言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

謎アレンジのひな祭りの曲

気が付けば3月だ。まだまだ冬だと思っていたのに、ここ数日でだいぶ暖かくなってきている。かと思えば夜は意外と冷え込んだりして、昨日はそのせいで朝から血の巡りが悪く、頭痛が起きていた。暖房とかもう別に要らないだろうと思っていたが、必要な時間帯も朝方にはあった。枕の上の方に置いてあるスマホがだいぶ冷たくなっていたから、結構寒かったのだろう。我が家はそうでなくとも割と寒くなりがちな部屋だ。季節の変わり目ほど体調を崩しやすいというし、多少我慢できるだろうと思っても油断せず暖房を使っていきたい。ちょっとケチって体調を差し出すのは元も子もない。

体調の話はともかく、昨日は3月3日ということで、ひな祭りだった。スーパーに足を運ぶとこの手の行事というのは結構意識する機会が多い。ちらし寿司は買わなかったけれど、それ用にたくさん売っていた刻み穴子は買って食べた。うなぎじゃないけれどひつまぶしみたいにして食べると美味しい。手が届く価格帯だから穴子は余計に助かる。別物ではあるけれど。

どういうわけだか私のよく行くスーパーはやたらとひな祭りに向けて気合が入っていて、今月に入ってからはだいぶひな祭りを意識させられた。
スーパーというのは店内放送が流れているものだ。全体に向けて流れているものと、それからそれぞれぞコーナーに置かれているようなスピーカーやテレビから流れているものがある。メーカーが力を入れているものであれば、商品単品のモニターなんかもあったりする。スーパーはそういうこともあって普段から結構にぎやかだ。
今月はそのにぎやかな音声のほとんどが、ひな祭り仕様になっていた。ひな祭りの音楽のアレンジがどのコーナーに行っても流れている。全部が全部ひな祭りの曲で、全部が全部同じアレンジだった。どのコーナーに移動しようが、同じアレンジの今日がひたすらに流れているというのは……そこまで行くと耳障りですらある。いや、もう普通に耳障りだった。
ひな祭りの歌というのは別に嫌いじゃないし、子供のころから体に染みついているから、ああもう3月なんだな、と季節を感じていい感じの気分になる。なるけれど、問題はアレンジの方だった。短調じゃなくて長調のアレンジがされていた。それも単純に長調に置き換えたわけじゃなくて、なんだかよくわからないが「欲しいところで欲しい音の来ないひたすらむず痒い」だけのひなまつりのBGMが延々と流れているのは結構辛い。元の曲を知っているからこそ「こう来るだろう」というところで音が来ないのは結構嫌なものだ。すごく力が抜ける。
困ったことに3月に入ってから3日間そのスーパーに通ってしまったがために、ずっと聞かされて嫌な気分になりっぱなしだった。普通に短調のひな祭りの歌を流してほしかった。普通で良かった。

……というか、ネットで普通に「ひなまつり 長調」とかで調べるといろいろ長調アレンジのひな祭りの歌が出てくるわけだが、聞いてみるとどれも深いじゃないんだよな。逆にスーパーで流れていたあの謎アレンジの曲はどれだけ探しても出てこない。なんだったんだ、あれは。
とりあえずもう今日からは聞かなくて済むと思うといっそ晴れ晴れした気分。

スーパーで聞かされた曲は散々だったけれど、ひな祭り自体には全然悪いイメージはない。悪いのはあのスーパーだけだ。
こういった行事は季節を感じる物差しになっていい。体感では結構季節とどんどん図絵れて行ってしまうのだけれど、節分だったりひな祭りだったりと、日付をぱっと思い出せる行事があるとそうかもうそんな時期か、と季節の移ろいとの感覚のずれを直すことができる。目ではちゃんと日付を意識しているけれど、季節感だけはたいてい後ろにおいていかれてしまうのだ。今日が何曜日か、休日まであと何日か、とかそういうことばっかり意識しているからなのかもしれない。