言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

交通系ICの呼び方


キャッシュレスの時代が来ている。たぶん。少なくとも私にはガッツリ来ていて、ApplePayに登録している電子マネーのiDを普段のコンビニとかの買い物で活用しまくっている。あれはクレジットカードをApplePayへ登録したら勝手にiDとして使えるようになっただけのものなのだけれど、思いのほか便利で助かっている。
でもまあキャッシュレス決済の活用は今に始まった話ではなくて、例えば交通系ICカードなんてまさにキャッシュレス決済の王道中の王道である。もともと電車やバスなんかに乗る時に改札をスムーズに通過できる代物だけれど、いつの間にかあらゆる店で使えるようになっている。非常に便利な存在だ。

交通系ICカードは昔、該当する地域でしか使えないものだった。それが、今では例えばJR東日本区域で使えるSuicaを北海道に持って行ったとしても普通にIC対応の改札で使えるし、チャージだって普通に券売機で同じようにできる。
私は関東圏の人間なのでPASUMOSuicaを使うのだけれど、5,6年くらい前だろうか、関西に行ったときに初めて関東圏以外でSuicaをかざして改札に入れたときに、ある種の感動を覚えたものである。それまでは関西なら関西の対応のものでないと共通で使えなかったので、旅行中は都度切符を購入したりと面倒だった。逆もきっとそうであっただろう。自分の地域でしか使えない、他地域に出かけたら紙で切符を買う。そういうものだった。
昔は最寄り駅でだって当たり前に切符を買って電車に乗っていたのに、ICでのタッチに慣れてしまうと切符の購入なんて煩わしく感じられるのである。
切符を買ってうれしい気持ちになるのは旅行用のものを買っているときくらいだろうか。そうでなくても、今は誰かの見送りのためにホームにだけ入る時とか、駅構内にある蕎麦屋に入りたいとかそういった特殊な用事で入場券を買ったり、あるいはIC改札に非対応の地域(無人駅とか)を訪れる時に買うくらいしか機会がない。めったにないので逆に貴重ですらある。

そういうわけで全国で相互利用できるようになった交通系ICカードだけれど、関東圏でもSuicaPASUMOと種類が分かれているように、地域ごと、鉄道事業者ごとなんかでいろいろな種類のICカードが存在し続けている。東京都内でも例えば東海道新幹線JR東海の管轄なので、改札を入ってしまえば売店でもTOICA表記だったりする。
普段決済時に「Suicaでお願いします」とか「PASUMOで」と言ってしまうけれども、目の前にTOICAと書かれていたら、なんとなく「Suicaで」ではなく「交通系の……」と微妙に言いよどんでしまったり。東京駅や品川駅なら別に大したことはないけれど、先日は小倉駅で買い物をしたときはJR九州の「SUGOCA」と福岡地下鉄の「はやかけん」、西鉄の「nimoca」、それから北九州モノレールの「monoSUGOCA」が頭に浮かんで、やっぱり「交通系の……」とまあ微妙な感じでもやっと言い淀んでしまった(福岡は1県内で種類が多すぎるのも笑うけれど)。
別に「Suicaで」と言っても通じるだろうけれど、なんとなく目の前の表記に引きずられるというか、逆に自分が店員で「はやかけんで」と言われたら一瞬戸惑いそうな気持もあっての「交通系の……」という発声である。
どうやって言ったら一番スマートなんだろう。