言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

俳句など詠んでみる


 蛍火を 掬ひて恋の 邪魔をする

 これは、石川県の辻本直子さんという方の俳句だ。伊藤園が主催する「第二十八回 お~いお茶新俳句大賞」の都道府県賞の入賞作品であり、実際に販売されているお茶のラベルにも掲載されている作品だ。
 私がこれを知ったのが知り合いのTwitterアカウントで、実にいい句だなぁという思いと、そういえば俳句を詠んだことはなかったなとの思い付きで、ついつい真似をしながら創作をするに至ったので、その記録として掲載したいと思ってこんな記事を作ったわけである。
 以下、延々と拙作とコメントが続くので、暇な方は読んでいってほしい。
 なお、ほとんどの作品は上記の知り合いの質問箱に匿名で投下したものであるので、ここに掲載することで「詠み人知らず」ではなくなってしまうわけだが、まあ、このブログはどこのSNSアカウントにも公開されていないので、もし何かの縁でここへたどり着くことがあれば、素直にうれしい限りである。


 蛍火を 掬いて恋の 色を知る

 とりあえず、言葉を選んで違うものに置き換えてみた。「邪魔をする」の茶目っ気やいたずら心、嫉妬心などの遊びを抜いて普通の作品になってしまった感は否めない。

 蛍火を 掬いて恋の 痛み知る

 一文字変えるだけでもなかなかに印象は変わるものだ。「色」よりも「痛み」の方がわかりやすいかもしれない。
 元作品に比べれば遊びが足りないというか、いかにもな印象なので、このあたりでオマージュではなく「蛍」「蛍火」に絞って創作をしてみた。

 とまあこんな勢いでついついたくさん詠んでしまったわけなので、以下雑多に掲載する。
 
 蛍火の いとか細きは 生命かな

 蛍火の 照らす貴女の 火照り顔

 夕まぐれ ひとつまたたく 蛍火よ

 あけぼのに 消ゆる蛍火 夢のあと

 秋雨に 忘れがたきは 蛍かな

 蛍火が 揺れて薄らぐ 暑さかな

 水簾に 蛍飛び込む 夏の夜

 釣鐘に 蛍袋が 首垂れる

 新月や 蛍の死骸 踏みつける

 川面に さざ波立ちて 蛍散る

 朝露に 忘れ形見の 蛍かな

 蛍火の 揺れて消ゆるは 流れ星


 青嵐 通り過ぎ行く 花唇かな

 艶やかに 燃ゆる彼岸の 曼珠沙華

 故郷の 鯖味噌色の 夕日かな


 詠んでみて思ったのは、俳句を詠むこともまた列記とした文学表現であるということだ。この限られた文字数で、いかに表現するか。
 なかなかに面白いので、きっとしばらく個人的に俳句創作は続くのでないかと思っている。
 いつかまた、どこかに晒せる日が来れば良いが、まあ、それはおいおい機会があれば、くらいにとどめておきたい。

 ちなみに個人的に一番気に入ってるのは、鯖味噌の句である。