言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

レモンの水


ラーメンを食べるときに、あるいは食べ終わった後の水ってすごく美味しく感じる。個人的にはあれが水じゃなくてお茶とかでもおいしいと感じるのでアレだけれど、逆に言うとお茶と水が同列に普通に要られるのだから、水の価値(?)がちゃんと上がっているんだなと思うわけだ。美味いよね、水。しょっぱいものを食べた後や、暑くなった時なんかは特に。
そうだからこそラーメン屋で飲む水が一番おいしいとかそういった話まであるくらいだ、世の中には。
それはそうと、ラーメン屋の水といえば、レモン水である。普通の水とかミネラルウォーター的なものを出す場合も普通にあるけれど、結構な頻度でピッチャーの中にレモンが入れられているのである。つまりは水ではなくレモン水なのだ。
とはいっても別に味がすごくはっきりレモンなわけではなくて、ほんのりと香る程度なのがほとんどだろう。

言うまでもないが、おしゃれなお店で出てくるフルーツのたくさん入ったお水ではなく、あくまでラーメン屋の水である。
ラーメン屋以外で出てくる、レモンの入っているような水のその多くは「おしゃれアイテム」として置かれていることが多い気がする。水ではなく、フルーツの入ったお水はデトックス効果があるんですよ、的な。まあレモンに限らないけれど、味のうっすらついた水って感じだけれど、まあこういうのってたいていサービスで提供されるものだからありがたくもらうけどね。美味しいかといわれるとよくわからない。甘くはないので、果糖とかそういった糖分を摂るよりいいのかな、と思う時もあるけれど、高いお金を払って飲むのには抵抗があるかなくらいには思っている。


それよりもなによりも。

昔ラーメン屋でレモン入りの水を始めて飲んだ時、何にも考えず普通の水だと思って飲んだらほんのりレモンの香りがしてすごく驚いたのを覚えている。美味しかったとかそういうことではない。洗剤か何かの洗い残しなんじゃないかと思ったからだ。
その店は、水がセルフサービスではなかったのだ。水をついでもらって出してもらうタイプの店だったので、余計にレモンが入っているとは思いもしなかったのだ。えっ、なにこれ、ほんのり酸っぱいにおいするけど何? 味もちょっと酸っぱい……? なんだこれ、水じゃないのか? みたいな感じ。結構挙動不審だったと思う。
しかもその店、以前に行ったときは普通の水だったのが余計に思い込みに拍車をかけた。いつの間にかレモンを入れるようになったのだ。何度か店に足を運ぶうちに、水のピッチャーにレモンが入っているのを見て疑いが晴れた(勝手に疑っただけだが)のだけれど、ずいぶん訝しんだものだった。普通に水でもいいのに、とは思うけれど、まあなんかさわやかだし慣れてしまえばそれはそれでいいのかな、とは思う。

ところで、ラーメン屋で出てくる水はたいていピッチャーから注がれるものであるけれど、ごく稀に例外パターンもある。その中でも驚いたのは、ミネラルウォーターの瓶が出てきたときだ。
いやまあ元々そういう店なのだ。元イタリアンの店ということで注文も内装もイタリアンだし、だからその中のインテリアと同じく調和するようにミネラルウォーターとして瓶で提供されているわけだ。ただしメニューはちゃんとラーメンである。多少イタリアナイズされているけれど、ラーメンはラーメンである。わりと上品だけど。
フレンチな感じにアレンジされたラーメンを食べたことがあったけれど、その店では水が普通に出てきたもんだ(ただしオランジーナ激押しではあった)。内装も極めて普通のラーメン屋だったし、多少おしゃれだったけれど水は普通だった。こうも違うものか。

水1つを取っても、違いがあって面白いものである。