言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

好きな花は何ですか

好きな花は何ですか、と言われた時、何と答えるのが正解だかいまいちよくわかっていない。花の専門家でもなんでもないから、というのは大前提としても、季節によってこれが見れたら嬉しいなあ、という花が変わるからであろうか。

考えて見ると私は結構木に咲く花が好きである。表現がこれであっているのかわからないが、路地植えの花や鉢植えの花も好きだと思うものもあるが、これ! というものはだいたい木の上に咲くものであることに最近気が付いた。

例えば春であれば、圧倒的に桜が好きだ。ただしお花見は好きではないというか花粉症なので野外で食事がしたくないのと、場所とり合戦が嫌なのであまりやらない。理想としては桜並木を歩いて回るか、人の少ないような並木を鑑賞するとか、そういう事だろうか。人気の全くないところに咲いている桜というのもまた良し。人が見ているか否かは桜の咲く条件には入っていない。
夏は百日紅。まあ夏に咲く花が少ないと言うのもあるが、蒼い空に縮れたピンクの花はよく映えるし、あの独特なつるつるとした幹の感じも好きだ。名前と言い幹の感じといい色ものっぽく見られがちだが、そう言う意味では結構普通だし花もほどよく可憐であるといういい塩梅を保っているわけである。見回してみると意外と並木や家の庭樹に使われていたりして、人気自体は結構あるんじゃないだろうか。季節柄青々とした葉を一杯に生やしている木々が多い中で、百日紅が混ざっていると何だか癒される。青々とした葉も生命感というか勢いを感じて良いが、たまには休憩も必要だ。
秋は金木犀だろう。見た目もあの小さな橙色の花がこれまた小さく固まって咲いている様は素敵だし、何と言ってもあの甘い香りもたまらない。賛否両論ありそうだが、金木犀のあの香りが大好きなのである。ちょっと離れたところからでも香ってくるので、季節の移り変わりというか、もうすぐ冬がやってくるんだなぁというしんみりとした気持にもさせてくれる花である。紅葉や落ち葉が好きなので、それと同じくなんとなく切ない気持にさせてくれる良い花である。
冬は梅。これもまた香りの素敵な花だ。白い花、薄いピンクの花、種類によって色はさまざまあるがあの何とも言えない甘いけれどもさわやかな香りがたまらない。そう言う意味では桃や杏も好きだがあまり庭先や路地では見かけないのと、梅林が家の近くにあることからだろうか。完全に余談だが、毎年この地元の梅を使って祖母が甘い梅漬けと梅ジュースを作ってくれるのだが、夏バテ対策にぴったりで大変重宝している。梅酒は地元商店街が作っているものがあるが、これもまた絶品だ。生産数が少ないので、季節になると2本くらい買ってゆっくり飲んでいる。花も好きだがそれ以上に梅は身も好きである。作りはしないがもちろん梅干しも大好きだ。

好きな花はなんですか? と聞かれても一つにはなかなか絞れないものだが、ちゃんと考えればなるほどそうだったなと思えるようなものが出てくるものである。私も先日この言葉を目にしてからどうかなと考えて見たわけだが、案外するすると出てくるものだ。期を見て花を題材にした俳句でもまた詠んでみようかなあ。昔桜でたくさん詠んだような気がするけれど、散っていく話ばかりだったような……。