言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

記念硬貨の使い道

 

先日、ひょんなことから記念硬貨なるものを貰った。
天皇陛下御在位30年の記念の品だそうで、表記の価格は500円。販売価格も500円。500円のものを500円で販売しているのだから非常に健全である。商売としてはどうなんだか知らないけれど(差益的なものが存在するのかどうかなんて知る由もない)、実際に500円として使うこともできるという事から考えてみても非常に妥当な処置なんだと思う。500円玉を500円以上の値段を付けて公的な機関で販売することは、500円玉の500円という価値そのものを歪めているような気がするので、まあそういうものなのだろう。

そんなわけで記念硬貨を頂いたのだけれど、いったいぜんたいどうしておいたら良いものなのかが思いつかないのだ。これがもし純金製とか純銀製とかの高価格な代物であれば、購入と同時に展示や保管用の入れ物が付いてくるのであろう。新聞に掲載されている広告なんかで目にしたことがある。でも500円のものにはそれがない。いやあったのかもしれないけれど、いかんせん貰い物なので本当にはいよと手渡しで素のまま貰ったような状態なので何もない。どうしたらいいのかわからなくてとりあえず今は机の上に置いてある。袋とかに入れてしまい込むのが良いのか、それともどうにかして飾ったりした方が良いのか分からないのである。

選択肢はもちろんそれだけではない。500円の記念硬貨であるので500円の価値が保障された硬貨であるという事は既に述べたわけだが、ではこれを飾ったり保存したりせずに使ってしまうという選択肢ももちろんある。
あるけれど果たして使うような事があるのか、そもそもどこで使用出来るのか。

日銀(日本銀行)のHPではちゃんとその辺の解説もしてあるので気になる人はぜひ読んでみて欲しい。書いてあることをざっくり要約すると「普通の500円玉と同じように使えるけどATMや自動販売機なんかには入らないし、お店でも受け取り拒否されるかもしれないから銀行と可で換金してね」だそうである。
確かにATMや自動販売機、あとは食券機だろうと券売機だろうと皆入れられる硬貨の指定がなされているものばかりである。自動化されているものは基本的に1円や5円ですら使えないことが多い。お釣りの問題というのもあるし、機械自体がイレギュラーに対応できるようになっていない。
レジなんかもそうで、自動化されたレジではほぼ使えないだろう。レジスターを手動で解放できる(お釣りの補充をしたりイレギュラー対応をするため)ものがほとんどだろうけど、まあ記念硬貨を受け取ってもらえる気はしない。自分が店員だったら戸惑うと思う。いくら価値がちゃんとある硬貨だとしても、それが本物かどうかなんてわからない上に、銀行で入金する手間とかを考えたらまず受け取らないだろう。

しかしどうしても受け取ってくれ! 使わせてくれ! となったらいったいどうすればいいのか判断出来ないかもしれない。「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」で有名なのは「貨幣は、額面価格の20倍までを限り、法貨として通用する」(第7条)という項目だけど、記念硬貨は1枚だし実際受け取り拒否ができるのかというと良くわからない。詳しく調べてみると前述の法律の第5条に記念硬貨も貨幣として認めるという記載がしっかりあるものの、通貨がもつ強制力というのは取引や契約上で無制限に発揮されるものではないという話もあり(主に民法上)正直良くわからないのが実情だ。だから本当に使いたいと思ったらまず比較的公的な機関として銀行に換金をお願いしに行くのが手っ取り早いということであろう。
そうまでして使いたい、使わなければならないという状況が恐ろしいが、いつどこで必要になるかわからないのがおだと思っているので、一応覚えておこうと思う。

ただまあ、記念硬貨を日常生活で使おうだなんて思う事はたぶん来ないので、どうやって取っておくかを考えておくことにしよう。
ちなみに私の祖父は焼のりを食べた後に空いた缶の中に硬貨をたくさん貯め込んでいる。記念硬貨も多分一緒に入っている。
それは一体どうなんだろう。