言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

印鑑


印鑑を押すのが苦手だ。

社会生活をしていく上で、印鑑を押すという機会は山ほど発生する訳だけど、どうも押印技術が向上しないのである。認印はかなりその傾向が強く、印鑑というよりはスタンプに近いようなもの、例えば日付と名前の入っているタイプの印鑑ですら得意ではない。ずれるしにじむしかすれるし欠ける。下敷きを引いてみてもそういうことではないらしい。もちろんないよりあった方がいいけど、あってもミスするときはミスする。それはもう押した瞬間というか、紙に触れるコンマ1秒前くらいにはもう「あ、これずれるな」と分かってしまうのだ。

上手に押せるのはあの黒いシャチハタ(シャチハタ株式会社のシャチハタ)とか、100円ショップに売ってる最も安いなんかよくわからないネーム判くらいである。あれは特に気を使わなくてもずれることはないし、気を使うような場面ではそもそも押さないわけである。だからどうってことはない。

認印以上のものが要求される場合は大抵重要なものが多い。重要だから印鑑が要求される。例えば家を買おうと思ったら実印を作らなくてはならない。店を経営しようと思っても多分同様に実印が必要となるだろう。
銀行に行って振り込みがしたいです。じゃあ認印を押してくださいね。ミスしました? じゃあ訂正印を押してくださいね。二重線で消して、訂正印を押してください。
書類にもよるけど、訂正印を押したうえでさらにもう一度認印なりなんなりを押さなければいけない場合があって、ミスすればするほどそれが増えて行く。
印鑑を押し間違えて何度書類を印刷したことか。紙の無駄から一発でやれって? わかってんだよそんなのは。それが出来ないから困ってるんだよ。

場所のミスはほとんどなくても、にじんだりかすんだり一部が欠けてしまったりと、看過できない場合それはすぐにやり直しになる。唯一無二の契約書類の類は、印に二重線を引きその上から訂正印としてシャチハタを押すとかいう意味のわからない状態になるわけである。そのシャチハタすらいまいち真っ直ぐ出来ていないとなるともう最悪だ。自分と自分の会社とかなら多少のミスでも大目に見てくれるかもしれないが、客先との契約書類だとかそういうものだとどうしていいものか。
契約の問題なのでつまり仕組みの問題だから仕方がないのだろうけど、本当に印鑑でやり取りするシステムが速く衰退して欲しいと心から思う。

あとは訂正印のシステムが本当に嫌い。間違えた個所に二重線を書いてそこにもう一度押印するあれ。
文字の書き間違えとかだけじゃなくて、印鑑のミスでも同様に訂正印が認められているからもう見た目がおかしくなっていくわけで。それに記入者(あるいは押印者)の印鑑でないと訂正したことにならないとかそういうのは、後から見つけた時に本当に本当に面倒くさいので嫌なんだよ。気づいた人に直させてくれよ。それじゃ意味がない事はわかってるんだけどさ。わかってるんだけどそれでも自分の印のミスがなくても、相手の文字の訂正があれば相手に印鑑を貰わなければならないわけで、そのためにまた電話を掛けてアポイントを取って、実インが必要であれば実印が必要な旨を再度伝えて、そうしてようやっと出向くわけであるからさ。何なんだよってなるわけよ。
それで往復400kmも掛けて車で往復してくるなんて馬鹿みたいな話だ。都心の会社同士のやり取りならどうってことはないけど、遠方とのやり取りになればなるほどこのあたりのやり取りは本当に煩わしい。たかが印鑑のために合計4時間もかけて行くとなれば、印鑑を押す時の手が震えて震えて止まらなくなるのも分かるだろう。

Excel上で印鑑的なオブジェクトを作って貼り付けることによって、書類を提出する謎文化がある会社もあるが、面倒くさいのはさておき紙に印鑑を押すよりかは幾分かマシであると言わざるを得ない。やりたくはないしそんなことまでして形式にこだわるかとは思うけど、紙は無駄にならなくて良い。ExcelにはExcelの嫌なところはいっぱいあるけど、それを印刷して内容を手書きして押印して提出するよりはずっと良い。

お願いだから早くこのシステムが廃れて欲しいけれど、そうしたらそうしたで別の面倒くさい事象が追加されてる気がしてならないんだよなぁ。