言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

旅館のご飯が食べたい病

定期的に旅館のようなところでご飯が食べたくなる。もちろん泊まりで行った場合の話だ。たらふく食べても、たらふく飲んでも、そのまま遠くに向かったり家に帰ったりしなければならないのは少し面倒だ。

旅館はできれば港町がいい。白いご飯に味噌汁、に付け、お刺身、あとはちょっとした珍味みたいなものがあると良い。お酒も頼む。1人なら冷酒を1本くらい頼むのでちょうどいいくらいだろう。それを適当に、行儀がよくはないがテレビでも見ながらゆっくり食べるわけである。数人で行ったならばなんやかんやと会話をしながら食べるのが良いが、1人だと話し相手はいない。ぼんやりゆっくりしながら食事をするのもたまにはいいじゃないか、なんて思いながら食べ進める。
旅館の夕食は18時とかやや標準より早い時間で食べることができる。というか否かに行けばいくほど早くなるような気もしている。前に行った宿は17時半で自動的に食事が用意され、その15分前には部屋の内線電話が鳴って食事の準備がもうすぐ出来ると知らされた。ゆえに食べる時時間はとても長い時間用意されている。流石に民宿のせっかちなおばあさんも、いつ食べ終わるのかと急かしには来ない。だから私はゆっくりと、おひつに用意されたご飯が空になるまで3杯も4杯もお代わりして食べ進めて行くわけである。おかずも含めてなんとなくもったいないな、と思ってしまうからついつい食べ過ぎてしまう。港町のおかずはとてもご飯やお酒との相性が良い。塩辛あるいは酒盗に類したものがあれば最高だ。催行過ぎてそれだけでひたすらご飯が食べられる。夕飯でなくても、朝食でも同じだ。ご飯のおかずは正義である。何ならその日のうちに家に帰るのであれば、要冷蔵の品も工夫してお土産を買って帰るまである。

港町がいい、と言ったが、山の中の旅館というのもそれはそれで良いものだ。季節が良ければアユやイワナなんかの川魚を楽しむことができるし、山菜などの山の幸も良い。ジビエ料理なんかも最高だ。先日秋田県阿仁合という所で1泊したが、クマを使った料理を食べることができてとても良かった。ただこの地域は本当にクマのよく出るからこその「マタギの里」であって、備え付けの温泉の露天風呂は外から動物が入ってこれないように高めの壁に覆われていたりして面白い。や、面白い、じゃ済まないことにならないように何だろうけれど。
真夜中に入りに行ったら周囲に明かりもないし、背後の旅館の建物以外は本当に真っ暗で、こりゃあクマも出るわな、なんて思ったりもしたわけである。日帰り入浴客が多いからか露天風呂は夜も朝も貸切で、良い思いをさせてもらった。少々値は張るがまた行きたい場所の一つである。
山の中、それも秘境じみたところはこういった他にはない良さが見られるからこそ面白い。食事面でこれほどのアドバンテージはそうそうないだろう。

こうして文字に書き起こしているだけでも、口の中に唾が溢れてくるのを感じる。ああ、また食べたい。そのためだけに出かけたい。1度行ったことのある場所でも、そうでない場所でもいい。昼は適当に、それなりに観光でもして、早い時間に昼飯も済ませて、万全の状態で宿に向かうのだ。温泉なんかがある宿もまたよし。食後、酔いがさめるまで待つ時間だってたっぷりとある。部屋に少しお酒やつまみを用意していて、風呂の後にまた1杯やるもよし。

ああ、美味しいご飯のためられる宿に行きたい。ハイシーズンじゃない、なんでもない土日に、ふらりと出掛けたい。