言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

冬至

この季節どうしてもクリスマスに意識が行くが、明日はそう冬至なのである。日の出から日没までが一年で一番短い日、つまり一年にで一番昼間の短い日というわけだ。
お風呂にゆずを浮かべてゆず湯としたり、カボチャや小豆、群馬ではこんにゃくを食べる日でもあるという。結構地域の色のある行事であるが、これが特に日本だけでなく諸外国でも冬至(winter solstice)という言葉はあるし、ヨーロッパでは冬至にはお祭りになるという。

ユニークなのは中国の北の方で、冬至の日はみんなで餃子を食べるという地方もあるらしい。中身にお金を仕込んでおいて、それを引き当てた人は幸福になれるとか何とか。いろいろあるもので面白い。元々は羊肉と唐辛子や生姜などの香辛料と共に煮込んだものを小麦粉の皮で包んだのが餃子の始まりで、冬至に餃子を食べれば凍えなくなるという話が伝わって広まったという。

ここからが本題。「冬至」という呼び方についてずっと気になっていることが1つある。それは南半球ではどう呼ばれているのか? ということである。

季節が逆である南半球では夏真っ盛りである。一年で一番昼間が長い。じゃあ昼間が長いのだから夏至と呼べばいいのだろうか? それとも冬至冬至で季節だけは夏だということになるのだろうか?
明日を冬至と表現すべきか夏至と表現すべきかは諸説あるらしい。暦はあくまで北半球の視点で付けられている。なので、全世界的に冬至の日はこの日である、と定められている。時差もちゃんと加味されていて、今年のイギリスでは冬至は21日に迎えることになっていて、そこから9時間加算して日付をまたぐので明日が日本の冬至というわけである。季節だけならまだ良かったが、日付まできっちり決められているので、それならこれを南半球ではどう考えたらいいのかという話だ。
単純にこれが季節云々の話で済むなら夏至と呼びたい。文字的にも違和感は特にない。「もうすぐ夏至だ、すっかり夏が近づいたね」と言うところを、「日本はもうすぐ冬至だ、すっかり夏が近づいたね」とするとややこしいけれども、例えば南半球オーストラリアあたりでこのセリフがつぶやかれているのであれば別段おかしく感じることはないわけだ。
ところが冬至夏至も日付が決まっている。となると面倒くさい話で、季節の定義的には明らかに夏、つまり夏至と呼びたい所なんだけれども、北半球基準で考えると冬至だよ、という訳のわからない話になる。ややこしいけれど、暦もそうだが天文学とかにも使われていて、太陽は「冬至点」を通過する日だということになっている。
これはどう考えても名前を付けた時には地球が丸いなんて思われていなくて、なおかつ北半球とか南半球とか季節が違うとかそういう事は全く考慮されていないと、そういうわけである。

もっともオーストラリアや南アフリカなんかでは柔軟に考えて呼称していてもおかしくはないだろう。いくら12月でも暑ければ全土で夏至的な呼称をしてしまえば済む話だろうし。ただ南半球、特に南太平洋あたりには結構イギリス領やフランス領の島々があるけれど、こういったところではどうしているんだろう。どうでもいいことだろうけれど、ちょっと気になる話だ。
南半球での夏至冬至問題については軽く調べてみたけれど、特に明確な回答が見つからないので、知っている人がいたらこっそり教えて欲しい。単純に気になるので。