言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

ゲリラ豪雨と雷


久々にゲリラ豪雨に遭遇した。車を運転しているときだった。いい天気の夏空広がる海沿いを快調に飛ばして、途中で目に付いた道の駅で休憩した後のことだった。
北海道、オホーツク海沿いの出来事である。

道の駅を出ると、頭上は相変わらずの快晴だった。少し涼しいと聞いていたはずだったが、真夏のオホーツクは意外と暑かった。30℃はなかったっと設けれど、少し歩くと照り付ける日差しに少し汗ばむくらいの、そんな陽気である。湿気は本州のそれとは違ってあまりなくて、暑いけどまあまあ快適だな、なんて思いながら車に乗り込んだ。
国道には定期的に電光掲示板が設置されていた。道路情報とか、気象情報とか、何もないときは「国道に異常があったらここに電話してね」みたいな番号が表示されていたり、あるいは運転マナーとかの注意喚起に使われているものだ。
私はその日ずっと網走のほうから紋別方面に走っていたのだが、「網走西部雷注意」「紋別南部雷注意」という文字がずっと表示されていた。ところがまあずっと快晴だし、一応見てみた雨雲レーダーも特に反応はない。ずっと快晴。大気の状態がどっかで不安定なんだろう、くらいに思っていた。雨が降らないで雷だけ落ちてきたらそれはそれで怖いななんて思いながら運転していた。


そうしたら、突然奴はやってきた。
進行方向の空が、急に灰色になった。北海道特有の長くまっすぐな道をそうこうしていたので、遠くまで非常に見通しがいい。ずっと青空だったのに、急に灰色の部分が出てきたのだ。うわ、なんだあれ、と思ううちに、強烈な光が一本、灰色の空から地面へ走る。10秒ほどたって地鳴りのような音。
雷だ。雷である。
車を止めて雨雲レーダーを見ると、いつの間にか雨雲があった。しかも直径5kmくらいの範囲だけがきれいに真っ赤になっていた。赤は雨の強さである。青、緑、黄色、そして赤。赤が一番雨脚が強い。その赤だけがレーダーに映っていた。10分前の予報に戻せるのでそれを見てみるが、赤い部分どころか雨すら観測されていない。今まさに突発的に発生したのだ。

まさにゲリラ豪雨である。しかも雷を伴うような、強烈な。
道路の見通しがいいだけに、雷が落ちていくさまがよく見えてすごく怖かった。それに、そのゲリラ豪雨区間に向かって車を走らせているというのも恐怖である。

これはやばいと思って進行方向を雨雲のほうから変え、近くの温泉付きの道の駅で休憩してやり過ごすことにしたが、時すでに遅し。道の駅に着く直前に、大粒の雨が降ってきてしまった。ワイパーが間に合わないほどの雨である。普通に運転しているだけで危ないので、とりあえずほかに車もいないしゆっくり走って、なんとか道の駅に着いた。雨の切れ間を見計らって道の駅の温泉に突入する。
露天風呂にいるときは幸いさっきまでの雨なんか嘘だったかのように晴れたのだけれど、車に戻ろうとしたらまたバケツをひっくり返したかのような雨が降ってきた。
実に夏っぽい。けどまさか北海道の、それもオホーツク海側でゲリラ豪雨に遭遇することになるとは思わなかった。あと雷は遠くで落ちているのを見るのも普通に怖い。

9月に北海道で遭遇した、夏。