言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

駅構内のそば屋との再会

駅構内の飲食店と言えば、やっぱりそば屋だろう。 手軽に食べられる、 ちょっとした待ち時間に利用するような存在である。 ホームの上とか、コンコース上とか、 そういうところに立地しているので、 利用したことはなくても毎日目にしているという人は多いのではな いだろうか。
最近は通勤経路にそういった店がないのでとんと利用していなかっ たが、 昔利用していた店がリニューアルオープンするという広告を見て、 ふと、懐かしい光景が脳裏に浮かんだのである。
その店は駅のそば屋にしては珍しく、 かつ丼を扱っている店だった。意外と駅構内、 それも改札内の店でかつ丼は売っていないことが多い。 調理が手間だし、そば屋と言えば基本は天ぷらである。 それからコロッケ。 とんかつはトッピングとしてはそばの上に載ることはまあ少ない。 「かつそば」というジャンルは存在するけれど、レアな存在。 それはそれで食べてみたいけれど。だから天丼とか、 かき揚げ丼とかを扱っている店は割とある。 でもまあ駅構内だと基本はご飯ものはほとんど見ないような気もす る。カレーライスやおにぎりとか、そういうものが多いかな。
それでとにかく私の昔行っていた店は、 駅構内のコンコースにあった。
頼むのはかつ丼である。確か500円くらい。 大体どこもそんな感じのような、そうでもないような。 ちゃんとしたそば屋で食べると1000円くらいするけれど、 ちゃんとしたそば屋でかつ丼は頼まない気がする。 昔は頼んでたけど。 駅構内の半分立ち食いで半分椅子のあるようなそば屋だけれど、 ちゃんと美味しいかつ丼だった。
そばとセットにすると700円くらい。 そばにミニかつ丼が付いてくる場合とかつ丼にミニそばが付いてく る場合とがあるけれど、この店は後者だったはず。 かつ丼の方がメイン。
私はよくざるそばとセットにして食べていた。 お腹の空き具合によって、かつ丼だけにすることもあった。 利用する時間はいつも夜で、 家に帰るより前に何か食べたいというときによく利用した。 たまに閉店時間に間に合わないようなときもあって、 そういう時は明かりの消えている店を一応眺めてみたりして。
いつでも来れるけれどいつでも開いているわけじゃなくて、 いつでも来れるけどいつでも私のタイミングが良いわけでもなくて 。

何度か、かつ丼ではなくてかき揚げ丼にしてみたこともある。 それも普通においしかったけれど、 やっぱりかつ丼の方が好きだった。何度となくかつ丼を食べた。

そんな店が4,5年前だろうか。 駅の改装工事に伴って閉店していた。 気が付いたら店のあった場所はもう白い工事現場の囲いの中にあっ て、特に今後再開するとかのメッセージもなく、 ただ普通になくなっていた。 その頃にはもうその駅はほとんど利用していなかったので、 店から足が遠のいていたけれど、なんともさみしいような、 古い友達を失くしたような、そんな気持ちだった。
チェーン店なので沿線の別の店舗に行けば同じものを食べられるの だけれど、そういったタイミングもなく。

すっかり店のことも忘れていたのだけれど、 最近どうもその店が復活するらしいということを、 駅に貼ってある広告で目にしたのだ。 実に4年半ぶりのことだと言う。 なんだか懐かしい気持ちになって、 いつもとは逆方向になるのだけれど、 ついまた行ってみたくなった。 毎日通っていた頃が懐かしいものだ。 毎日通ればちょっとした変化にも気が付くものだけれど、 こうしてもうたまにしか通らなくなると、 本当にたまに通った時にふと気が付くと大きく変わっていて驚くも のである。
別の店舗に行ったことはあるけれど、かつ丼は食べていなので、 実に5年ぶりくらいになるのだろうか。
古い友人に再会するのはなんとも良いものだ。

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