言葉のリハビリ場

特にテーマはなく、ざっくばらんに書いています

車内販売

先日、JR北海道JR東日本で車内販売の縮小が決まったというニュースを見た。電車の車内販売、そう言えば最近ほとんど使っていないかもしれない。
最後に使ったのはいつだろう。成田エクスプレスで朝ご飯を食べた時だろうか。朝はやすぎてコンビニに寄り忘れて、でも空港までは時間があるからと車内販売の軽食(おにぎり弁当的なものだったか)を購入した。それが最後だろうか。
買おうか悩んだのは水沢江刺から東京へ帰る新幹線の中。仙台駅で積み込まれた牛タン弁当を買おうか買うまいか悩んで、でもそこまでお腹がすいてなくて見送ってしまった。
買いたかったけど買えなかったのは、昨年の春の北海道で経験している。札幌発釧路行きの特急「スーパーおおぞら」。発車前に「車内販売はありません」のアナウンスに慌ててホームに弁当を買いに行った。北海道ではもう既に縮小されていた。そういうことだ。

こう考えてみると、車内販売が縮小されるというニュースも無理はないな、と思ってしまう。意外と使っていない。車内販売で買うシチュエーションが思い出せるくらいだから、印象以上に使ってないんじゃないかと思う。

小さい頃は車内販売への「憧れ」があった。とにかく食べ物を買ってもらいたくて、通るたびにねだったような思い出がある。そして買ってもらったことも、買ってもらえなかったことも、どちらも良く覚えている。上越新幹線で越後湯沢からの帰りに買ってもらったじゃがりこや、北海道は石勝線の特急「とかち」でひまわりの種アイスを買ってもらったのは特に良く覚えている。旅行の中での思い出の本の1ページではあるけれど、とても印象深いひとコマだ。

本当は、お弁当とかを買ってもらいたかったような記憶もある。幼いころから食い意地を張っていたのだ。もちろんご飯は普通にどころか普通以上に食べておいて、それでさらになにか食べるものが欲しかった。そんな時に、鯖の押し寿司弁当とか、ますのすしとか、横切る車内販売のカートを羨ましく眺めていたのが車内販売における弁当の思い出だ。
今思えば、車内で食べる弁当のほとんどは駅で買って持ち込んでいたような気がする。うちの両親は車内販売で弁当を買わなかった。でもまあ、電車で食事を取ることが事前に決まっていれば、確実に買える駅構内を選んでしまう気持ちはよくわかる。私も今ではそうするし、店で買う方が選べて在庫も多いからその方が何かと楽だ。

車内販売でしか買えないというパターンは一応存在する。例えば、仙台名物の牛タン弁当は仙台駅を過ぎないと入荷されないようで、東京行きの列車が盛岡を出発した時点では購入することができない場合がある。仙台の駅に停車した際に積み込んで車内販売にまわり、晴れて購入することができるという。仙台駅での停車時間は長くても2分程度なので、ホームに買いに行くのは少々無理がある。
まあでもこれは極めてマニアックな買い方だ。仙台以外から乗り込んで牛タン弁当を狙い撃ちで買うという人がどれだけいるだろうか。

JR北海道JR東日本では、車内販売を縮小する。北海道ではすでに販売のない列車が増えている。今回あえて発表したのは北海道新幹線あってのことだ。特急は既に販売を行わない事を発表している。東日本は新幹線での弁当やお土産、デザート(アイス類を指すと思われる)の販売を取りやめる。北陸新幹線以外の全列車が対象だそうだ。そういえばJR九州も新幹線の車内販売のニュースが出ていた。

風物詩がなくなって寂しい、とは思わない事はないけれど、自分がそこまでつかっていない者に対してさすがに「残して欲しい」とだけ手放しで伝えることはできない。でも寂しい気持ちはある。

今度こそ牛タン弁当、車内で買ってみよう。