言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

春とミツバチ

気が付けばも3月も終わりで、すっかり春の陽気だ。まだ少し冷え込むような日もあるけれど、春が来ているといって差し支えないだろう。
桜はすっかり満開だし、それ以外にも雑草に混じっていろいろそのあたりでも花が咲いているのを目にすることができる。冬にも咲く花はあるが、やはり春の方がそのあたりで自然に咲いている花は多い。

あしかがフラワーパーク」という花のテーマパークがあるけれど、あそこは入園料金の欄に「花の咲き具合により料金が変動します」と書いてある。3/31までは400円~900円、4/1からは800円~2000円という具合にだいぶ余裕を持たせた形になっていて面白い。昨日(3/29)は800円だったそうだ。年間を通して同じ料金だと、内容にだいぶ差があるからということなんだろうけれど、こんな変動料金制をとっているテーマパークも珍しいと思う。
ちなみに私は真夏の一番安い時期に行ったことがあるけれど、花があまり咲いていないならいないで展示を工夫していて面白かった。水を使った放水イベントをやっていたり、昆虫を展示するスペースがあったりと「フラワーパーク」からはやや外れるものの普通に面白い施設に格安では入れたような感じがあってだいぶ満足した記憶がある。その代わりめちゃくちゃ暑かったが。
これからの季節に行けば最低でも800円かかるというわけで、逆にどんなすごい花が待っているんだろうという興味はある。というか本来の姿はそちらの方なんだろう。私はひねくれているので最盛期以外の場所に足を運ぶのが好きだけれど、正しい姿もいつか見てみたい。遠いのでそうそういけないのだけれど。

花はいいのだけれど、花が咲くと寄ってくるハチというのは非常に苦手な存在だ。
野生として存在する虫はそもそも好きではない。展示されていたり、映像の向こうのものはどうということはない。というかまあ、自分が絶対に安全なところで見る虫の類は好きな方だ。先日も休みの日にぼんやりとスズメバチの駆除動画なんかをいろいろ眺めたりしていた。昆虫を食べるような動画なんかも昔から結構好きだし、実際イナゴとかは普通に食べたことがある。生きている状態でこちらに危害を加えてきそうでなければまあいいかな、と思っている。気持ちが悪いとかじゃなくて、危害を加えられたくないとかそういう所にラインがある。
今くらいの季節になると、花、特に芳香のあるものや蜜の多いものにはハチが寄っていくところを見かける。私は避ける。花に寄っていくような小さなミツバチや、あるいは刺さないアブのような虫でも、とりあえず避ける。スズメバチとかでなければさほど心配する必要はないのだとわかっていても、避ける。
実際、別に刺されことがあるわけではないのだ。ただただイメージ先行で怖い。
軽井沢なんかにいくと蜂蜜にハチが入っている状態で売られていたりするが、正直普通に動き出しそうな感じがあって嫌だ。なんであれ、ハチごと入っているんだろう。
よほど前世か何かで嫌な目に遭ったのかもしれない。

「美しいバラには棘がある」なんて言ったりもするけれど、バラじゃなくともハチが群がっていたらなんでも怖い。
昔、人の家に遊びに行ったとき、綺麗で立派なランが咲いたということでそれを見せてもらったことがあった。なかなか高級な品種だったようでずっと室内で育ててきたそうなのだけれど、花が咲いたタイミングで外に出すという。じっくりと見せてもらった後で、外に出して、それからしばらく忘れていたのだ。時間を置いた後ふと気になってまた外を覗いてみたら、めちゃくちゃにハチが群がっていて腰を抜かした。1匹や2匹ではなく、数十匹が固まって花にぶら下がっていてそれはもう本当に驚いた。私は窓越しに見ていただけだけれど、これはもう二度と窓を開けられないんじゃないかと思ったほどだった。
あとから調べてみるとどうも分蜂中に一旦とどまっていただけのようなのだけれど、普通は軒先とか木の下とかに集まるものらしい。花に集まるということは別の何かがあるはずだと思ってさらに調べると、ランの仲間にはミツバチを誘引する成分を発するものがあるという情報にたどり着いた。
そういうことか、とようやく合点がいった。キンリョウヘンというランの仲間は、ニホンミツバチを誘引する効果があるらしい。一般的なセイヨウミツバチは誘引されず、ニホンミツバチだけがやってくるというから面白いものだ。

まあ面白いのは面白いのだけれど、実際に目の前でそれが行われるというのはなかなか怖いものがある。大量のミツバチが窓を隔てた向こう側にいるなんて、普通に怖くて嫌な光景だったことをよく覚えている。窓があったからこそ見ていられたけれど、(絶対にないが)突き破ってきたらどうしようとか隙間から入ってきたらどうしようと気が気ではなかった。

そんなわけで私はハチのことは苦手に思っているが、もうすっかりそういう季節になってしまったということだ。まだあまり見かけないけれど、これから見かけて私が過剰に回避行動をとっているのを見てもどうか笑わないでほしい。