ポテトサラダ

ポテトサラダって確かにサラダの一種であることは間違いないんだけれど、野菜が食べたくて食べるにはあまりにじゃがいもなので、野菜を求めている時のサラダのイメージとは合致しない。けれどもついつい食べてしまう。それがポテトサラダだと思っている。
ポテトサラダだけで食べるとそれはサラダというよりはちょっとおつまみ的な、でもおかずではないというちょっと不思議な立ち位置になったりもする。ジャンルはサラダとかおかずとかつまみとかそういうものというより、ジャンルからして「ポテトサラダ」だという感じさえある。これがジャーマンポテトとかになるともっと付け合わせに寄っていく感じもある。マッシュポテトとかもそう。ジャガイモって付け合わせだよね、なんて思わせてくれる存在。でもなんというか、ポテトサラダはなまじサラダと名乗っているのもあって、まあ付け合わせてき立場なのはそうだと思うけれど、どうもポテトサラダはポテトサラダだよなという気持ちにさせられる。
芋だからボリュームがあるし、少し足すにはすごくいいんだと思うけどな。ああ、でも何だろう、おしゃれなところに行くとポテトサラダもいっぱいいっぱい野菜が入っているタイプのもあるよね。かぼちゃとか根菜類とかをたくさん入れて、サラダの方にすごく寄せてくるやつ。あれはあれで好きだけれど、往々にして買うと高い。
まあだから普通のポテトサラダを食べるんだけど、この間、高そうな寿司屋がお昼にテイクアウトのちらし寿司を出していて、一緒にポテトサラダも売ってたから食べたんだけれど、あれ、ちょっと値段は高かったけれどすごい美味かったな。寿司屋が本気でポテトサラダ作ったらこうなるんだ、的な衝撃。白髪ねぎがピリッとしていてすごくいいアクセントになっていた。
寿司屋で、それもカウンターしかないようなところでポテトサラダを食べるイメージがなかったけれど、こりゃすげえな、という気持ちになった。

会社に行っている時は昼ご飯を外食というか店に入って済ますことが多いけれど、週に1回くらいは近くのスーパーで弁当を買ってきて自分の座席で食べることがある。そんな時、弁当の他にサラダを一緒に買ったりするんだけれど、そういう時に良く選ぶのが、サラダの上に丸く盛り付けられたポテトサラダが乗っているものだ。
ドレッシングというのは別に嫌いではないしかけるときはかけるのだけれど、あんまり使わない方だと思う。けれども、サラダはさすがに生のままだと味気ないので何か味を足して食べたい。そういうときに、ポテトサラダが乗っていればああこれでいいじゃないか、となるわけである。
サラダではあるがご飯とおかずの考え方に近いかもしれない。サラダを食べるためにポテトサラダを使う、みたいな、そんな感覚になる時がある。ポテトサラダはとどのつまりマヨネーズと胡椒の味であるわけだら、これはそこまでおかしなことではないと思うのだけれど、どうなんだろう。
とんかつ定食を食べるときはキャベツにもソースをかけて食べたりするんだけれど（やっぱりドレッシングは使わない）、その時に、一緒についてくるポテトサラダに少しソースがかかってしまうのもまたおいしいと思う。積極的にかけるわけではなくて、ちょっとだけ、うっかり、といった形でかかるくらいでいい。別にかからなくてもいい。まあそんなもんなんだけれど、ポテトサラダにソースってのも結構合うと思う。元から味の濃いものに味を足すなという感じはあるけれど、でもまあほら、コロッケにソースを付けて食べる延長線上にあるような、ないような、ともかくそんな感じなんだと思う。
え、別皿に載って出てくるって？ それならまあ普通にそのまま食べるよ、そこにはうっかりも何もないからね。

そういえば、お弁当の中にも結構ポテトサラダの存在は目にするけれど、一緒に温められてしまって何とも言えない温度になってしまっているポテトサラダというのも結構あると思う。つけものとポテトサラダに温めはいらないと思うけれど、特に取り出さないので「お弁当温めますか」「はい」でもうレンジでチンなわけである。
まあそういうぬるくなったポテトサラダも嫌いじゃないけどね。普通に食べられるし。あったかくなってしまった漬物というのもそうだけれど、ああいうのを食べると「弁当を買ってきて食べている」感がすごくなる。いいとか悪いとかじゃない久手、買ってきた弁当を食べているんだなという感情になる。いやまあ買ってきた弁当を食べているんだからそりゃそうだという感じなんだけどさ。

こうしてみると、結構意識せずにポテトサラダをずいぶんたくさん食べていている物である。ついつい手が出るのもあるけれど、一緒についてくるとか、そういうパターンが多いような気もする。メニューに載っていない存在というか、気が付くと一緒にいる存在というか。
いいよな、ポテトサラダ。結構好きだな。