちにならない。水分を失っているだけなので水につけたりちょっとだけお湯をくぐらせたりと工夫すればそれなりの状態に戻すことはできるのだけれど、買ったその日からなんとなくしわしわになっているのは明らかにハズれである。
時間帯が悪いとミニトマトはなかなかいいものに巡り合いにくくなる。
7月から9月の中旬にかけて毎日忙しくて夜中にしか買い出しに行けなかったこともあって、「これなら買わなくてもいいか……」とミニトマトコーナーを何度スルーしたことか。ようやくひと段落ついてまともな時間(早ければ19時、遅くても21時)にスーパーに行けるようになったのでやっと、まともなミニトマトを買うチャンスが増え、晴れて食卓にミニトマトが復活したというわけである。


ミニトマトは年中スーパーで売っているので旬が分かりにくいが、北海道あたりから出荷されるものに限れば今頃が旬だったりする(出荷は9月の方が多いようだが)。トマトと言うと夏野菜なイメージが強いけれど、高温多湿に弱いので最盛期は夏ではない。熊本産のミニトマトは5月に出荷最盛期を迎えるので、旬と言えるのは、春から初夏の時期と秋……ということになるようだ。
そういうわけだから、今なんとなくミニトマトのコーナーは夏よりも充実している気がする。
夏よりも早い時間にスーパーに行っているからというだけではなく、ちゃんとよく並べられる季節ということだ。


そういうわけで今、新鮮で旬なミニトマトが食べられてなんとなくいい感じだ。
季節でない時はちょっと高いけれど絶対甘いことのわかっているミニトマトばっかり食べていたのだけれど、今は小さくて真っ赤に実が詰まっていて見るからにおいしそうなミニトマトが並んでていて嬉しい限りである。半ば義務のように食べているものかもしれないけれど、やっぱり美味しいに越したことはない。美味しくなくて、でも栄養のために……と無理して食べるのは続かない(私の場合)。だから、美味しくて助かる。
欲を言えば年中同じものがあればいいのにな……と思うのだけれど、そこはまあ植物であるから季節によって差が出るし、栽培される品種が違うのだから仕方がない。それでもちょっと高くて糖度補償みたいなミニトマトを選べば失敗はないから、結果だいたい大外しはしないで済んでいる。
困っているのはカビとしなびている場合だけだ。

新鮮なミニトマトは、へたをもいだ時に独特の香りがして好きだ。昔小学生の時に学校で育てていたミニトマトの苗を思い出す。他の野菜とかはまともに育った記憶があまりないのだけれど、トマトはちゃんと育って実をつけ、何度も収穫をした。あの時の茎とか葉っぱからしていた匂いがすると、たまらなく懐かしい気持ちになる。