言葉のリハビリ場

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叙々苑弁当と景品の思い出

この間、ストリーミングで配信されたイベントを映像を見ていたら、「舞台稽古の差し入れが某高級焼肉店の弁当だった」という話がちらりと出てきた。「某高級焼肉店」というからにはおそらく叙々苑の弁当だろう。もっとも手ごろな価格のものでも2100円となかなか素敵なお値段がするものなので、大勢に差し入れとして配るという意味では結構な費用が掛かっているんじゃないかな、なんて余計なことを思ったりするわけである。お弁当としては自分のお金で自分のために買う、というのはなかなか想像できないくらいの値段だと思う。
そんな叙々苑弁当だが、私は過去一度だけ食べたことがある。
学生時代のアルバイト先(ドラッグストア)で販売コンクールがあり、そこで入賞したとか何とかで、店舗スタッフ全員に叙々苑弁当が提供されることになったのだ。化粧品会社かなんかの提供だったので私はほとんど販売していない気がするし、何ならそのアルバイト先に入ってまだ2,3ヶ月くらいだったのでそこまで頑張れてもいない下っ端時代である。たぶん、化粧品に強いスタッフが多かった、というのと、店長が頑張ったとかそういうことなんだろう。
それにしても入賞商品として叙々苑弁当が全スタッフの人数分提供されるとは太っ腹である。しかも、出勤日時に合わせて頼んでよいという仕組みであったので、注文したらちゃんと任意の食べたい日の休憩時間前には届いたし、なかなかの厚遇だった。
食べたのは確か、カルビ焼肉弁当だったと思う。肉がでかくて柔らかかった。2900円を自分で払って食べていたらまた感想も違った可能性はあるが、貰い物なら全く気にならず、ゆっくりと堪能させてもらった次第である。今思えば、売り上げに対してずいぶんキャンペーン用の費用が出せたもんだな、とか、予算をうまく取り付けたんだな、とかいろいろ思うわけだけれど、叙々苑弁当のために頑張って販売したわけなのでメーカーにとってもそこそこ販促効果というのはあったんだろう。少なくても私の店では叙々苑弁当を勝ち取るために結構頑張ったんじゃないかな。
こういった販売促進用のキャンペーンとして、メーカー主催のコンクールというのは結構な頻度で開かれていたけれど、景品は大抵お菓子の詰め合わせである。これはこれでそこそこ嬉しいものだけれど、さすがに叙々苑弁当の前では霞んでしまう。
というかどう考えても叙々苑弁当は経費やら手間やらを考えても太っ腹すぎるのだ。こういうのってもちろん会社に拠るけれど、納入する商品の価格(つまり販売価格の6割の値段とか)のうち5%くらいまでなら経費が出せる、とかそういう感じでキャンペーン用の予算が組まれたりしているはずなので、例えば100万円分商品を仕入れても、経費としては全部で5万円とか、そういう感じになるわけである。そこにはもちろん商品の販促物の価格もまた含まれていたりするわけで、お試し用の配れるサンプル費用とか、店頭に置いておく試供品だとかも経費のなかにあるとすればなかなかシビアなもんである。例え上位入賞10店舗にお菓子を配るのだって1つ千円だとしても1万円なわけで、なかなかどうしたら叙々苑弁当が配れるのかわからないものである。
ひょっとして、叙々苑弁当にありつけたのは私のいた店だけなんじゃないだろうか、なんて思ったけれど、実際そんな感じだったのかな? だとすると、私以外のみんな結構販売頑張ったのかな……。

そういえば、こういった景品の一つに、お菓子ではなくて個包装の梅干しがもらえたことがあった。お菓子だと思って食後に封を切ったら梅干しですごい驚いた記憶がある。一粒数百円の高級梅干しである。美味しかったけれど、できれば食事中に気づきたかったな。甘いものでも食べよう! と思ったときに梅干しが出てくるのはなかなか衝撃である。でも美味しかったな、梅干しも。