言葉のリハビリ場

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電車旅行に終電はいけない

鉄道旅行のいいところは、自分で運転をしなくていいところである。だからなんだと言われそうだが、眠ければ寝ればいいし、ぼんやり外を眺めてもいいし、別にスマホに目を落としていてもいいのだ。楽で良いではないか。
車での移動は嫌いではない。むしろそれも良く行う。でも交代要員のいない一人旅で車オンリーはなかなか疲れる。特に帰り路が辛い。自宅の近くで車を借りて出かけていたこともあったが、砂金は専ら現地近くの比較的大きな駅で車を借りるようにしている。日光に行くなら宇都宮で、西伊豆に行くなら沼津で、阿仁合に行くなら大館で。疲労度が段違いである。車を返してそのまま帰るか、あるいは1泊して少し駅の周りでも観光して帰ればいいから気分的にも良い。レンタカー代はもとより高速料金やガソリン代は複数人ならば問題ないが一人では負担が大きい。なら電車で寝て帰ろうではないか。そういうことである。
こういう時、電車でも車でもない交通手段が選択肢に出てくる人はちょっと普通ではない「すごい人」だ。原付とか、自転車とか、徒歩とか。下手すればその行為だけでお金が取れるレベルの人さえいる。知り合いには山を縦走しながら狩猟生活してる凄まじい人もいてその人はもはやそれが本業だったりする。私には流石にそこまでのバイタリティはない。歩くのはぎりぎり分かるがそれも観光地を巡ってせいぜい1日3万歩弱で限界だ。生来私は脆弱に出来ている。疲れたら休むし辞めるだろうし。

鉄道旅行は非常に楽である。鉄道に揺られて目的地まで座っていればいいから。たまに座れなくても別に満員で詰め込まれているわけはないし特に気にはならない。どうせ観光地についたら歩くし、どうせご飯を食べたり休憩したりするんだから。
ただそんな鉄道旅行に付き物なのは天候との戦いである。特に大雨は難しい。どこがどういう理由で運休になったり遅延したりするかわからないからだ。線路そのものが流出してしまったりすればその日運転できないどころの話ではなくなるが、これは事前にわかるし代行バスが出ていたりするから案外なんとかなる。困るのは突発的な豪雨。あるいは強風。豪雪。酷いものだと酷暑によりレールがゆがんでなんてのもある。予測ができない。都会ではなく本数の少ないローカル線でそう言う事が起きると致命傷になりかねないから大変だ。

先日東北方面に旅行した際にもやられてしまった。陸羽西線がそもそも先の豪雨で運休しており、さらにこの日降った雨によって山形県鉄道路線が完全に麻痺。私は福島から山形を経て、秋田へ抜けるルートを探っていたが結局いつ動くかわからなくなってしまったために急きょルート変更を強いられた。福島から仙台を抜けて盛岡の手前北上から秋田南部の横手という街に出る超大周りルートだ。福島を朝7時に出て秋田に着いたのは結局18時。昼ごはんを食べるタイミングは乗り換えの30分待ちだけであり、駅舎の外に出られず。流石の私も10時間普通列車に乗りっぱなしになるのは少しばかり堪えた。雨でまったく外の景色が見えなかったのも痛かった。

まあトラブルを含めて鉄道旅行であるという感じは否めない。電車は遅れるものだし電車はしばしば運休するものだ。だから私は旅行中は始発で動く事はあっても終電で動く事は極力しない。計画段階で終電は候補から外す。手前で宿泊する。
私は東海道本線の始発小田原行きが遅延した時に、駅員に「この電車が5分遅れたせいで目的地にたどり着けない、どうしてくれるんだ」と食ってかかる旅行者を見たことがある。あれはいけない。駅員は悪くないし、そもそも始発が終電になるような旅行計画こそ間違いである。