言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

ポップコーンをつくる日


この間北海道に行った時に、お土産にポップコーンを買った。既にはじけているものではなく、まだコーンの状態のものである。電子レンジで出来るタイプらしく、なんか昔こう言うのやったよな、と懐かしくなってつい買ってしまった。

お土産としてポップコーンは優秀である。もちろんはじける前のコーンの状態のもののことだ。まず第一にかさばらない。これはすごくいい。例えば北海道に行くと有名なところだと「じゃがポックル」があるけれど、あれは美味しいしお土産として人に揚げても喜ばれるのでそれは良いのだけれど、結構かさばるのだ。かといってつぶしたりもできないし、過剰に圧をかけでもしたら粉々になる。これはまあ「白い恋人」でも同じだろう。お土産って結構繊細なものが多いけれど、ポップコーンは全くかさばらないし潰れるとかそういうことがない。そして軽い。
温度管理だっていらない。冷温だろうが何だろうが別に問題ない。よほど熱かったらさすがに変質するかもしれないけれど、それならたぶん何を買ってもダメだ。

北海道土産としてとうもろこし(とうきび)系のお菓子は普通に定番品であるので、ポップコーンが売っているのも普通に理解できるし説明もしやすい。だからまあなんかもう持って帰るスペースはほとんどないけど、面白そうなお土産がちょっとだけ欲しいな、とかそういう時にそっと買うのがベストである。私の場合は適当に買いすぎて普通に手持ちのバッグに入れていたので、帰ってきてから2日くらい本当に存在すら忘れていた。それくらいコンパクトかつか付くかさばらないのである。

 

ポップコーンを自宅で作る、と言えば、私にとってはフライパンみたいな形をしたアルミホイルで包まれている、直接火にかけるタイプのものが真っ先に思い浮かぶ。小さい頃、おっかなびっくりコンロの前でやった記憶があるけれど、結構派手な音がするので怖いのだ。
フライパンに直接コーンを入れて、フタをする形でポップコーンを創ったこともあったと思う。あれもなかなか良い音がするものだった。
そしてどちらも出来たての温かい状態のポップコーンが楽しめて、結構美味しいのでハマっていたような記憶がある。それもまあいまにして思えば一瞬のブームで終わってしまったけれど、なにかきっかけがあったような気がしてならない。思い出せないのだけれど、こがしてしまったとか、あるいはなんかもっと面倒くさいことになったか。当時もそういえば電子レンジで調理できるタイプの商品が存在していたような気がするけれど、それを家でやったようなうっすらとした記憶はあるもののほとんど記憶になく、それも何かあったからこそ思い出せないのかもしれない。

そういうわけでとにかく若干もやもやが残るとはいえ、せっかく買ってきたお土産ということで、説明書通りに造って食べてみたわけである。
電子レンジに入れて2分くらい放っておけば出来上がり、という優れ物である。味もちゃんと塩味が効いていて美味しかった。それよりもなによりも、家の中が映画館の入り口付近みたいな匂いになってしまったのは笑ってしまった。ポップコーンって食べるのは久しぶりなのに、食べるより前に映画館だ思ったのが面白かった。


ところで電子レンジ調理のせいなのか、調理時間のせいなのかわからないのだけれど、けっこうはじけずに残ったコーンがあった。たぶん入っている半分以上ははじけずにそのままだったようだ。元々ポップコーンにならずにいくつか残ってしまうのは普通にあるにしても、それにしても半分以上残ってしまったのは何だかもったいなかった。

……ので、それをそのままフライパンにあけて、再加熱を試みたのである。油をひいてフタをして加熱すればまあ出来るだろう、と適当に待つこと数分。はじける音が聞こえてきた。でもまあ元々はじけ残ったものだからかかなり鈍い。かなり粘ってみたがぜんぜん音が活発にならないのでフタを開けてみたら、まあほとんどがこげているか、はじけているけれど真ん中が真っ黒にこげているかの2択になっていた。世の中そういうものである。欲をかくと失敗する。ふたが透明ではないタイプだったのも災いした。

ポップコーンは普通に作った方が美味しい。そういうことだ。
今度リベンジしたいからどこかで買ってこよう