言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

残業して帰っている夜

このところ帰りが遅い。ビジネス街とは言え、居酒屋とかそういう店を除けば、例えば洋服を売っているような店とか、いろんな地域のアンテナショップだとか、そういうものはもうとうに閉まっているような、そんな時間である。

定時にでも上がって帰ればそういった店にちょっと寄り道をして買い物をしてから帰る事も出来よう。現に今履いている靴はそうやって買ったものだ。仕事終わりに靴屋に入って靴を買う。実に有意義な時間の使い方だと思う。

仕事が終わった(終わったというよりもその日の分終わったことにして帰った場合)ことによる開放感も相まって、財布の紐はついつい緩んでしまうものだ。案外休日昼間に悩んで悩んで買わなかったりしたものとかでも、勢いで買ってしまったりするものである。特に悩んでいた理由が価格についてであればもうそれは勢いで買ってしまうわけだ。前の日とかも残業して残業代もついているし、例えそれが反映されるのが翌月の給与だとしてもなんとなく悩むことなく買えてしまうのである。免罪符というか、罪悪感の軽減というか。本当に節約している時は危険だと思う。

 


それでまあ、このところ帰りが本当に遅い日ばかりだったので、そういう浪費はちょっとご無沙汰していた。寄り道するくらいなら早く帰ってご飯食べて寝ないと翌日に響く。どうせコンビニとか居酒屋を除けばみんな店はシャッターが閉まっていて入れやしないのだから。

そういう日が続くと感覚が狂うものである。普通に残業しているのに、今日はずいぶん早く帰れたな、とか思ってしまう日がある。絶対的ではなく相対的に考えてしまうのだ。まあ忙しい日が続いたときほど、ちょっとした休みやゆとりが嬉しいものである。忙しい日が見せてくれる魔法のようなものだ。

 


しかし、魔法はあくまで魔法でしかないので、急に現実を突きつけられると簡単に「落ちて」しまうものだ。

 


閉店時間の早い店というのはいくつか存在する。その中の一つが開いていたら、ああ今日は早く帰れたんだな、なんて思っていたのだが、この間「ちょっと早く帰れたな」と思った日に店が開いているのを見て、やっぱり今日は早いんだな、と思って嬉しくなった。嬉しくなって、ついうっかり腕時計を見て、急に違和感。

あれ、そんなに早くない。

 


後から調べたら店の閉店時間が長くなっただけだった。

私はいつも通り。店がいつもより遅くまで開いていた。そういうことか。

いつも閉まっている店がまだ開いていた。早く帰れたのかなと思って時計を見たら、その店の閉店時間が長くなっただけだった。

いつも音楽が鳴流れている商店街がやけに静かに感じたら、もう音楽を流す時間じゃなくなっていただけだった。

最近家の近くにできた19時半閉店の店は中に入ったことがない。

いつも閉店した後か、下手すると夜中の納品の様子を見る。

 

そういうもんだと思っててもなんとも物哀しいものである。

できればもっと早く帰りたいものだ。