言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

「ビジネス」ホテル

ビジネスホテルをビジネス以外で利用するのは実に良い。というか、ビジネス利用をするのはあまり嬉しくない、ということでもある。むしろそっちだ。ビジネスホテルという名前でありながら、私はビジネスで使うのはほとほと嫌になってしまっている。
1日限りの出張ならまあ何とも思わないが、それなりの日数を重ねるとなると問題は深刻だ。
チェックイン時間15時からこれは特に問題ない。どうせ着くのは夜だったり、これより早くについても荷物くらいは預かってくれるし、旅行でもビジネスでも変わりはない。チェックアウト10時は何とも言えない。というかほぼ関係ない。仕事ならどうせ10時までホテルに居られるはずもなく、さっさと支度をして出かけなければならないからだ。

ホテルは泊まる所であって、生活の場ではない。だからあの狭いユニットバスでも良くて、だからあの微妙な幅の狭い机であっていいわけで、短い時間だからこそ許されているわけであって。ビジネスホテルを拠点に4泊5日で仕事でもしようもんなら、それこそ体調にはっきりと支障が出てしまうから嫌なのだ。

昨今のビジネスホテルは非常に清潔だし、サービスも充実している。例えば少々値は張るがドーミーインなどでは大浴場完備で部屋もトイレと洗面台が別になっている貴重なホテルだ。これは朝の支度をする際などに便利だし、洗顔料などを忘れて行ったしまう危険も少なくなる。あとまあトイレと一緒の設備は使いにくいという意識的なものもある。コンフォートホテルやアパホテルなんかは設備としては普遍的だが、普遍的ゆえにそつがなく良い。コンフォートホテルは特にベッドと枕の感じが私の好みと合致しており、定宿にしていたくらいだ。スーパーホテルなんかも部屋に上がる時は靴を脱いで上がる仕組み(リラックスして欲しいと言う心遣い)だったりして、なかなか良いなぁと思ったりもする。東横インやルートインはやや古い設備の所はあるが、全国どこでも同じようなサービスを受けられるのは他のチェーンと遜色ない。ややマニアックだがヴィアインはほぼ駅チカで非常に便利だし、マンテンホテルなどは地方板ドーミーインといった趣があり、これも設備として充実している。

だからこそこれらは非日常的な旅行にて利用したいのだ。あわただしくホテルに帰ってきて、残った仕事をしながら過ごし、翌朝もそれなりに早く起きてともすればゆっくり朝食などは摂れず(例え無料朝食であったとしてもだ)に過ごす、ビジネス的な使い方は非常にもったいない。もったいないし、まあ一日だけだからな、という旅行的な考えが使えないのでとてもやりにくいのだ。

あとこれはもう本当に個人的な事情だけれど、花粉症の季節などは外泊はなかなか覚悟がいる。当たり前だが、部屋を清潔にするために、清掃の時には窓を開けて空気の入れ替えをするだろう。シーツやタオルなど洗濯物は業者に頼むだろうからいいとしても、部屋の扉も窓も全開で掃除するのだから、環境は外と限りなく同等である。これは花粉症患者にとってはじわじわ来る。

繰り返すが1日使う程度ならどうという事はないのだ。日常的に使うから辛いのだ。乾燥で喉は傷めやすいし、ベッドや枕の合わないホテルはそれだけで神経を使うし、あと椅子1つをとってもずっと使っていると支障が出るのは外出先ならではだ。インターネット環境もまた同じで、ホテルの回線が速いかどうかは完全に運だし、大抵遅い。プライベートならそこまでしてPCを使わないししたくなったらネカフェでも行けばよいのだが、仕事は別だ。ビジネスホテルそのものは決してビジネス向きではない。電話もしにくいし。

はっきり言って、私はビジネスホテルが好きだ。だからこそビジネスではあまり使いたくない。
しかしながら、各種特典など大抵ビジネスホテル業界では「泊った回数」が特典の対象であるから、じれったいのである。特典のために泊まるのか。泊まるから特典が付くのか。しかし10回止まれば1回無料なのは捨てがたい……などという具合に泥沼にはまっていくのである。