言葉のリハビリ場

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ピザ食べたくないですか

ピザと一口に言っても、大きく分けてそれはイタリアの「ピッツァ」とアメリカの「ピザ」の2種類があってどうもそれは結構大きな違いがあるらしい。イタリアの「ピッツァ」と呼ばれるものは薄くてぱりぱりした生地を使っていて、それもかなりシンプルな具材のものが多い。いわゆるマリゲリータなんかがそうだ。生地も余計な混ぜ物はせずに、小麦粉と酵母、それに塩と水だけで作って、窯で直に焼く事までもが定義づけられている。要するにそれなりに条件があって認められている物のようだ。それに対してアメリカンなピザと言うものには特別な定義はない。元々イタリア人がアメリカに渡って広めたものであるらしいけれど、好きな具材を好きなように乗せてオーブンかなんかで焼いて提供する。ハンバーガーやフライドチキン何かと並ぶようなファストフードである。
日本で食べるピザというのはどちらかと言えばアメリカ的だ。しかしながらイタリアそのままのものももちろん存在するし、日本風にアレンジされているものだってある。
私個人的には特にそのあたりのこだわりなんてないので、美味しいピザがいろいろあっていいなぁ、くらいのどうしようもない感想しか出てこないわけで、こうして調べてみるまでアメリカだのイタリアだの違いなど知っているようで特に気にした事はなかった。

どうしてこんな話をしているのかと言うと、家の近くに素敵なピザを出すお店があるからだ。割と最近リニューアルオープンしたばかりの店で、かなりこじんまりとしている広さのお店である。ピザ屋さんと言うよりは、小さなイタリアンバルと言う方が近いかもしれないが、ランチタイムは500円で焼き立てのピザが丸々一枚食べられたのですごく驚いたものだった。
ピザはおそらく純粋なイタリア風のものに限りなく近いものであり、500円と言うのは驚異的である。いや、驚異的であった。安すぎたためピザばかり注文が来たのか、最近800円に値上げしていた。まあそれでも安いとは思うけれど。

ピザ一枚500円の頃はよく休日の昼時に利用していたものだった。店は空いているので、ゆっくり食事を楽しむのに素晴らしいと思ったからである。
ただまあこの店には窯が小さすぎてピザが1枚ずつしか焼けないという致命的欠点があって、自分より先に注文が入っていると20分くらいは平気で待たされる。だから美味しい店なのに店内は空いてるのだ。
ランチタイムは持ち帰りもできる。これは一見するととても便利だが、店の中で食事を取るべく待っているとそれはもう素敵な待ち時間を告げられることになる。店内には誰も他の客はいないのに、料理が一切運ばれてこないというなんとも面白い店である。だからGoogleマップの口コミ欄に暴言を書かれるんだろう。もったいない。
持ち帰り注文なら美味しいし安いし待つ時間込みで注文してからゆっくりお出かけすればいいので最高なのだが、残念ながら店の中に入って注文なんてした日にはいつピザにありつけるかわからないというのが実情である。電話注文なら立て込んでるときは断れるけれど、店内の注文は断れないもんね。そりゃあ立てこんだら大変だ。この店は時間制限のある食べ放題もやってるらしいけれど怖くて行けない。せめて時間無制限なら、と思ったけれどそうしたら終電どころか始発の時間になりそう。家の近くだからいいのか。そうか。

そういうわけで最近はピザが800円に値上げして、無限とも思えるような待ち時間はおそらく発生しなくなった。パスタは相変わらず500円でやっているようだが、どういうわけだかこれを食べに来ている人は少ないようで、特に値上げの予定もなさそうだ。
かくいう私もこの店ではピザしか食べたことがない。窯で焼きあげられたピザが3ケタ円で手軽に食べられるのがいいんだもんね。考えてみれば、パスタの美味しいお店はいろんな価格帯の様々な形態の店があるけれど、ピザの店は宅配のものを除けばかなり限られる。一人でも入りやすくて、手軽に楽しめる。この条件のピザを食べられるお店と言うのは案外貴重なのである。

最近、夜に店の前を通りがかると、店主が暇そうに座っているのを見るのでかなり心配であるが、まだまだ店がこのまま生き残ってくれれば良いなと無責任に思うばかりである。