言葉のリハビリ場

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ライブ会場の話


先週末は某所で行われたライブに行ってきた。会場は普段体育館として使われている場所だった。
ライブ会場(あるいはコンサート会場)というのは結構柔軟に設営することができるようだ。Zeppのようなライブハウスタイプのものは定番だが、公会堂のようなホールでのライブにも参加したことがある。展示場タイプの平坦で広い会場や、それからもっと大規模なものだと野球やサッカーのスタジアムを使った会場などもある。需要によってかなり幅広く会場は選ばれている印象で、その括りの中の一つに体育館というものも含まれている。

体育館というのは基本的には小学校から高校、場合よっては大学でも授業でお世話になるような場所でもあるため、誰でも想像ができる施設だろう。もちろん学校に付属している体育館の場合スタンドや座席などは大抵存在しないだろうけれど、茶色の板張り風の床などは公共の体育館であろうと基本的には同じである。だから、ライブ会場になっていない日の体育館に行くと、初めて行く場所でもなんとなく馴染みがあるというか、学生時代の事を思い出したりするものだ。
野球場でライブを見に行った後日に野球を見に行っても特にそこまでギャップのようなものを感じたりはしないのだけれど、体育館の場合はその「お馴染み感」のせいか、かなりのギャップを感じたので面白かった。

今回参加したのは、金・土の2Day公演のライブだった。日曜日に暇があったので、ライブと関係なく再度会場を訪れて普段の様子を見に行ってみたのだけれど、ちょうどバトミントンか何かの大会をやっているところだった。予定表みたいなものから詳細を調べると、どうも中高生や大人も混ざった地元の大会のようで、前日ライブを開催していたとは思えないようなあまりにも普通の体育館がそこにあった。扉が解放されていて中の様子をちらっと覗くことができたが、中は普通に体育館だった。


前日まで床は黒いマットが敷かれ、いわゆる「アリーナ席」と呼ばれるパイプ椅子等で仮設する座席があった場所は、普通に体育館のあの床になっていた。ステージはもちろんないし、天井の照明も普通に明るくついている。スタンドと床の間に黒い幕は貼られていないし、音響用の設備もない。まあそうだ、体育館なんだから、これが普通なのだ。でも前日、前々日までのことを思うとなかなか衝撃的ですらあった。
ライブ会場の設営を考えている人や実際にそれを実行するスタッフというのがいかに偉大かというのがより一層分かった気がする。そもそも会場ごとに形状が異なるわけで、ライブツアーなどでいろいろ回る場合は都度検討しなおしていると思うとなかなか大変な仕事だ。プロってすごい。会場を借りられる期間も最低限の時間で決められているだろうし、短期間でいろいろ用意して実施して即撤収するというのはノウハウがいくらあったとしても大変そうだなと素人ながらに思う。
我々観客は指示されたスペースに行けばいいだけなので楽なものである。いつも楽しませてもらって感謝しかない。

たまたま見ることができただけだが、普通の体育館とライブ会場とでギャップが新鮮で面白かった。普段こういった会場にライブ後の状態を見られることはほとんどないので、ラッキーである。

本当に昨日ここでライブを……? という感じでしばらく前日の配置などを脳内で反芻しながらしげしげと眺めてしまった。

 

そう言えばこういったライブ会場の設営・撤収のバイトというのは結構広く募集されている印象だけれど、そういうものはこれまで経験ことがなかった。野球場やサッカー場売店とか誘導、チケットもぎりみたいな業務はやったことがあるけれど、その場所を作る自体のことはあんまり興味がなくて触れてこなかったのである。体力勝負で大変な職場だからと言うのを聞いていたのはあるが、今思えば一度くらい体験しておいても良かったかもしれない。……今からでもたぶん別にやろうと思えばできるんだろうけれど、ちょっと自信がないな。
でもなんか、多くの人の手で一つの大きなものを作っていく、ということのはなんとなく憧れのようなものを感じる。まあきっとそれは普段の仕事とかでも見出せるものなんだろうけどね、きっと。