言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

温泉とボードゲームの夏

 友人たちと旅行に行く機会があった。車を出してもらって伊豆は雲見温泉という場所を訪れたのだが、平日だったこともあり、人がほとんどおらず、のどかで「休暇」の感じを味わうには最適な場所だった。

 夏に温泉に行く、というのはどうだろう。個人的には、汗をかいても洗い流せるし、寒くないから露天風呂にもずっといられる快適さが好きで夏にも行くのだが、世間一般からしたら印象的にはどうなのかイマイチわからない。もし尻込みしている人がいるのだとすれば、この場を借りておすすめしたい。夏こそ温泉と。

 地域にもよるが、昨今の温泉宿には民宿であろうともエアコン完備であることが多いため部屋の中に入ってしまえば快適に過ごせること間違いない。外で汗をかき、温泉で汗を流し、ほてった体を部屋で凉ませる。その後にでも夕飯をいただくようにしておけば、もうこの上ない贅沢となろう。風呂上り、涼しい部屋で一杯やりながら地元ならではの料理に舌鼓を打つ。これをバカンスと呼ばずして何と呼ぼうか。

 であるからして、夏のレジャーとして温泉旅行もまた一興なのである。

 

 これはたまたま以前にもこの雲見温泉に泊まったことがあるため感じたことだが、どういうわけか雲見の民宿は料理を出す時間が早いのである。基本的に17時半には夕飯となり、下手をするとそれより前から早く食べに来ないかと催促される。田舎というと語弊があるが、故郷のおばあちゃんのような感じを想像してもらったらわかるだろうか、基本的にちょっとおせっかいというか、気にしたがりなおばあちゃんが多い印象である。

 となると遅くとも18時半くらいには夕飯を食べ終えてしまうため、夜が暇になるわけである。そこで我々が手を出したのがボードゲームであった。想像しやすいところでは、フィールドにコマを進めていくタイプのものや、単純なカードゲームなどで遊んだわけだが、どれもかなり頭を使うし単純かつ奥が深いものばかりで、長い夜には最適だった。この日はやらなかったが、推理ものはかなり頭を使うし、相談しながら謎を解いていく形式でわいわい遊ぶのには最適なのであるこれもおすすめである。温泉宿とボードゲームの相性は抜群、気が付けば夜遅くまで遊んでしまったように感じられるものの、スタートの時間が早いのでたっぷりと遊ぶことができる。

 翌朝は大体7時くらいと少々早めの時間にモーニングコール(特に頼んでいるわけではなく食事ができたと勝手にならされる)をいただき、朝食を食べ、部屋でダラダラとしてから宿を出る。寄り道をしながら帰ればさらに充実した時間を過ごすことができたように感じられるので良い。

 そもそもの目的が「温泉旅行」であるがゆえに、変に気張ってあれもこれも観光しなくては、という気負いがなくて良いのも温泉旅行の魅力の一つである。メインディッシュがどっしりと構えていてくれるから、昼間ダラダラ過ごそうが、変に観光しんきゃ、次はどこに行こう、行き忘れはないだろうか、などと思ってしまう必要がないのである。

 

 夏こそ温泉旅行。そしてボードゲームをして過ごすのはいかがだろうか。普段いかないような渋い温泉宿に足を運んでみるのも一興、いつも通っているような行きつけの場所へ向かうのも一興。暑い夏を乗り切るために少しゆっくり過ごしてみてはいかがだろう。