言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

冬の朝の、空の青さ

冬の朝の空と言うのはとても青い。あのぴんと張りつめた冷たい空気の中で、空の青さは一段と綺麗に見える。
夏の青空もまた美しいが、冬の空の色はそれとはまた違った味わいがある。夏が白と青のコントラストだとすれば、冬はその濃い青さそのもの。輪郭のくっきりとした、澄み切った青と言うのは冬の空にこそ当てはまる。私はそんな冬の空が好きだ。

冬の朝は起きるのが辛い。寒いと布団からなかなか出たくなくなるものだ。我が家は南東向きに窓があるから、毎朝日差しが差し込んでくる環境にある。それでも特に部屋が暖まるようなことはなく、むしろ部屋の中であるというのに冷気に支配されてさえいる。これが夏ともなれば、逆にさんさんと降り注ぐ太陽光のおかげで、クーラーを付けずにいるとあっという間に蒸し風呂状態だ。世の中非常にままならない。夏は暑さで起こされ、冬は寒さで布団から出られない。朝は得意ではないからこそであるが、出来れば快適に過ごしたいものである。それも年がら年中。でもまあ、こうして四季折々ああだこうだと好きだの何だのと言えるのは、季節があるおかげなんだけれども。

そう言うわけで、冬の朝そのものは特に好きだと思った事はないが、冬の朝に見る青空はとても好きだ。なかなか布団から出られなかったことで急いで駅まで歩いて行かなければいけなくなったとしても、上を向いて歩きたくなるものである。
冬はどうにも下を向いて歩きがちだ。寒くて縮こまってしまうからだろうか。マフラーに顔をうずめてしまいたくなるからだろうか。でもその日が綺麗に晴れた青空であったら、私はつい顔を上げたくなる。寒さで白くなった息を吐きながら、冷たい空気を肺の中に取り込みながら。


気になって調べてみたのだが、冬の空が青いのは、乾燥していて湿度がないからだという。湿気が邪魔をしてしまわないために鮮明に空が見えるのだ。なので、星空は夏よりも冬の方が鮮明に見える場合も多いという。
さらに、太陽光というのは太陽の高度にも影響を受けるものである。日が暮れると空が赤くなる、つまり夕焼けというのは太陽の高度が低いからあのような色に見えるのであるわけだ。逆に昼間は太陽が高い位置にあるので空が青く見れる。

だから、冬の朝の空と言うのは、青よりも少し濃い、ややもすれば紺色のようなくっきりとした青い色を見せてくれるのである。冬は日の登りが遅い。人間は毎日同じ時間に出かけるかもしれないが、季節によって日の出日の入りの時間は変わるものだ。
なるほど面白い。冬の「朝」が綺麗だ、と言うのも別にあてずっぽうなことではないということだ。今日もまた一つ賢くなってしまった。