言葉のリハビリ場

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賞味期限切れの卵


しばらく忙しくて食生活が適当になっていたせいで、卵の賞味期限が切れていたことに気が付いたのは期限から2日後の事だった。とはいえ、卵の賞味期限というやつは別に過ぎてしまってもそんなに問題はないものと聞いている。生食するのはさすがに無理がありそうだが、ずっと冷蔵庫に入っていたし、加熱すれば食べられるだろうと判断し、私はゆで卵を作ることにした。
卵焼きとかでもいいのだけれど、頑張って何か作るほど元気もなく、ぼんやり茹でて放っておけるという点からゆで卵になった。煮卵にするとかもなく、本当にただのゆで卵である。
前回煮卵を作ろうとしたときは半熟感があったほうがいいなということもあり時間をきっちり計って茹でたが、今回は賞味期限切れの卵の消費が目的だったので、何にもこだわらずに作った。沸騰してから12分茹でて、でもタイマーが鳴ってもすぐに火を止めたりせず適当に待ってから止めたので、正真正銘の固ゆで卵ということになった。
食べてみたら黄身までパッサパサの固ゆで卵で、なんだかちょっと懐かしいような気分になった。なんでだろう、と思ったが、昔ながらの洋食屋のオムライスとかについてくるミニサラダに乗っかっているあれだ、と気が付いて合点がいった。サラダのついでで掛けられたドレッシングと一緒に食べるあれ。そう思うと、塩を振って食べるととにかく普通のゆで卵だけれどパサっとした感じが口に残るような気がした。半熟気味に作ると黄身のところが液状でないにしてもちょっとしっとりしていて、あれが塩味と混ざっていい塩梅になるわけだが、パサパサの固ゆでだと口の中の水分が持っていかれるだけである。
何か掛けて食べてみるか、と冷蔵庫を覗いてみたが、最初に頭の中に思い浮かんだマヨネーズやケチャップと言ったものがなかったので、適当に目に入ったソースをかけて食べてみた。
ゆで卵にソースをかける発想はなかったが、例えばハンバーグの上に乗っている目玉焼き、のように、似た味付けどうしの組み合わせは存在するわけで、まあ行けるだろう、不味くはならないだろう、と思ったわけである。
食べてみた感想は「あー」という感じ。いやもう本当にただただ「あー」という言葉しか出ないくらい、普通に、想像した通りの味だった。卵にソースをかけた味。1 + 1 = 2 の味。相乗効果とかは特に感じられなくて、本当になんて言うか、味が足されたな、という感じだった。だから、「あー」という感想しか出てこなかった。
たぶん、目玉焼きとかならもう少し感想は変わるだろうな、とも思う。目玉焼きにソースをかける派の人というのも居るけれど、黄身が固まり切っていない状態で食べるのとでは味の感じ方が変わりそうな気がするな、と固ゆで卵のソース掛けを食べながら思った。

まあ賞味期限が切れているからちゃんと過熱して食べたけれど、やっぱり私としては卵は完全に固まり切ってしまう前のほうが好きだ。目玉焼きにしろ、ゆで卵にしろ、パサパサの状態よりはちょっとしっとりしているほうが好きだし、目玉焼きであれば半熟で湯部スト黄身が垂れてくる状態のほうが好きである。

ただし、卵焼きの類はちゃんと固まっているもののほうが好きだ。焼き目のついた甘辛い味のお弁当のおかずみたいな卵焼きが好きである。オムライスの上とかなら話は別だが、卵焼きはちゃんと焼いてあるもののほうが好みに合っている。
そういう意味では、余裕さえあれば賞味期限切れの卵は卵焼きにして食べるほうが私にはあっているのかもしれない。

一番は期限が切れる前に食べるのがいいんだけれども、買ってきてすぐに卵かけご飯でもしない限りは、フライパン等で調理の必要な生卵ってちょっと忙しい平日なんかは面倒くさいんだよな、調理するの。